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5 側室教育始めました。

5-7 初めての給料です。

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                5ー7   初めての給料です。

    俺は、その日、3本目のエリクサーを瓶に詰めながら溜め息をついた。
    エリクサーは、ポーションよりも魔力と集中力を要する薬だ。
    俺は、ぶんぶんと頭を振った。
    しっかり集中しないといけないのに!
    俺は、気合いを入れ直していた。
    だけど。
    思ったようには、仕事に集中できなかった。
    「どうしたんだ?セイ」
        室長が通りすがりに声をかけてくれた。
     俺は、室長の方を振り向いて、また、溜め息をついた。
    「なんだ、なんだ?悩みごとなら聞ける範囲で聞いてやるぞ、セイ」
    ううっ。
    俺は、呻いた。
    室長は、普通の人だし、俺の悩みなんて、話せるわけがなかった。
    「いいです。ありがとうございます。室長」
    俺は、そう答えると室長にぷいっと背を向けた。
   後宮の側室だからって、弱味を見せたくはなかった。
    そんな俺を見て、室長は、思い出したように笑顔になった。
   「そうだ、セイ。今日でここで働きだして1ヶ月だったな」
    「そうですけど」
    そういえば、俺がここに弟子入りしてから、はや、1ヶ月がたっていた。
    働くというよりも、教わることの方が多かったのだが、みな、俺を1人の職員として扱ってくれていた。
    室長は、ニコニコしながら俺に皮袋を1つポンと渡した。
   「ご苦労さん、セイ。1ヶ月分の給料だ」
    ええっ?
    俺は、嬉しい驚きにぱぁっと顔が明るくなった。
   「俺にも給料が貰えるんですか?」
    「当たり前だ」
     室長が答えた。
    「この王宮薬学研究室が貴重な労働力をタダ働きさせるわけがないだろうが」
    俺は、室長の差し出した皮袋を受け取った。
    初めて受けとる給料は、ずしりと重かった。
    皮袋の中には、金貨が10枚と銀貨が20枚入っていた。
    マジですか?
    俺は、慌てて室長に訴えた。
   「こんなにいただくわけにはいきません!俺は、見習いだし」
     「ああ?」
     室長が俺をじろりと見下ろした。
    「お前は、な、セイ。ここの誰よりも努力してるし、よく働いている。それは、当然のものだ」
     「本当にね」
      副室長が割り込んできた。
     彼は、俺ににっこりと微笑んだ。
    「最初は、後宮の側室様の気まぐれだろうとばかり思ってたんだけど、セイは、本当によくやってくれてますからね。今じゃ、セイの作るポーションは、ここで1番の高品質ですし、エリクサーだって、おそらく国宝クラスの出来ですからね」
      
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