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第13章 暗黒の大地へ
13ー9 規格外
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13ー9 規格外
「わたしは、決して泥簿なんかじゃ」
「おだまりなさい!」
カーレンリース様の取り巻きたちが口々に罵る。
「人のものに平気で手を出す泥棒の癖に偉そうに!」
「なんで、アイリス様たちが追放されてお前がおとがめなしの上にルシーディア様の婚約者に?」
「きっと下賎の者が殿下に取り入るために口にはできないようなことをしたに違いありませんわ」
周囲を囲まれてわあわあ言われてわたしは、鬱陶しくてイラついていた。
この連中には何を言っても無駄だ。
わたしは、なんとか囲みを突破して逃げ出そうとした。
だが。
カーレンリース様がそれを許してくれるわけがなかった。
がしっと腕を掴まれてひき倒される。
どんっと尻餅をついたわたしの頭上から泥水がかけられた。
どろどろになったわたしを見てカーレンリース様が高笑いする。
「薄汚れた泥棒ネコが!さっさとここから出ていきなさい!」
カーレンリース様が手を振り上げてわたしを打とうとしたとき、背後からライモンドがカーレンリース様の手を止めた。
「あなたは?」
「失礼、レディ。あなたがそれ以上暴力を振るうことは、あなた自身のためにならない」
ライモンドの言葉にカーレンリース様がきっと彼を睨んだ。
不意に、辺りが光に包まれてわたしたちは、眩しくて目を閉じた。
次に目を開くとわたしとライモンドとキルハ様は、校舎の裏庭辺りに立っていた。
「これは?」
わたしがきょろきょろと辺りを見回しているとキルハ様が素っ気なく言った。
「いつまでそんなみっともない格好をしているつもり?」
わたしは、キルハ様に言われて自分の姿を見下ろした。
びしょびしょのどろどろ。
ところどころ服が透けていてライモンドがふいっと目をそらした。
マジか?
わたしは、急いで精霊たちを呼び寄せ清浄の魔法を使う。
すぐに元通りの制服に戻った。
キルハ様がちっと舌打ちした。
「相変わらずの化け物っぷりね、カイラ」
いやいやいや!
化け物は、どっちですか?
力を封印されていてなお、これだけのことができるなんて。
キルハ様こそ規格外の存在なのでは?
「わたしは、決して泥簿なんかじゃ」
「おだまりなさい!」
カーレンリース様の取り巻きたちが口々に罵る。
「人のものに平気で手を出す泥棒の癖に偉そうに!」
「なんで、アイリス様たちが追放されてお前がおとがめなしの上にルシーディア様の婚約者に?」
「きっと下賎の者が殿下に取り入るために口にはできないようなことをしたに違いありませんわ」
周囲を囲まれてわあわあ言われてわたしは、鬱陶しくてイラついていた。
この連中には何を言っても無駄だ。
わたしは、なんとか囲みを突破して逃げ出そうとした。
だが。
カーレンリース様がそれを許してくれるわけがなかった。
がしっと腕を掴まれてひき倒される。
どんっと尻餅をついたわたしの頭上から泥水がかけられた。
どろどろになったわたしを見てカーレンリース様が高笑いする。
「薄汚れた泥棒ネコが!さっさとここから出ていきなさい!」
カーレンリース様が手を振り上げてわたしを打とうとしたとき、背後からライモンドがカーレンリース様の手を止めた。
「あなたは?」
「失礼、レディ。あなたがそれ以上暴力を振るうことは、あなた自身のためにならない」
ライモンドの言葉にカーレンリース様がきっと彼を睨んだ。
不意に、辺りが光に包まれてわたしたちは、眩しくて目を閉じた。
次に目を開くとわたしとライモンドとキルハ様は、校舎の裏庭辺りに立っていた。
「これは?」
わたしがきょろきょろと辺りを見回しているとキルハ様が素っ気なく言った。
「いつまでそんなみっともない格好をしているつもり?」
わたしは、キルハ様に言われて自分の姿を見下ろした。
びしょびしょのどろどろ。
ところどころ服が透けていてライモンドがふいっと目をそらした。
マジか?
わたしは、急いで精霊たちを呼び寄せ清浄の魔法を使う。
すぐに元通りの制服に戻った。
キルハ様がちっと舌打ちした。
「相変わらずの化け物っぷりね、カイラ」
いやいやいや!
化け物は、どっちですか?
力を封印されていてなお、これだけのことができるなんて。
キルハ様こそ規格外の存在なのでは?
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