魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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2 王立モスキュラード学園

2ー9 婚約ですか?

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 2ー9 婚約ですか?

 この世界には、あまりおいしいお菓子はない。
 最初は、俺が生まれ育ったレスベラス男爵家が貧しいからかと思っていたが、それは、違っていた。
 この世界には甘ったるくて固い焼き菓子ぐらいしかお菓子がなかった。
 俺は、前世からのスウィーツ男子なのでそれは我慢ができない。
 このカフェでも甘ったるい焼きすぎた菓子しか提供してないようだった。
 俺は、ちょっと憂鬱な気持ちで固いクッキーを一つ摘まんで口に放り込む。
 口の中になんかデリカシーのない甘味が広がっていくのをお茶で流す。
 「わたしは、エリュメ・ライゾソープといいます」
 エリュメが名乗ったので俺たちも名乗る。
 「俺は、エドワード・フォン・レイダール」
 「わたしは、クレア。クレア・ミルドレッドです」
 「私は」
 アンディーさんが貴族の微笑みを浮かべる。
 「アンディー・フォン・コーデルです」
 うん。
 なぜか、アンディーさんの目が笑ってないし!
 暖かな陽光の下なのに、なぜか、背筋が寒いような気がして俺は、ぶるっと体を震わせる。
 アンディーさんが一口お茶を飲んでからカップを置く。
 「で?さっきのプロポーズは、何なのかおききしてもよろしいでしょうか?」
 「プ、プロポーズというか、その、エドワード君に形だけでもいいのでわたしと婚約していただけたら、と思って」
 エリュメが顔を上げて真剣な様子で俺とアンディーさんに訴える。
 「実は…」
 エリュメが俺たちから視線をそらす。
 「わたしの父は、ちょっとした商会の会頭をしているのですが、わたしが騎士になることに反対しているんです。それで、その、わたしがこの王立学園に入学する条件として父の選んだ相手と婚約することになっているんです」
 「それで?」
 アンディーさんがエリュメを問い詰める。
 「それがなぜ、エドワード様へのプロポーズになるのですか?」
 「そ、その、ですね」
 エリュメがうつ向いてもごもごと説明する。
 「もし、学園に今年入学できなかったらすぐにその方と結婚するように、と命じられていて。でも、わたしは、それが嫌で!できれば、今年ダメでも来年また挑戦したいし!」
 「だから」
 アンディーさんがにっこりと笑みを浮かべる。
 「なぜ、エドワード様がそこに関係してくるのです?」
 「そ、その、ですね」
 エリュメがぎゅっと目を閉じた。
 「エドワード君と婚約したことにすれば父も今の相手との結婚を進めようとはしないだろうし、それに、この学校の生徒になるであろうエドワード君と婚約するならわたしがどうしても王立学園に通いたいって言っても許してくれるかもしれないので!それで、エドワード君にお願いしてるんです!」
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