正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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1 転生者は、隠されたい。

1ー9 ティーナ様

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 1ー9 ティーナ様

 夕食時、フェリオス様は、食堂に現れなかった。
 ラキアスさんは、僕にもう一人のお子であるティーナ様を紹介してくれた。
 ティーナ様は、明るいふわふわの柔らかそうな金髪を肩までで切り揃えた可愛らしい女の子だった。
 だが。
 その青いつぶらな瞳は、落ち着きがなくきょときょとしている。
 常に何かに怯えているようだ。
 僕は、ティーナ様の前に片膝をつくと彼女の目を見つめて微笑んだ。
 「新しい家庭教師のダニー・トールズです。よろしくお願いします、ティーナ様」
 「かていきょーしのしぇんしぇい?」
 小さな声で訊ねられて僕は、頷いて見せる。
 「そうです。これから一緒にお勉強しましょうね」
 「おべんきょう?」
 ティーナ様が視線をさ迷わせる。
 まだ3歳とはいえ、なんだか不安な様子に僕は、違和感を覚えた。
 ラキアスさんを見るとラキアスさんも不安げな眼差しをしているし。
 どういうことかな?
 後でティーナ様のこともラキアスさんに確認しなくては。
 そう思いながら僕は、食卓についた。
 僕は、ティーナ様の隣の席だったのでそっと彼女の様子をうかがうことができた。
 ティーナ様は、まだ3歳。
 なんとか小さなスプーンを手に持って食事をとっていたが少しスープをテーブルに溢してしまった。
 「ご、ごめんなしゃい!」
 みるみるうちにティーナ様の目に涙が溜まり溢れ落ちていく。
 「ごめんなしゃいっ!」
 「いいんですよ?ティーナ様」
 僕は、すぐにティーナ様の溢したスープを自分のナプキンで拭った。
 子供が食事を溢すなんてよくあることだし。
 それにしては、ティーナ様の怯えようが奇妙だ。
 僕は、とにかくティーナ様を落ち着かせようとそっと頭を撫でた。
 「ティーナ様は、お一人で食事ができるのですね。そのお年で偉いですよ?」
 ティーナ様がひっくと泣きながら僕を見上げる。
 「ティーナ、えらい?」
 「そうです。えらいです」
 僕は、それからゆっくりと時間をかけてティーナ様と一緒に食事をした。
 ティーナ様は、少しでも溢したりすると、その度にびくついていた。
 何かを恐れているように。
 どういうことだ?
 もしかして今までの家庭教師の中に食べ物を溢すとひどく叱る者がいたのかな?
 でも、この幼さだし。
 一人で食事ができるだけでもすごいと思うんだけど。
 食事がすむとティーナ様は、お付きのメイドに連れられて部屋へと戻っていった。
 何度も僕を振り返る様に僕の胸は、ちくっと痛んでいた。 
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