魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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9 ライゾソープ商会

9ー4 アイスクリーム

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 9ー4 アイスクリーム

 翌日、俺は、さっそくライゾソープ商会に出向くことにした。
 ルカとルナは、寮で留守番をしてもらうことにする。
 ルカは、ルナにメイド教育をするとはりきっているしな。
 俺は、王立モスキュラード学園から徒歩で貴族街を抜けてライゾソープ商会を目指した。
 一応、ルカの使い魔であるニャーを連れている。
 小型化したニャーは、俺の肩にちょこんと腰かけていたが、王都の町並みが珍しいのか、きょろきょろと辺りを見回している。
 俺も、久しぶりの王都に胸が高鳴っていた。
 やはり、王都は、賑やかで華やかだ。
 王都リアラトスは、今、バカンスの季節だった。
 高位貴族たちは、競って風光明媚な田舎へと出掛けている。
 確かに王都の夏は、蒸し暑くて過ごしにくい。
 俺は、冷たいものが食べたくなっていたが、この世界には、残念なことに氷菓やアイスクリームの類いはなかった。
 だが!
 なければ作ればいいじゃん!
 俺は、ハウルズ侯爵領のマルムトの名物として湯上がりに食べるアイスクリームやかき氷を考えていて、実際に試作してみた。
 この世界で『魔法』を使って作ったアイスクリームは、アイスクリームというよりはシャーベットに近いものだった。
 もう少し、充分に混ぜる必要があるのかも。
 そこで俺は、昨日の夜、寮の厨房を借りてアイスクリームを作ってみた。
 ハウルズ侯爵領で作ってもらった二重になった金属の筒の回りに塩分濃度の高い氷水を入れ、筒の中にミルクと砂糖などの材料を混ぜた液体を注ぎ込む。
 俺は、冷却の『魔法』を使いながら筒の中の液体をかき混ぜる。
 だんだんと固まってくるのをひたすらかき混ぜ続けた。
 小一時間かけてなんとかソフトクリーム的な滑らかなアイスクリームが出来上がった。
 試しにルカとルナに味見をしてもらう。
 俺が作ったアイスクリームを一口食べたルカは、とろんとした眼差しになった。
 「おいしいっ!」
 「おいし、です!」
 ルナも目をきらきら輝かせる。
 俺も試食してみる。
 うん。
 とろりとした滑らかな口触りに爽やかな甘さ。
 このアイスクリームには、ハウルズ侯爵領でとれたハチミツを使っているんだが、これがすごく美味しいのだ!
 ハチミツというか、この世界のものは、前世のハチミツと違ってちょっとさらりとしていて甘味が薄い。
 だから、あまり需要がないらしくて薬師が滋養にいい食べ物として扱っている程度しか流通していない。
 だけど、アイスクリームに混ぜてみるとすごくあう!
 甘すぎないし、爽やかな香りがしてめちゃくちゃいい!
 
 
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