侯爵様、主人公はあちらです!~BLマンガの継母に転生したんだが、主人公と攻略対象者が溺愛してくる~

トモモト ヨシユキ

文字の大きさ
57 / 111
6 新しい町

6ー7 魔力切れ※

しおりを挟む
 6ー7 魔力切れ※

 リュートは、俺を抱き上げると下へと運んで並んでいるテントの内の1つに連れていった。
 テントの中は、魔道具のストーブの中で燃える魔法の炎のため暖かかった。
 俺は、ぶるっと体を震わせる。
 リュートは、俺を抱いたままクッションが置かれた地面に腰を下ろすと俺を膝に横抱きにした。
 すぐにリトが毛布を差し出し、リュートがそれで俺を包み込む。
 その間も、俺は、震えが止まらなかった。
 寒い。
 体が凍えて。
 リュートは、ぶるぶる震えている俺を抱き締めた。
 「魔力切れ、だな。無茶をする」
 はい?
 俺は、リュートの言葉に目を見開いていた。
 魔力切れ?
 ってことは、俺、ちゃんと魔法を使えたわけ?
 俺は、震えながらリュートを見上げる。
 「ドラゴン、は?」
 「ああ」
 リュートがふっと口許を綻ばせる。
 「ドラゴンなら、お前の魔法で討伐された。あれが地上に降りる前にお前が仕留めたから被害もなかった」
 リュートが俺の頭をそっと優しく撫でた。
 「よくやったな、アンリ」
 俺は、リュートに頭を撫でられてなぜか、ふわふわした気持ちになっていた。
 なんで?
 この人、俺にこんなに優しくしてくれるの?
 あんな、リングをはめたり、エッチなことしてきたり、嫌だって、無理だっていってるのに無理矢理、魔力を流し込んできたりするのに。
 なんで、こんな風に優しく撫でてくれたりするんだ?
 こんなことされたら。 
 俺。
 この人のこと、憎めなくなる。
 魔力切れで冷たくなった俺の体を抱いてリュートは、暖めてくれていたが、なかなか俺の体は、暖まらなくて。
 リュートが心配そうに側にいて見守っているリトに告げた。
 「これから直接、私の魔力をアンリの中に注ぎ込む。いいと言うまで人払いを」
 うん?
 俺は、リュートの腕に抱かれてぼぅっとしていた。
 リトは、リュートの言葉に頷くと静かにテントから出ていった。
 えっ?
 俺は、なんだか寂しくて。
 「リト……どこ?」
 「お前は!」
 リュートが乱暴に俺を毛布の上に押し倒した。
 「こんな時に他の男の名を呼ぶとは、いい度胸だな、アンリ」
 見上げるとリュートの金色の瞳が獰猛な光を放っていた。
 「ラインズゲート、侯爵?」
 「リュート、だ」
 リュートが腹立たしげに俺の上着を脱がせるとシャツのボタンをはずしていく。
 「リュート、と呼ぶんだ。いいな?アンリ」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません

ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。 全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

推し変したら婚約者の様子がおかしくなりました。ついでに周りの様子もおかしくなりました。

オルロ
BL
ゲームの世界に転生したコルシャ。 ある日、推しを見て前世の記憶を取り戻したコルシャは、すっかり推しを追うのに夢中になってしまう。すると、ずっと冷たかった婚約者の様子が可笑しくなってきて、そして何故か周りの様子も?! 主人公総愛されで進んでいきます。それでも大丈夫という方はお読みください。

追放されたおまけの聖女♂は冷徹王太子の腕の中から離してもらえない〜今さら戻れと言われても、もうこの人の魔力しか受け付けません!〜

たら昆布
BL
聖女のおまけで召喚されたと思われて追放された不憫受けが拾われて愛される話

処理中です...