死に戻り悪役令息は、魔法騎士になって無双する~男女逆転世界に転生した俺は、なぜか、王女殿下たちから溺愛されてます~

トモモト ヨシユキ

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8 恋か、愛か

8ー7 ガンバ!

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 8ー7 ガンバ!

 「どちらかの兄上様に手伝っていただけばいいのでは?」
 ロタにきかれて俺は、躊躇していた。
 エドワード兄もアルモス兄もダンジョンなんて行ったこともないどころか、剣術すらまともに習ってはいなかった。
 あの二人には、ダンジョンなんて無理だろうな。
 俺は、そう思っていた。
 だが、ロタは、違った。
 「まったく戦闘能力のないお二人だからこそいい実験台になるのではないでしょうか?」
  
 というわけで。
 「なんで僕がこんなところに?」
 アルモス兄は、クィンティラ・ダンジョンの入り口で俺に文句を言った。
 うん。
 アルモス兄は、行きの馬車の中でもさんざんぶつくさ言ってたしな。
 「文句を言わないで、アルモス兄」
 俺は、ダンジョンへと入っていきながらアルモス兄を手招きした。
 「ちゃんと手伝ってくれたら星観月の祭りのときにアリバイ工作に協力してあげるから」
 「絶対だよ!」
 俺とアルモス兄とロタは、ダンジョンの奥へと入っていく。
 この人工魔道回路の試運転なのだからできれば2階層より先で試してみたい。
 どんどん奥へと潜っていく俺についてきながらもアルモス兄は、不安を隠せない。
 「大丈夫なの?オルナム」
 アルモス兄は、びくびくと周囲を見回しながら俺の服の裾を引っ張った。
 「もう、かなり歩いたんだけど。なんか、人も少なくなってきたし」
 「うん。もうそろそろいいかな」
 俺は、3階層の入り口付近で立ち止まるとロタから人工魔道回路を受け取り、アルモス兄に渡して使い方の説明をした。
 人工魔道回路は、小さな木製の鞄の中に組み込まれた魔道回路とそれを動かす魔法石が入った魔道具だ。
 それをアルモス兄は、不安げに手に持ったままじろじろと眺めていた。
 「これ、何?僕、いったい何をさせられるのさ?」
 「うん」
 俺は、満面の笑みを浮かべた。
 「アルモス兄は、これからそれを使ってあれを倒してくれたらいいんだよ」
 「あれ?」
 振り向いたアルモス兄の前には、巨大なオークが立ちふさがっていた。
 「ええ?」
 アルモス兄が青ざめる。
 俺は、アルモス兄の背中を押した。
 「大丈夫!アルモス兄ならできるよ!ガンバ!」
 「ええっ!?」
 アルモス兄がひきつった顔で俺の方を見た。
 俺は、アルモス兄の背中を押した。
 オークが咆哮をあげ、アルモス兄に向かってくる。
 「もし、死んだら!恨んでやるからね!」
 アルモス兄が叫んだ。
 
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