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3 歴史は、夜に作られる。
3ー9 復讐
3ー9 復讐
冬になると王都の人口は、増える。
暑い夏場を領地や保養地ですごした人々が戻ってくるからだ。
冬は、貴族にとって社交の季節だ。
夏場領地に戻っていたカークが帰ってくる。
俺は、カークが戻る日を待ち望んでいたが同時に恐れてもいた。
俺は、夏の間にカークに手紙を書いていた。その手紙の中で俺は、宰相を客にしたことをカークに伝えていた。
カークからは、俺の手紙を受け取ってからしばらく連絡がなかった。俺の不安は次第に募っていった。
俺が部屋にこもってろくに食事もとらなくなったときいてアンリが様子を見に来た。俺は、正直にカークから手紙がこないことを打ち明けた。
「カークに嫌われた?」
アンリは、俺の話をきくと笑い出した。俺は、涙目で笑っているアンリを睨み付ける。
「笑うな!俺は、真剣なんだからな!」
「まあ、落ち着け、ルシウス」
アンリは、笑いすぎて涙を流していた。俺は、ますます怒って不機嫌になっていた。
「そう怒るなよ」
アンリが涙を拭うと俺に向き直り一枚の手紙を差し出した。それは、俺を身請けしたいというカークからの手紙だった。
「カークが?」
「そうだ」
アンリがふぅっと吐息をついた。
「あの堅物がよりにもよって男娼のお前に惚れたんだ。あいつは、反対している家族を説得してお前を身請けして伴侶にするつもりだ」
「ほんとに?」
俺は、嬉しくて涙ぐんでいた。しかし、アンリは、頷くと突然、俺の目の前でカークからの手紙を破き始めた。
驚いて見ている俺にアンリは、冷ややかな眼差しを向けた。
「だが、私は、お前をカークに売るつもりはない。お前が欲しければこの私のもとに来て抱くしかないというわけだ」
俺は、このとき理解した。
これは、アンリの復讐なんだ、と。
初めて恋した相手に告白もできなかったアンリの捻れた復讐。
俺は、目の前が暗くなるのを感じてその場に座り込んだ。
「そういえば」
アンリが俺に告げた。
「もうすぐカークは、王都に戻ってくるそうだよ、ルシウス」
俺は、部屋から去っていくアンリの背を呆然と見送っていた。
冬になると王都の人口は、増える。
暑い夏場を領地や保養地ですごした人々が戻ってくるからだ。
冬は、貴族にとって社交の季節だ。
夏場領地に戻っていたカークが帰ってくる。
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俺は、夏の間にカークに手紙を書いていた。その手紙の中で俺は、宰相を客にしたことをカークに伝えていた。
カークからは、俺の手紙を受け取ってからしばらく連絡がなかった。俺の不安は次第に募っていった。
俺が部屋にこもってろくに食事もとらなくなったときいてアンリが様子を見に来た。俺は、正直にカークから手紙がこないことを打ち明けた。
「カークに嫌われた?」
アンリは、俺の話をきくと笑い出した。俺は、涙目で笑っているアンリを睨み付ける。
「笑うな!俺は、真剣なんだからな!」
「まあ、落ち着け、ルシウス」
アンリは、笑いすぎて涙を流していた。俺は、ますます怒って不機嫌になっていた。
「そう怒るなよ」
アンリが涙を拭うと俺に向き直り一枚の手紙を差し出した。それは、俺を身請けしたいというカークからの手紙だった。
「カークが?」
「そうだ」
アンリがふぅっと吐息をついた。
「あの堅物がよりにもよって男娼のお前に惚れたんだ。あいつは、反対している家族を説得してお前を身請けして伴侶にするつもりだ」
「ほんとに?」
俺は、嬉しくて涙ぐんでいた。しかし、アンリは、頷くと突然、俺の目の前でカークからの手紙を破き始めた。
驚いて見ている俺にアンリは、冷ややかな眼差しを向けた。
「だが、私は、お前をカークに売るつもりはない。お前が欲しければこの私のもとに来て抱くしかないというわけだ」
俺は、このとき理解した。
これは、アンリの復讐なんだ、と。
初めて恋した相手に告白もできなかったアンリの捻れた復讐。
俺は、目の前が暗くなるのを感じてその場に座り込んだ。
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「もうすぐカークは、王都に戻ってくるそうだよ、ルシウス」
俺は、部屋から去っていくアンリの背を呆然と見送っていた。
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