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1 進化の実と『渡り人』
1ー11 また、会おう!
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1ー11 また、会おう!
ライディアの微笑みは、幼いながらもかわいいというより気品高く思われた。
俺は、ライディアを助けられたことを少し誇らしく思っていた。
「いえ、お気遣いなく」
俺は、照れ隠しではないがわざと素っ気ない様子で答えると、その場を去ろうとした。
が、ライディアがそれを許すことはなかった。
「ちょっと、待て!」
「はい?」
振り向いた俺の腕をライディアがぎゅっと掴んで引き留める。
「私を助けたのだ。お前には、褒美を授けたい。お前は、褒美に何を望む?」
「何って」
俺は、軽い気持ちで答えた。
「何か褒美をくださるというなら、ぜひ穀物の種がいただきたいです」
「穀物の種?」
ライディアが俺の返答に微妙な表情を浮かべる。
「本当にそんなものでいいのか?」
「はい!」
俺は頷いた。
ライディアは、俯き加減で何やら考え込んでいたが、すぐに顔をあげると俺の方を見た。
「では、我が都アルディスまで共に来るがいい。そうすれば望みの品を与えてやろう」
「いや、そんな遠くまで行かなきゃいけないなら」
俺が褒美を受け取るのを辞退しようとするとライディアは、慌てて俺に告げた。
「ならば、後日、お前の都合のよい日に受取にくるがいい。よいな!きっと王都へ来るのだぞ、クロージャー。約束だ!」
「いや、だから行けませんって」
俺は、ライディアに答えた。
「こう見えても、俺、いろいろと忙しいんで。それにまだ子供だし、1人で王都になんて行けません」
うん。
だいたい、王都がどこにあるのかも知らないし。
頑として首を振らない俺に、ライディアは、もう一度確認してきた。
「本当に?」
「本当に」
ライディアは、俺から見てもわかるほどがっくりと肩を落としていたが、すぐに何か思い付いたのか、にんまりと笑って俺に命じてきた。
「ならばこの森のすぐ側にあるマリージアまで褒美を届けてやる。それならよいか?クロージャー」
えっ?
この森の近くに人の町があるの?
俺は、ちょっと考え込んでしまった。
町が近いということは喜んでいいのか?
俺が考えていると痺れを切らしたらしいライディアが念を押してきた。
「よいな?クロージャー」
「まあ、それなら」
俺が答えるとライディアは満足げに微笑んだ。
「よし!約束だぞ、クロージャー。今から3日後にマリージアの町でまた会おう!」
ライディアの微笑みは、幼いながらもかわいいというより気品高く思われた。
俺は、ライディアを助けられたことを少し誇らしく思っていた。
「いえ、お気遣いなく」
俺は、照れ隠しではないがわざと素っ気ない様子で答えると、その場を去ろうとした。
が、ライディアがそれを許すことはなかった。
「ちょっと、待て!」
「はい?」
振り向いた俺の腕をライディアがぎゅっと掴んで引き留める。
「私を助けたのだ。お前には、褒美を授けたい。お前は、褒美に何を望む?」
「何って」
俺は、軽い気持ちで答えた。
「何か褒美をくださるというなら、ぜひ穀物の種がいただきたいです」
「穀物の種?」
ライディアが俺の返答に微妙な表情を浮かべる。
「本当にそんなものでいいのか?」
「はい!」
俺は頷いた。
ライディアは、俯き加減で何やら考え込んでいたが、すぐに顔をあげると俺の方を見た。
「では、我が都アルディスまで共に来るがいい。そうすれば望みの品を与えてやろう」
「いや、そんな遠くまで行かなきゃいけないなら」
俺が褒美を受け取るのを辞退しようとするとライディアは、慌てて俺に告げた。
「ならば、後日、お前の都合のよい日に受取にくるがいい。よいな!きっと王都へ来るのだぞ、クロージャー。約束だ!」
「いや、だから行けませんって」
俺は、ライディアに答えた。
「こう見えても、俺、いろいろと忙しいんで。それにまだ子供だし、1人で王都になんて行けません」
うん。
だいたい、王都がどこにあるのかも知らないし。
頑として首を振らない俺に、ライディアは、もう一度確認してきた。
「本当に?」
「本当に」
ライディアは、俺から見てもわかるほどがっくりと肩を落としていたが、すぐに何か思い付いたのか、にんまりと笑って俺に命じてきた。
「ならばこの森のすぐ側にあるマリージアまで褒美を届けてやる。それならよいか?クロージャー」
えっ?
この森の近くに人の町があるの?
俺は、ちょっと考え込んでしまった。
町が近いということは喜んでいいのか?
俺が考えていると痺れを切らしたらしいライディアが念を押してきた。
「よいな?クロージャー」
「まあ、それなら」
俺が答えるとライディアは満足げに微笑んだ。
「よし!約束だぞ、クロージャー。今から3日後にマリージアの町でまた会おう!」
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