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第13章 暗黒の大地へ
13ー5 警護
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13ー5 警護
わたしは、深いため息をついた。
それは、ラネア様に命じられた任務のことを考えてのことだった。
わたしに与えられた任務。
それは、キルハ様の警護だった。
『キルハ・ダグランディスをサリタニア王立魔法学園の生徒として受け入れます』
それは、思いがけない言葉だった。
キルハ様は、投獄されていたが尋問は、はかどってはいなかった。
というか、まったく何も聞き出せていない。
この事件の背後に何があるのか。
それを学園で共に過ごしながら聞き出してほしい。
それがわたしの任務だった。
でも、これは、ていのいい厄介払いじゃない?
というか、キルハ様をエサにして内外のキルハ様に生きていられたら困る方々からの刺客をつり上げるってことだよね?
ちなみにキルハ様は、王城の地下の牢獄に投獄されている間にかなり過酷な尋問を受けていたらしい。
それでもキルハ様は、口を割らなかった。
敵は、キルハ様を亡き者にして事件の証拠隠滅をはかってくるに違いない。
これは、気を引き締めてかからなければ。
そうわたしが思っていたとき、不意に誰かの話しかけてくる声がきこえた。
「カイラ」
声の主は、ルシーディア様だった。
はいっ?
わたしは、驚いてすぐに一歩ひいて礼をとろうとした。
だが、ルシーディア様は、わたしを押し止めた。
「カイラ、君、こんな夜更けに何をしているんだ?」
ルシーディア様がそっと手を伸ばしてわたしの頬に触れてきた。
「すっかり体が冷えているじゃないか」
わたしは、ルシーディア様に急に触れられてあわあわしてしまっていた。
「は、はひっ!」
わたしは、失礼にならないようにルシーディア様の手から離れようとしたがルシーディア様は、それを許してくれなかった。
「これを」
ルシーディア様は、着ておられた上着をわたしの肩にかけてくれた。
ふわりとルシーディア様の匂いがして。
わたしは、どきどきしていた。
しばらくわたしたちは、見つめあっていた。
わたしは。
ルシーディア様にいろいろいいたいことがあった筈だったのだが、頭が真っ白になっていた。
わたしは、深いため息をついた。
それは、ラネア様に命じられた任務のことを考えてのことだった。
わたしに与えられた任務。
それは、キルハ様の警護だった。
『キルハ・ダグランディスをサリタニア王立魔法学園の生徒として受け入れます』
それは、思いがけない言葉だった。
キルハ様は、投獄されていたが尋問は、はかどってはいなかった。
というか、まったく何も聞き出せていない。
この事件の背後に何があるのか。
それを学園で共に過ごしながら聞き出してほしい。
それがわたしの任務だった。
でも、これは、ていのいい厄介払いじゃない?
というか、キルハ様をエサにして内外のキルハ様に生きていられたら困る方々からの刺客をつり上げるってことだよね?
ちなみにキルハ様は、王城の地下の牢獄に投獄されている間にかなり過酷な尋問を受けていたらしい。
それでもキルハ様は、口を割らなかった。
敵は、キルハ様を亡き者にして事件の証拠隠滅をはかってくるに違いない。
これは、気を引き締めてかからなければ。
そうわたしが思っていたとき、不意に誰かの話しかけてくる声がきこえた。
「カイラ」
声の主は、ルシーディア様だった。
はいっ?
わたしは、驚いてすぐに一歩ひいて礼をとろうとした。
だが、ルシーディア様は、わたしを押し止めた。
「カイラ、君、こんな夜更けに何をしているんだ?」
ルシーディア様がそっと手を伸ばしてわたしの頬に触れてきた。
「すっかり体が冷えているじゃないか」
わたしは、ルシーディア様に急に触れられてあわあわしてしまっていた。
「は、はひっ!」
わたしは、失礼にならないようにルシーディア様の手から離れようとしたがルシーディア様は、それを許してくれなかった。
「これを」
ルシーディア様は、着ておられた上着をわたしの肩にかけてくれた。
ふわりとルシーディア様の匂いがして。
わたしは、どきどきしていた。
しばらくわたしたちは、見つめあっていた。
わたしは。
ルシーディア様にいろいろいいたいことがあった筈だったのだが、頭が真っ白になっていた。
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