勇者一行から追放された大魔法使い、伝説の男娼になる。

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
71 / 90
8 王国の宝玉

8ー1  身請け?

 8ー1 身請け?

 俺が娼館『シャトウ』にきて4度目の冬がきた。
 「お前、いくつになった?」
 アンリが急に俺に訊ねた。
 うん?
 俺は、アンリに答えた。
 「来年の春で24になるけど」
 「そうか」
 俺は、アンリの執務室に呼び出されていた。アンリは、ソファに腰かけた俺に微笑んだ。
 「どうだ?そろそろ身請けを考えてみるか?」
 はい?
 俺は、それが嬉しいのかどうかもわからなくて。複雑な思いがしていた。
 だって、一度男娼に堕ちた俺がどんな人生を歩めるっていうんだよ?
 「幸いなことにお前には何人かの身請けを望んでいる客がいる。その中の誰かに身請けしてもらうつもりはないか?」
 俺の頭の中は、一瞬でパニックになっていた。
 俺の身請けを望んでいるのは、というと。
 まずは、ヤーマン商会の会頭であるグラム・ヤーマン老。または、俺の前々世の伴侶であった邪神カルゼ。
 そして、宰相であるシャーウッド・フォン・レイヤー伯爵。
 最後にこの国の王太子殿下であるスミルナ・オル・ラ・エイダース殿下。
 この3人ぐらいかな?
 まあ、他にも謹慎が解けてから通ってきてる第2王子であるもと勇者のクルーゼ・オル・ラ・エイダースとかもいるわけだけどこいつは、俺が候補から外しているし。
 だって、嫌だろ?
 昔の友達に身請けされるなんて。
 だいたい俺の身請けなんてもの大金持ちじゃないと無理だし。アンリがいくらぐらいふっかけるのか知らないが、一晩過ごすだけで金貨100枚だからな。ちょっと考えられない金額なんだろうな。
 「なんで、そんなこと急に?」
 俺がきくとアンリは、ふっと口許を緩めた。
 「私の思いは、お前のおかげで叶えられた。お前を買ったもともとれてるし、そろそろお前を自由にしてやってもいいかと思ってな」
 マジか。
 アンリは、部屋に戻る俺に言った。
 「まあ、急ぐことではないが、考えておいてくれ、ルシウス」
 俺は、どうやって部屋まで戻ったのかよく覚えていない。
 とにかくふらふらしながら部屋に戻ってきた俺をルトがソファに座らせてくれた。
 「どうしたんだ?ルシウス」
 「ああ・・」
 俺は、ぼんやりしたままルトに答えた。
 「俺、身請けされるのかもしれない」
 
感想 8

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。