108 / 121
11 『観測者』
11ー6 廻間の花園
しおりを挟む
11ー6 廻間の花園
次にルカが俺たちを転移したのは、美しい花の咲き乱れる花園の中だった。
広い草原に色とりどりの花が咲き誇り、辺りには、甘い香りが漂っている。
アンドレア様が小さくくしゃみをする。
もしかして、花粉症?
俺は、アンドレア様をそっと抱き寄せると周囲の空気を浄化した。
「過保護すぎ!」
ルカがじとっとした眼差しで俺を見る。
「ここは、どこだ?」
俺が訊ねるとルカがふっと微笑んだ。
「ここは、次元の狭間にある場所。どこでもなく、どこでもある場所です。決して何者もたどり着くことはできない場所です」
俺は、アンドレア様の手をひき歩いた。
花の咲いている園の中を進んでいくと奥に立派な大樹があり、その根本に小さな屋敷があるのが見えた。
ちょうどいい。
俺は、アンドレア様を休ませてあげたかった。
屋敷に向かって歩いていくと大きな川の流れているところに出た。
川の流れは深く、清らかだ。
よく見ると水の中には魚も泳いでいるし!
俺は、アンドレア様の手をとり川の中にある飛び石を渡って向こう岸へと渡った。
アンドレア様は、淡いグリーンの室内着のままだし。
俺たちは、大樹の側にある茅葺きの小さな屋敷に近づくと扉を開いた。
と。
そこには、狭いながらも品の良い家具が置かれた食堂兼リビングがあった。
中に入っていく。
中には、生活用品が置かれていて、さっきまで誰かが暮らしていた様子がある。
でも、ルカは、ここが世界の狭間にある場所だと言っていた。
「ここは、誰が住んでいるんだ?」
「誰も」
ルカは、遠くを見つめて答えた。
「今も昔も、誰も住んではいませんでした」
ルカは、俺に話した。
「ここは、1人ダンジョン・コアとして暮らしていた私が夢見た場所です」
いつか。
誰かと。
そう、夢見てルカが作り出した場所。
それがここだった。
茅葺きの屋敷は、小さいとはいえ俺たちが暮らすには充分すぎるほど広く部屋数もある。
俺は、ちらっとアンドレア様を見た。
アンドレア様は、いつも側に仕えていたルシリアさんがいなくなってさぞかし不安なことだろう。
できればルシリアさんを呼び寄せることができたら。
「できますよ」
ルカが無表情に呟く。
と。
突然、目の前に赤い髪の女の人が現れた!
その女の人は、薄汚れていて控えめにいってもぼろぼろの服を着ていた。
首には、奴隷のつける隷属の首輪をつけている。
ぼさぼさの髪の下から緑に輝く瞳が覗いている。
次にルカが俺たちを転移したのは、美しい花の咲き乱れる花園の中だった。
広い草原に色とりどりの花が咲き誇り、辺りには、甘い香りが漂っている。
アンドレア様が小さくくしゃみをする。
もしかして、花粉症?
俺は、アンドレア様をそっと抱き寄せると周囲の空気を浄化した。
「過保護すぎ!」
ルカがじとっとした眼差しで俺を見る。
「ここは、どこだ?」
俺が訊ねるとルカがふっと微笑んだ。
「ここは、次元の狭間にある場所。どこでもなく、どこでもある場所です。決して何者もたどり着くことはできない場所です」
俺は、アンドレア様の手をひき歩いた。
花の咲いている園の中を進んでいくと奥に立派な大樹があり、その根本に小さな屋敷があるのが見えた。
ちょうどいい。
俺は、アンドレア様を休ませてあげたかった。
屋敷に向かって歩いていくと大きな川の流れているところに出た。
川の流れは深く、清らかだ。
よく見ると水の中には魚も泳いでいるし!
俺は、アンドレア様の手をとり川の中にある飛び石を渡って向こう岸へと渡った。
アンドレア様は、淡いグリーンの室内着のままだし。
俺たちは、大樹の側にある茅葺きの小さな屋敷に近づくと扉を開いた。
と。
そこには、狭いながらも品の良い家具が置かれた食堂兼リビングがあった。
中に入っていく。
中には、生活用品が置かれていて、さっきまで誰かが暮らしていた様子がある。
でも、ルカは、ここが世界の狭間にある場所だと言っていた。
「ここは、誰が住んでいるんだ?」
「誰も」
ルカは、遠くを見つめて答えた。
「今も昔も、誰も住んではいませんでした」
ルカは、俺に話した。
「ここは、1人ダンジョン・コアとして暮らしていた私が夢見た場所です」
いつか。
誰かと。
そう、夢見てルカが作り出した場所。
それがここだった。
茅葺きの屋敷は、小さいとはいえ俺たちが暮らすには充分すぎるほど広く部屋数もある。
俺は、ちらっとアンドレア様を見た。
アンドレア様は、いつも側に仕えていたルシリアさんがいなくなってさぞかし不安なことだろう。
できればルシリアさんを呼び寄せることができたら。
「できますよ」
ルカが無表情に呟く。
と。
突然、目の前に赤い髪の女の人が現れた!
その女の人は、薄汚れていて控えめにいってもぼろぼろの服を着ていた。
首には、奴隷のつける隷属の首輪をつけている。
ぼさぼさの髪の下から緑に輝く瞳が覗いている。
14
あなたにおすすめの小説
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる