勇者一行から追放された大魔法使い、伝説の男娼になる。

トモモト ヨシユキ

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8 王国の宝玉

8ー2 逃げるか?

 8ー2 逃げるか?

 それから俺の周囲は、にわかに賑やかになってきた。
 毎日のようにヤーマン老や、シャル、それにスミルナ様から俺への贈り物や手紙が届いた。そして、夜には、彼らが入れ替わり立ち替わり部屋を訪れてくる。
 時には、俺の部屋で彼らが顔を会わせることもあった。そのときは、お互いを牽制するような会話が繰り広げられていた。 
 「なんか、疲れる・・」
 男たちが去った後、朝のひとときに俺は、湯船に身を沈めてため息をついた。
 「あんたがさっさと誰に身請けされるか決めないからじゃないの?」
 ルトが俺の髪を洗いながら厳しいことを言うので俺は、唇を尖らせる。
 「簡単にいうなよな」
 そう。
 いざ、誰を選ぶかとなると、俺には、決めかねていた。
 金持ちというならヤーマン老だが。
 俺は、唸った。
 老人であるヤーマン老だが、本当の姿は、邪神であるカルゼなので身請けされても死に別れるとかいう心配はなさそうだ。俺のこと1番深く愛してくれているのだろうし、彼を選ぶべきかもしれない。
 だが、体の相性は、シャルが1番だし。
 それにシャルなら独身で家族も今はいないのでしがらみはない。
 カルゼとは、前々世からの付き合いでありおそらくこれからも永遠に共にあるのだろうが、ただの人であるシャルとは、今しかない。
 後は、スミルナ様だが・・
 俺に王太子妃なんて荷が重すぎる。
 側室だってちょっと気が重い。
 でも。
 スミルナ様は、俺のことをよくわかってくれているし。学生の頃から思ってくれていただけあって、彼は、俺の考えをよくわかってくれている。
 うん。
 俺は、頭を悩ませていた。
 3人とも好きだし、誰を選んでも後悔してしまいそうな気がする。
 「悩んでるのか?ルシウス」
 髪をすきながらルトがきいたので頷くとルトは、俺に言った。
 「なら、俺と一緒に逃げるか?」
 はい?
 俺がルトを見るとルトは、耳まで赤くなってるし。それを見ると俺もなんだか顔が熱くなった。
 「ばかなこと、言うな」
 もしそんなことをしたら、すぐにアンリたちに連れ戻されて俺もルトも酷いお仕置きをされるに違いない。
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