魔王に転生したら、イケメンたちから溺愛されてます

トモモト ヨシユキ

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17 初めての夜

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     俺とイオルグは、王城の地下にある牢獄に囚われていた。
    イオルグは、ミカエルに酷くやられていて虫の息だった。俺は、イオルグの頭を膝の上に置くと、イオルグの体を癒してやった。
    イオルグは、肉体が癒されると、突然、かっと目を開いて飛び起きた。
    「あいつ、あいつは?」
    「ミカエルなら、ここにはいないよ」
     俺が言うと、イオルグは、はぁっと息を吐いて、その場に座り込んだ。
    「あんな奴、初めてだった。ほんとに死ぬかと思った」
    「そうなんだ」
     俺は、言った。イオルグは、自分の首につけられた隷属の首輪に気づくと、舌打ちした。
    「なんだよ、これ!遣り方が、きたねぇんだよ!」
   「そうだな」
     俺が応じると、イオルグが、俺をじろりと睨んだ。
    「なんだよ、その塩対応っぷり!」
     「うん・・」
     俺は、うつ向いた。
    「あいつに、言われた。今夜、俺を自分の番にするって」
    「はぁっ?」
     イオルグが驚いて俺を見た。
     「ハジメ、もしかして、隷属の魔道具を使われてるのか?」
    「うん・・」
     俺は、頷いた。
    「なんか、体に・・」
     「見せてみろよ!」
     イオルグが言ったので、俺は、上半身だけ服を脱いでその肌をさらした。
   俺の体を見て、イオルグが息を飲む。
   「これは・・魔道具なんかじゃねぇ。これは、呪い、だ」
   「ええっ?」
    「早く、全部脱いで見せろ!」
     イオルグに言われて、俺は、恥ずかしかったけど、全部服を脱いでイオルグに裸の体を見せた。
   俺の全身には、朱色の紋様が浮き上がっていた。
   「これ、あいつにやられたのか?」
    イオルグにきかれて、俺は、頷いた。
   「クリスタ王女の部屋で、あいつに、ミカエルに捕まったとき、あいつが、俺の額に手を置いたかと思ったら、全身に何かが這い上がってくるような感じがして・・気がついたら、こんなことになってたんだ」
   「マジか?」
    イオルグが深刻な顔をした。
   「これは、最上級の呪い、だぞ」
    「呪い?」
    俺がきくと、イオルグが呻いた。
    「厄介な術を使われたもんだな。これは、お前があいつの命令に背いたら、お前の肉体が弾けとんで、魂まで分解されて、二度と転生もできなくなるっていう代物だ。俺も見るのは、2度目なんだが、1度目は、かつて、支配下に置かれていた魔王のもとで一族の長だった俺の親父に刻まれてたものだった」
     「親父さんに?」
     俺は、きいた。
    「それで、どうなったんだ?」
     「どうって」
     イオルグは、俯いた。
    「死んだよ。俺を含めた一族全員をそいつのもとから逃がすことと引き換えに、な」
     イオルグは、それっきり黙り込んでしまった。
     俺たちは、しばらく、沈黙の中にいた。
    周囲の牢からは、低い呻き声やら、鳴き声が聞こえていた。
    「あの、さ」
   俺は、イオルグにきいた。
   「その魔王って・・?」
    「利欲の魔王  ミハイル、だ」
     イオルグが、怒りのこもった瞳で一点を見つめて言った。
     「こいつの名前だけは、忘れもしねぇ。親父の敵だからな」
    ミハイル?
   俺は、かつて、イグドールに救われたときのことを思い出した。
   「そいつ、確か、前に俺にちょっかい出してきたことのある奴だ。そのときは、イグドールに助けてもらったんだけど」
     「マジか?」
     イオルグが考え込んだ。
    「ミカエルの正体は、もしかしたらミハイルなのか?だとしたら奴は、なんで王国にもぐりこんでやがるんだ?」
    「これも、ミハイルが?」
    俺は、イオルグに泣きついた。
   「どうしよう!あいつは、言ったんだ。今夜、俺を抱くって!」
    「お前を?」
    イオルグが、はっと息を飲んだ。
    「あいつ・・そうか、そういうことか」
 「なんだよ?」
   俺は、イオルグにきいた。イオルグは、俺を見つめて言った。
  「あいつは、五体を封じて、そして、肉体を結び、お前を完全に自分の支配下に置こうとしているんだ」
    イオルグは、俺の肩を掴んだ。
   「あいつの、ミハイルの本当の目的は、お前だったんだ」
   「ええっ?」
    俺は、イオルグを見た。イオルグは、納得したように呟いた。
    「確かに、お前の力があれば、世界だって手に入れられる、か」
    「でも、だからって」
     俺は、イオルグに言った。
   「俺を、つ、番にしなくたっていいんじゃ」
   「知らねぇよ、そんなこと」
    イオルグが言った。
   「たまたま、お前が好みのタイプだったんじゃねぇの?ま、いいんじゃね?別に初めてでもないし、殺されるよりかはましだろ」
    「・・・だよ」
     「ええっ?」
     イオルグがきいた。
    「何、いってんのかわからねぇよ!」
    「初めてなんだよ!」
       俺は、大声で言った。イオルグがキョトンとしている。
    「えっ?俺、てっきり、お前は、ヴィスとズボズボにやりまくってるものと思ってた」
    「そんなわけがあるか!」
    俺が叫んだとき、牢の外に人の気配があった。
   「おい!メイド!お声がかかったぞ!」
    牢番の兵士がにやにや笑いながら俺を見た。そいつは、カチャッと音をたてて牢の鍵を開くと、俺を呼び出した。
   「こっちに来な、お嬢ちゃん。宰相様がお呼びだぞ」
    俺は、ぱっと顔を上げた。
   「インダラーク伯爵が?」
   「違うよ、新しい宰相様の方だ」
    牢番は、俺を牢から引っ張り出すと、いやらしい目で俺のことをじろじろと見て笑った。
   「せいぜい、可愛がってもらうことだな」

   俺は、地下から城の奥まった場所にある豪華な部屋へと連れていかれた。
  「来たか」
    ミカエルは、部屋の隅に置かれた椅子に腰かけて酒を飲みながら俺を待っていた。
   「待っていたぞ、我が妃よ」
    「俺は、お前の妃なんかじゃねぇし」
    俺が言うのをきいたミカエルは、にやり、と笑いを浮かべた。
    「いつまで、そんなことを言っていられるかな、ハジメ」
   「お前の正体を、城のみんなにばらしてやる!」
   俺は、言った。
   「お前の正体は、利欲の魔王  ミハイル、だろう?」
   「だったら、どうだと?」
    ミハイルは、手に持っていたグラスをテーブルの上に置くと、目を細めて笑った。
   「そんなこと、今さら、どうでもいいことなんだよ、ハジメ」
    ミハイルが椅子から立ち上がると、俺の方へと近づいてくる。
    奴は、俺の服に手をかけるとそれを脱がせた。俺の足元へとメイドのお仕着せの黒いワンピースが落ちていく。
   俺は、奴の視線から体を隠そうと両手で体を覆った。
   ミハイルは、裸で立っている俺を見つめて俺に命じた。
    「ベッドへ行って、横になれ。それとも、ハジメは、このまま、ここでされる方がいいのかな?」
   俺は、動こうとせずに、ただ、体を隠して突っ立っていた。
    そんな俺を見て、ミハイルは、冷酷な微笑みを浮かべた。
   「どうしても、ここがいいなら、それでもいいんだぞ、ハジメ」
   「・・いや、だ・・」
    俺は、ゆっくりと歩き出した。 
   部屋の中央に置かれた大きなベッドへと進むと、俺は、そこに腰掛け、静かに横たわった。
    「体を隠すな、ハジメ」
    ミハイルが俺に命じた。
     「両手を体の横につけろ。お前のすべてを、私に見せるんだ」
    俺は、奴の言う通りにした。
   ミハイルは、俺の体をねっとりと舐めるように見つめた。
   「美しい・・欲望の魔王  ルファスの肉体に、ハジメ、お前の魂が入ることによって、初めて、私の花嫁は、産まれたのだ」
    「そのために、俺たちを召喚したのか?」
    俺は、ミハイルに訊ねた。
   ミハイルは、残忍な笑みを浮かべると、俺に囁いた。
   「ああ、そうだ、ハジメ」
    ミハイルは、ベッドの上にきて俺の体の上にのし掛かりながら答えた。
    「お前を手に入れるために、王国の連中に、勇者の召喚をさせたのだ」
    「そのために、何人の人が死んだと思ってるんだ!」
    俺が言うと、ミハイルは、笑い声をあげた。
   「お前を手に入れるためには、必要な犠牲だった」
    ミハイルが俺の首もとへと口づけし、そこをペロリと舐めた。
   「全ては、お前への愛ゆえだ、ハジメ」
    「いや、だ。やめてっ!」
    俺は、情けなかったが涙が溢れてくるのを堪えられなかった。
   「こんなの、嫌だ!」
    「ふん」
    ミハイルは、俺の涙を舌で舐めとった。
   「じきに、お前の方から私を求めるようになる」
   俺は、目を閉じた。
   ヴィス!
   「無駄だぞ、助けを呼んでも誰も来ない」
   ミハイルは、俺の両足を開かせるとその奥へと手を伸ばしてきた。
   俺は、体を強張らせて奴の指を拒もうとした。
   「私を拒むつもりなのか?ハジメ」
    ミハイルは、舌を伸ばして俺の胸の頂を舐め、甘く噛んだ。思わず、俺は、声を漏らしてしまう。
   「あっ!・・いやっ!」
    ミハイルは、俺のそこを吸って舌で弄んだ。甘い痺れが俺の体の奥へとダイレクトに伝わり、腹の奥が疼いてくるような妙な感覚に、俺は、身を捩った。
   「いやぁっ!」
    ヴィスコンティ!
   俺は、心の中で叫び続けていた。
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