正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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2 転生者は、愛されたい。

2ー6 初めてのキス

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 2ー6 初めてのキス

 翌朝、目が覚めると隣にフェリオス様が眠っていた。
 昨夜のことを思い出して僕は、ふぅっと吐息を漏らした。
 昨夜。
 ロイドに告白されて。
 そのまま、一線を越えるところだったんだけど、僕は、なんとか振りきって部屋に戻った。
 でも、ロイドと、その、いちゃついているところをフェリオス様に目撃されてしまって。
 フェリオス様に強迫?されて僕は、彼の愛人になる約束をさせられた。
 でも、それは、今のことじゃない。
 フェリオス様が貴族学園を卒業した後のこと。
 僕は、すやすやと無邪気に眠っているフェリオス様を見つめてふふっと笑った。
 「フェリオス様」
 「んぅ・・・」
 フェリオス様が眠気眼を擦りながら僕の腰に腕を回して抱きついてくるのを見て僕は、彼の頭をそっと撫でた。
 きっと寂しかったのだ。
 だから。
 こんな風に甘えられる人が欲しかったのだろう。
 それであんなことを。
 僕は、僕にすり寄ってきて眠っているフェリオス様をそっと揺り起こす。
 「そろそろ起きないと。ラキアスさんが起こしにきちゃいますよ?」
 「ん・・・」
 フェリオス様が目を擦りながらベッドの上に起き上がると僕も起き出す。
 昨夜、愛人なら一緒に寝るもんだとフェリオス様に主張されて仕方なく僕の部屋のベッドで一緒に眠った。
 もちろん、添い寝しただけだし!
 弟と一緒に寝る以上のことなんて何もなかった。
 僕は、僕のシャツを着ているフェリオス様を洗面台まで導くと洗顔させてから服を着替えさせた。
 そして、先に部屋から出す。
 「なんで一緒に部屋を出たらダメなんだ?」
 「愛人というのはそういうものです」
 僕は、ふっと笑った。
 「誰にも見つからないようにしないといけないのですよ」
 「そうなのか!」
 フェリオス様がこくりと真面目な顔で頷くと部屋からそっと出ていく。
 「じゃあ、僕は、先に食堂に行く。後でちゃんと来るんだぞ!ダニー」
 ドアがぱたんと閉まると僕は、くっくっと笑ってしまった。
 けど。
 すぐにドアが開いてフェリオス様が戻ってくる。
 「どうしたのですか?」
 「いや、ちょっと」
 なんだか頬を赤らめているフェリオス様は、僕の前に立つと僕にしゃがむようにと命じた。
 「はいはい」
 僕は、フェリオス様と同じ目線になるようにその場にしゃがみ込んだ。
 すると。
 「目を閉じろ」
 「はい?」
 僕が目を閉じると何かがちゅっと頬にあたるのを感じた。
 もしかして、キスされた?
 僕が驚いて目を開けるとフェリオス様が駆け去っていくのが見えた。
 顔を真っ赤にして。
 僕は、自分の頬に手をあてると思わず口許が綻ぶのを止められなかった。
  
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