17 / 25
2 転生者は、愛されたい。
2ー7 秘密
しおりを挟む
2ー7 秘密
僕が身支度して食堂に行くとみな、もう揃っていた。
「遅かったな、ダニー」
ロイドが立ち上がって隣の席の椅子をひいてくれた。
「ありがとう」
礼をいって腰かけようとするとフェリオス様と目があった。
微笑みかけるとふいっとそっぽを向かれてしまう。
朝食後、ロイドが僕を遠乗りに誘ってくれたが、フェリオス様が間に割り込んできた。
「お前の仕事は、僕に勉強を教えることだろう?」
「お勉強されますか?」
僕が訊ねるとフェリオス様が胸を張って答えた。
「もちろんだ!」
僕は、フェリオス様に手を引っ張られて勉強部屋へと連れていかれた。
そこにはティーナ様の姿もあった。
舌打ちしてティーナ様を睨み付けるフェリオス様に涙ぐむティーナ様。
僕は、二人の間に入るとフェリオス様に話した。
「幼い女の子をいじめるような方は、貴族学園には入学できませんよ?」
むむっとフェリオス様が口をひき結んだ。
彼は、何か言いかけたが黙ってそのまま自分の席についた。
「で?何の勉強をするんだ?ダニー」
それから僕たちは、簡単な子供用の昔話が書かれた本を一緒に読んだ。
フェリオス様は、このレベルの本は問題なく読めることがわかったので午後からは、もう少し年端のいった子供用の書き取りの本を図書室で探してきてみた。
お茶の声をかけに来たラキアスさんが信じられないという表情で僕たちを見ていた。
お茶の後は、自由時間にする。
ラキアスさんと執務室でこれからの予定を話し合うが、ラキアスさんは僕の手をぎゅっと握りしめて涙を浮かべていた。
「こんなことがあるなんて!あの、フェリオス様が大人しく勉強を?しかもティーナ様を泣かせもせずに!信じられない!」
「言っただろう?」
執務室に顔を出したロイドがにやりと口許を歪める。
「ダニーには問題児を引き付ける魔力のようなものがあるんだよ」
僕たちは、これからのフェリオス様とティーナ様の勉強のおおまかな予定を決めた。
僕は、午前中を勉強にあて、午後は、剣や魔法の鍛練や自由時間にするように進言した。
フェリオス様もティーナ様ももっとやりたいことをやらせて差し上げる方がいいだろうと思ってのことだ。
まだまだ幼いティーナ様には、お昼寝もさせたいし。
夕食後、ロイドと僕が食堂でお茶を飲んでいたらラキアスさんが嬉しそうに近づいてきた。
「フェリオス様が!はやく貴族学園に行きたいとお話になられて!」
「そうなんだ」
僕は、ちょっと苦笑してしまった。
ロイドは、そんな僕をじとっと見ていたが、ラキアスさんが去った後で僕に訊ねてきた。
「いったいどんな手を使ったんだ?ダニー」
「秘密」
僕は、指を唇にあててくすっと笑った。
僕が身支度して食堂に行くとみな、もう揃っていた。
「遅かったな、ダニー」
ロイドが立ち上がって隣の席の椅子をひいてくれた。
「ありがとう」
礼をいって腰かけようとするとフェリオス様と目があった。
微笑みかけるとふいっとそっぽを向かれてしまう。
朝食後、ロイドが僕を遠乗りに誘ってくれたが、フェリオス様が間に割り込んできた。
「お前の仕事は、僕に勉強を教えることだろう?」
「お勉強されますか?」
僕が訊ねるとフェリオス様が胸を張って答えた。
「もちろんだ!」
僕は、フェリオス様に手を引っ張られて勉強部屋へと連れていかれた。
そこにはティーナ様の姿もあった。
舌打ちしてティーナ様を睨み付けるフェリオス様に涙ぐむティーナ様。
僕は、二人の間に入るとフェリオス様に話した。
「幼い女の子をいじめるような方は、貴族学園には入学できませんよ?」
むむっとフェリオス様が口をひき結んだ。
彼は、何か言いかけたが黙ってそのまま自分の席についた。
「で?何の勉強をするんだ?ダニー」
それから僕たちは、簡単な子供用の昔話が書かれた本を一緒に読んだ。
フェリオス様は、このレベルの本は問題なく読めることがわかったので午後からは、もう少し年端のいった子供用の書き取りの本を図書室で探してきてみた。
お茶の声をかけに来たラキアスさんが信じられないという表情で僕たちを見ていた。
お茶の後は、自由時間にする。
ラキアスさんと執務室でこれからの予定を話し合うが、ラキアスさんは僕の手をぎゅっと握りしめて涙を浮かべていた。
「こんなことがあるなんて!あの、フェリオス様が大人しく勉強を?しかもティーナ様を泣かせもせずに!信じられない!」
「言っただろう?」
執務室に顔を出したロイドがにやりと口許を歪める。
「ダニーには問題児を引き付ける魔力のようなものがあるんだよ」
僕たちは、これからのフェリオス様とティーナ様の勉強のおおまかな予定を決めた。
僕は、午前中を勉強にあて、午後は、剣や魔法の鍛練や自由時間にするように進言した。
フェリオス様もティーナ様ももっとやりたいことをやらせて差し上げる方がいいだろうと思ってのことだ。
まだまだ幼いティーナ様には、お昼寝もさせたいし。
夕食後、ロイドと僕が食堂でお茶を飲んでいたらラキアスさんが嬉しそうに近づいてきた。
「フェリオス様が!はやく貴族学園に行きたいとお話になられて!」
「そうなんだ」
僕は、ちょっと苦笑してしまった。
ロイドは、そんな僕をじとっと見ていたが、ラキアスさんが去った後で僕に訊ねてきた。
「いったいどんな手を使ったんだ?ダニー」
「秘密」
僕は、指を唇にあててくすっと笑った。
20
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる