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第13章 暗黒の大地へ
13ー8 泥棒ネコ
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13ー8 泥棒ネコ
キルハ様の首には首輪がはめられていた。
それは、キルハ様の力を封印するためのものだろう。
わたしは、授業中も気もそぞろだった。
キルハ様のことが気になってとても授業に集中することができなかった。
授業が終わるとわたしは、キルハ様に話しかけて学園の食堂へと誘った。
キルハ様は、無表情のまま頷かれる。
わたしたちは、教室を出て事務棟にある食堂へと向かった。
なぜか、ライモンドも一緒についてくる。
いや。
なぜ、あなたがついてきているんですか?
わたしが問いかけるように見上げるとライモンドは、にっと笑った。
「俺も腹が減ってるんだよ」
「せっかくキルハ様と親しくなろうと思ってお誘いしてるのに!」
わたしがライモンドに言っているのをきいてキルハ様が口を開いた。
「わたしたちが親しくなるなんてことは、絶対にないわ、カイラ」
はい?
キルハ様の方を見るわたしにキルハ様は、冷ややかな笑みを浮かべた。
「たぶん、あなたは、私に群がってくる連中を倒すために私の側にいるんでしょうけど余計な心配はいらないわ。いくら力を失っているとはいえ刺客ごときに遅れはとらない」
「キルハ様・・」
「あなたたち、邪魔よ!」
わたしたちが話していると横から誰かが割り込んでくる。
振り返るとそこには栗色の髪の美しい令嬢と彼女の取り巻きらしい人々が立っていた。
「カーレンリース様」
「まあ!泥棒ネコが私の名を口にするなんて」
カーレンリース様がごみを見るような目でわたしを見た。
泥棒ネコ?
考えていてはっと気がつく。
そういえばこの方は、ルシーディア様の前婚約者だった。
確か、婚約破棄されたとか。
「何?カイラ、あなた、泥棒だったの?」
キルハ様が面白そうに話した。
「どうりで手癖が悪いと思ったのよ。人の従魔を横取りしたりしてたしね」
「他の方のものにまで手を出していたんですの?」
カーレンリース様がちらりと横目でわたしを睨み付けた。
「困るわね、泥棒を放し飼いにしてるなんて」
キルハ様の首には首輪がはめられていた。
それは、キルハ様の力を封印するためのものだろう。
わたしは、授業中も気もそぞろだった。
キルハ様のことが気になってとても授業に集中することができなかった。
授業が終わるとわたしは、キルハ様に話しかけて学園の食堂へと誘った。
キルハ様は、無表情のまま頷かれる。
わたしたちは、教室を出て事務棟にある食堂へと向かった。
なぜか、ライモンドも一緒についてくる。
いや。
なぜ、あなたがついてきているんですか?
わたしが問いかけるように見上げるとライモンドは、にっと笑った。
「俺も腹が減ってるんだよ」
「せっかくキルハ様と親しくなろうと思ってお誘いしてるのに!」
わたしがライモンドに言っているのをきいてキルハ様が口を開いた。
「わたしたちが親しくなるなんてことは、絶対にないわ、カイラ」
はい?
キルハ様の方を見るわたしにキルハ様は、冷ややかな笑みを浮かべた。
「たぶん、あなたは、私に群がってくる連中を倒すために私の側にいるんでしょうけど余計な心配はいらないわ。いくら力を失っているとはいえ刺客ごときに遅れはとらない」
「キルハ様・・」
「あなたたち、邪魔よ!」
わたしたちが話していると横から誰かが割り込んでくる。
振り返るとそこには栗色の髪の美しい令嬢と彼女の取り巻きらしい人々が立っていた。
「カーレンリース様」
「まあ!泥棒ネコが私の名を口にするなんて」
カーレンリース様がごみを見るような目でわたしを見た。
泥棒ネコ?
考えていてはっと気がつく。
そういえばこの方は、ルシーディア様の前婚約者だった。
確か、婚約破棄されたとか。
「何?カイラ、あなた、泥棒だったの?」
キルハ様が面白そうに話した。
「どうりで手癖が悪いと思ったのよ。人の従魔を横取りしたりしてたしね」
「他の方のものにまで手を出していたんですの?」
カーレンリース様がちらりと横目でわたしを睨み付けた。
「困るわね、泥棒を放し飼いにしてるなんて」
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