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2 転生者は、愛されたい。
2ー3 口づけ
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2ー3 口づけ
さっきまで座っていた木の根本を探してみたがメガネは見つからなかった。
もう、辺りはすっかり暗くなってきたし。
「もう、戻った方がいい」
ロイドが僕を促した。
「この辺りがいくら安全だとはいえ、魔物がでないとも限らない」
僕は、ロイドに肩を抱かれて屋敷へと歩きだした。
戻るともう、みんな、食堂に集まっていた。
「どうされていたんですか?」
ラキアスさんが訝しげに僕を見る。
「こんな遅くなるまで」
「す、すみません」
僕は、うつむいて顔を隠そうとした。
ラキアスさんは、ふぅっとため息をつく。
「これからは、気をつけてくださいね」
視線を感じて顔をあげるとフェリオス様がじっと僕を見つめていた。
というか。
ロイドを見ている?
「ずいぶんと親しそうだな、叔父上と」
「ああ」
ロイドが僕の椅子をひいてくれて僕は、テーブルについた。
「俺たちは、貴族学園の学友だからな」
なんだかわからないが二人は、じっと見つめあっている?
ずいぶん仲がいい様子に僕は、口許が綻ぶ。
夕食後、僕とロイドは、図書室でくつろいだ。
ラキアスさんが気をきかせてくれたようで誰も近づくものはいない。
僕は、ロイドの横顔をじっと眺めていた。
つい最近、王都で別れたばかりなのに何年も会ってないような気恥ずかしさがあった。
不意にロイドがこちらを見て目が合う。
心臓が跳ねて、頬が熱くなる。
僕は、ロイドから視線をそらした。
「今日は、会えて嬉しいよ」
「君にこの職場を紹介したのは俺だし。気になってね」
ロイドは、ラキアスさんが入れてくれたお茶を飲みながら僕をじっと見た。
「でも、来てよかったよ、ダニー」
「ふぇっ?」
ロイドが僕の顎に指をあてて自分の方へと向かせる。
水色の瞳が怪しく輝いて。
僕は、どきどきが止まらなくなる。
「まさか、あんな伏兵がいたなんてな」
ふ、伏兵?
意味がわからなくて僕が首を傾げているとロイドがくっくっと笑った。
「君は、そのままでいてくれよ、ダニー」
「ど、どういう」
言いかけた僕の唇をロイドが塞ぐ。
「んっ!」
くちゅっと音がして僕は、背中がぞくぞくするのを感じた。
ロイドは、僕の唇を開かせると舌で口内を探ってきた。
甘やかな感覚に囚われて僕は、意識が飛んでいきそうになる。
僕を充分に貪るとロイドは、唇を離して僕ににっと笑いかけた。
「ずっと、君にこんな風にキスしたかったんだ」
「こんな風に?」
まだぼんやりしている僕の唇を舌先でちろっと舐めるとロイドは、もう一度、軽くキスした。
さっきまで座っていた木の根本を探してみたがメガネは見つからなかった。
もう、辺りはすっかり暗くなってきたし。
「もう、戻った方がいい」
ロイドが僕を促した。
「この辺りがいくら安全だとはいえ、魔物がでないとも限らない」
僕は、ロイドに肩を抱かれて屋敷へと歩きだした。
戻るともう、みんな、食堂に集まっていた。
「どうされていたんですか?」
ラキアスさんが訝しげに僕を見る。
「こんな遅くなるまで」
「す、すみません」
僕は、うつむいて顔を隠そうとした。
ラキアスさんは、ふぅっとため息をつく。
「これからは、気をつけてくださいね」
視線を感じて顔をあげるとフェリオス様がじっと僕を見つめていた。
というか。
ロイドを見ている?
「ずいぶんと親しそうだな、叔父上と」
「ああ」
ロイドが僕の椅子をひいてくれて僕は、テーブルについた。
「俺たちは、貴族学園の学友だからな」
なんだかわからないが二人は、じっと見つめあっている?
ずいぶん仲がいい様子に僕は、口許が綻ぶ。
夕食後、僕とロイドは、図書室でくつろいだ。
ラキアスさんが気をきかせてくれたようで誰も近づくものはいない。
僕は、ロイドの横顔をじっと眺めていた。
つい最近、王都で別れたばかりなのに何年も会ってないような気恥ずかしさがあった。
不意にロイドがこちらを見て目が合う。
心臓が跳ねて、頬が熱くなる。
僕は、ロイドから視線をそらした。
「今日は、会えて嬉しいよ」
「君にこの職場を紹介したのは俺だし。気になってね」
ロイドは、ラキアスさんが入れてくれたお茶を飲みながら僕をじっと見た。
「でも、来てよかったよ、ダニー」
「ふぇっ?」
ロイドが僕の顎に指をあてて自分の方へと向かせる。
水色の瞳が怪しく輝いて。
僕は、どきどきが止まらなくなる。
「まさか、あんな伏兵がいたなんてな」
ふ、伏兵?
意味がわからなくて僕が首を傾げているとロイドがくっくっと笑った。
「君は、そのままでいてくれよ、ダニー」
「ど、どういう」
言いかけた僕の唇をロイドが塞ぐ。
「んっ!」
くちゅっと音がして僕は、背中がぞくぞくするのを感じた。
ロイドは、僕の唇を開かせると舌で口内を探ってきた。
甘やかな感覚に囚われて僕は、意識が飛んでいきそうになる。
僕を充分に貪るとロイドは、唇を離して僕ににっと笑いかけた。
「ずっと、君にこんな風にキスしたかったんだ」
「こんな風に?」
まだぼんやりしている僕の唇を舌先でちろっと舐めるとロイドは、もう一度、軽くキスした。
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