魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ

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11 『観測者』

11ー6 廻間の花園

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 11ー6 廻間の花園

 次にルカが俺たちを転移したのは、美しい花の咲き乱れる花園の中だった。
 広い草原に色とりどりの花が咲き誇り、辺りには、甘い香りが漂っている。
 アンドレア様が小さくくしゃみをする。
 もしかして、花粉症?
 俺は、アンドレア様をそっと抱き寄せると周囲の空気を浄化した。
 「過保護すぎ!」
 ルカがじとっとした眼差しで俺を見る。
 「ここは、どこだ?」
 俺が訊ねるとルカがふっと微笑んだ。
 「ここは、次元の狭間にある場所。どこでもなく、どこでもある場所です。決して何者もたどり着くことはできない場所です」
 俺は、アンドレア様の手をひき歩いた。
 花の咲いている園の中を進んでいくと奥に立派な大樹があり、その根本に小さな屋敷があるのが見えた。
 ちょうどいい。
 俺は、アンドレア様を休ませてあげたかった。
 屋敷に向かって歩いていくと大きな川の流れているところに出た。
 川の流れは深く、清らかだ。
 よく見ると水の中には魚も泳いでいるし!
 俺は、アンドレア様の手をとり川の中にある飛び石を渡って向こう岸へと渡った。
 アンドレア様は、淡いグリーンの室内着のままだし。
 俺たちは、大樹の側にある茅葺きの小さな屋敷に近づくと扉を開いた。
 と。
 そこには、狭いながらも品の良い家具が置かれた食堂兼リビングがあった。
 中に入っていく。
 中には、生活用品が置かれていて、さっきまで誰かが暮らしていた様子がある。
 でも、ルカは、ここが世界の狭間にある場所だと言っていた。
 「ここは、誰が住んでいるんだ?」
 「誰も」
 ルカは、遠くを見つめて答えた。
 「今も昔も、誰も住んではいませんでした」
 ルカは、俺に話した。
 「ここは、1人ダンジョン・コアとして暮らしていた私が夢見た場所です」
 いつか。
 誰かと。
 そう、夢見てルカが作り出した場所。
 それがここだった。
 茅葺きの屋敷は、小さいとはいえ俺たちが暮らすには充分すぎるほど広く部屋数もある。
 俺は、ちらっとアンドレア様を見た。
 アンドレア様は、いつも側に仕えていたルシリアさんがいなくなってさぞかし不安なことだろう。
 できればルシリアさんを呼び寄せることができたら。
 「できますよ」
 ルカが無表情に呟く。
 と。
 突然、目の前に赤い髪の女の人が現れた!
 その女の人は、薄汚れていて控えめにいってもぼろぼろの服を着ていた。
 首には、奴隷のつける隷属の首輪をつけている。
 ぼさぼさの髪の下から緑に輝く瞳が覗いている。
  
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