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6 恋と愛と欲望と
6ー1 お慕いしておりました。
6ー1 お慕いしておりました。
ドアが開き俺は、その場に跪いた。
「ああ、エルターク殿」
声の主は、俺に近づいてくると俺の腕をひいて無理矢理立ち上がらせようとした。
「どうか、そのようなことをするのは、止めてくれ」
俺は、立ち上がるとその人の顔を見上げた。
俺より拳2つ分は背が高いその方は、俺に微笑みかけた。金色の髪を肩まで伸ばしたその美丈夫は、美しい金色の瞳で俺を見つめていた。
その方は、俺も魔法学園時代や冒険者時代にお目にかかったことがある勇者の兄であり、このエイダース王国の王太子であるスミルナ・オル・ラ・エイダースその人であった。
俺たちがテーブルにつくとすかさずルトがお茶のカップを置く。いつもは、それなりの準備をするのだが、今夜は、なんの準備もしてなかったので、いつも俺が飲んでいる紅茶しかなかった。
「ありがとう、いただくよ」
王太子殿下は、俺ににっこりと笑みを向けるとカップを手に取り一口飲んだ。
「うん、なかなかおいしい。エルターク殿は、相変わらず趣味がいい」
「スミルナ殿下」
俺は、口を開いた。
「なぜ、この度は、このような場所に?」
「決まっているだろう。君に会いに来たんだよ」
王太子殿下は、俺からふいっと視線をそらした。
「愚弟が君にすまないことをしたこと、謝りたいとずっと思っていたんだ」
「そのようなこと」
俺は、王太子殿下に謝られて困惑していた。俺が勇者一行から追放されたのは、なんにしろあのパーティの連中のせいであって王太子殿下の責任はまったくない。
「あなた様がお気になさるようなことではございません」
「しかし!」
王太子殿下ががたっと身を乗り出しカップのお茶がこぼれたが、それにも気を止めることなく彼は、俺の手を取った。
「あなたほどの方がこのような苦界に身を堕とされたのは、すべて愚弟のしたことのせい、ひいては、我々王族の責任なのだ!」
はい?
俺は、首を傾げていた。
俺がこの娼館に売られてきたのは、義兄に騙されたせいなんだが。
「殿下。殿下は、勘違いされているようです」
俺は、俺の手を握る殿下の手にそっと触れた。
「殿下のお優しいお気持ちは、ありがたいのですが、俺がここにいるのはクルーゼ様のせいでも、ましてやスミルナ殿下のせいでもございません。俺が身内の借金のためにここに追いやられたのであって、誰かのせいというわけではないのです」
まあ、義兄のせいなんだが。
俺は、口許に笑みを浮かべた。
「だから、どうかお気になさらないでください」
「エルターク殿・・・」
王太子殿下が突然、ポロポロと涙を溢したので俺は、驚いて絶句した。彼は、なおも俺の手を握ったまま主張した。
「いえ、いえ、違うのだ!」
王太子殿下が泣きながら俺に訴えた。
「はじめてあなたを見たその日より、私は、あなたをお慕いしておりました。なのに・・あなたがこのような苦境に立たれているのに何もすることができずに手をこまねいていた」
ドアが開き俺は、その場に跪いた。
「ああ、エルターク殿」
声の主は、俺に近づいてくると俺の腕をひいて無理矢理立ち上がらせようとした。
「どうか、そのようなことをするのは、止めてくれ」
俺は、立ち上がるとその人の顔を見上げた。
俺より拳2つ分は背が高いその方は、俺に微笑みかけた。金色の髪を肩まで伸ばしたその美丈夫は、美しい金色の瞳で俺を見つめていた。
その方は、俺も魔法学園時代や冒険者時代にお目にかかったことがある勇者の兄であり、このエイダース王国の王太子であるスミルナ・オル・ラ・エイダースその人であった。
俺たちがテーブルにつくとすかさずルトがお茶のカップを置く。いつもは、それなりの準備をするのだが、今夜は、なんの準備もしてなかったので、いつも俺が飲んでいる紅茶しかなかった。
「ありがとう、いただくよ」
王太子殿下は、俺ににっこりと笑みを向けるとカップを手に取り一口飲んだ。
「うん、なかなかおいしい。エルターク殿は、相変わらず趣味がいい」
「スミルナ殿下」
俺は、口を開いた。
「なぜ、この度は、このような場所に?」
「決まっているだろう。君に会いに来たんだよ」
王太子殿下は、俺からふいっと視線をそらした。
「愚弟が君にすまないことをしたこと、謝りたいとずっと思っていたんだ」
「そのようなこと」
俺は、王太子殿下に謝られて困惑していた。俺が勇者一行から追放されたのは、なんにしろあのパーティの連中のせいであって王太子殿下の責任はまったくない。
「あなた様がお気になさるようなことではございません」
「しかし!」
王太子殿下ががたっと身を乗り出しカップのお茶がこぼれたが、それにも気を止めることなく彼は、俺の手を取った。
「あなたほどの方がこのような苦界に身を堕とされたのは、すべて愚弟のしたことのせい、ひいては、我々王族の責任なのだ!」
はい?
俺は、首を傾げていた。
俺がこの娼館に売られてきたのは、義兄に騙されたせいなんだが。
「殿下。殿下は、勘違いされているようです」
俺は、俺の手を握る殿下の手にそっと触れた。
「殿下のお優しいお気持ちは、ありがたいのですが、俺がここにいるのはクルーゼ様のせいでも、ましてやスミルナ殿下のせいでもございません。俺が身内の借金のためにここに追いやられたのであって、誰かのせいというわけではないのです」
まあ、義兄のせいなんだが。
俺は、口許に笑みを浮かべた。
「だから、どうかお気になさらないでください」
「エルターク殿・・・」
王太子殿下が突然、ポロポロと涙を溢したので俺は、驚いて絶句した。彼は、なおも俺の手を握ったまま主張した。
「いえ、いえ、違うのだ!」
王太子殿下が泣きながら俺に訴えた。
「はじめてあなたを見たその日より、私は、あなたをお慕いしておりました。なのに・・あなたがこのような苦境に立たれているのに何もすることができずに手をこまねいていた」
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