正しい子供の作り方

トモモト ヨシユキ

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3 転生者は、守りたい。

3ー5 解決策?

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 3ー5 解決策?

 フェリオス様から許されて僕は、よろよろと子供部屋を出ると自分の部屋へと戻った。
 ベッドに身を投げ出すと深いため息を漏らす。
 体が。
 まだ痺れていた。
 僕は、フェリオス様のことを甘く見ていたのかもしれない。
 子供だから。
 まだ、8歳児だから、と彼を甘く見ていた。
 でも。
 彼は、ある意味怪物だった。
 大人顔負けの知能と魔力を持ちながらまだ、心は子供のままの怪物。
 僕は、焦っていた。
 なんとかフェリオス様に契約を解かせなくては!
 でないといろいろまずい!
 彼は、片寄った知識しか持たず、まだ、心は清らかなままかもしれない。
 だけど、このままでいたら。
 フェリオス様のためにも、僕自身のためにも彼を説得しなければ!
 そのためには。
 僕は、フェリオス様のお父上であるポリドール伯爵と話す必要を感じていた。
 午後から僕は、ラキアスさんにポリドール伯爵への面会を頼んだ。
 ラキアスさんは、すぐに手配してくれ僕は、伯爵の部屋で一緒にお茶の時間を過ごすことになった。
 伯爵は、前にあった時よりは顔色もよく、僕は、ちょっとだけ安心していた。
 ベッド脇に置かれた椅子に腰をかけた僕に伯爵が声をかけてくださる。
 「トールズ先生、ラキアスからよくしてくださっているとお聞きしております」
 「そんな」
 僕は、困惑していた。
 よくするどころか。
 僕は、この人の息子に隷属の魔法をかけられて困っている、どうしようもない家庭教師なのに。
 「今日は、もしかしてフェリオスのことで何か?」
 「は、はいっ!実は・・・」
 僕は、ポリドール伯爵にフェリオス様にエルフの契約魔法をかけられてしまったことを話した。
 すると、ポリドール伯爵は、複雑そうな表情を浮かべた。
 「あの子がそんなことを」
 ポリドール伯爵がうつむく。
 「あの子には寂しい思いをさせてきました。そのせいで幼い妹をいじめたり、大人のいうことをきかなくなったりしたようですが、あなたが来られてからそれも幾分ましにはなったと聞いて安心していたのですが」
 ポリドール伯爵が決意を秘めた眼差しで顔を上げると僕を見た。
 「これは、親である私の責任です。全てに見て見ぬ振りをしてきた私の責任です」
 僕は、伯爵のただならぬ様子を感じて思わず問いかけた。
 「どうされるつもりなのですか?」
 「あの子を、フェリオスを女神の神殿に預けることにします」
 はいっ?
 僕は、ぎょっとして伯爵を見つめた。
 フェリオス様を神殿に預ける?
 伯爵は、すっきりとした表情で僕に微笑んだ。
 「これで問題は解決しましたか?トールズ先生」
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