正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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2 転生者は、愛されたい。

2ー2 再会

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 2ー2 再会

 「お前たちは、嘘ばっかりつく!いつだってほんとのことなんか言いやしない!」
 怒りに任せて木炭をふるいながらフェリオス様は、僕にわめく。
 「いつもいつも!僕が子供だと思ってバカにしているんだ!」
 僕は。
 この子供がとても利発な賢い子供だということを理解した。
 賢すぎるぐらいだ。
 きっと、周囲の大人たちも扱いかねていたのに違いない。
 この敏い子供は、どんなにか孤独の中にいたことだろう。
 僕は、ふぅっとため息をつくとメガネを外した。
 「これは、僕のお守りなんです」
 「お守り?」
 フェリオス様が手を止める。
 僕は、にっこりとフェリオス様に微笑みかけた。
 「そう。お守りです」
 僕は、ありのまま、ほんとの話をフェリオス様に話した。
 幼い頃から危険な大人たちから獲物として狙われていたこと。
 そのために父がなけなしの金でこの認識阻害の魔道具を買ってくれたこと。
 「この魔道具のおかげで今では、ほとんどそういう目で僕を見る者はいなくなりました」
 「そうなのか」
 フェリオス様は、納得したのか僕をじっと見つめて頷いた。
 「確かに、それをつけていた方がいいのかもしれないな」
 それから。
 僕たちは、無言でただ座っていた。
 いや。
 フェリオス様は、絵を描いていたので何もしてなかったのは僕だけだけど。
 秋の日は、爽やかで。
 僕は、いつの間にか眠ってしまっていた。
 夕暮れの冷たい風に僕が目を覚ましてくしゃみをした時には、もう、フェリオス様の姿はなかった。
 僕は、焦ってしまった。
 家庭教師なのに、仕事を放棄してこんなところで眠りこけていたなんて!
 立ち上がろうとして肩に小さな上着がかけられていることに気付いた。
 それは、フェリオス様が着ていた上着で。
 眠っている僕に上着をかけてくれたらしい。
 これじゃ、どちらが保護者かわからないし。
 僕は、苦笑いして立ち上がると屋敷へと歩きだした。
 屋敷に戻る途中で思いがけない人に出会った。
 それは、ロイドだった。
 「ダニー!」
 彼は、僕に駆け寄ってくるとぎゅっと僕を抱き寄せた。
 「ロイド?」
 僕は、胸が高鳴るのを感じていた。
 「なんで?」
 「君のことが心配だったからに決まっているだろう?」
 ロイドが僕を離すとまじまじと僕を見つめた。
 「メガネ、やめたのか?」
 はいっ?
 僕は、慌てて顔に手をやったが確かにメガネがないし!
 どうして?
 僕は、大切なメガネがなくなってパニックになっていた。
 「どこ、いったのかな。僕、どうしたら」
 「もう、そのメガネは必要ないんじゃないか?」
 ロイドが僕に囁いた。
 「もう、君に危害を加えるような者はいないだろう?」
 そうなのかな?
 僕は、ちょっと涙ぐんでいた。
 「でも。父さんが買ってくれたものだし!」
 
 
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