異世界から嫁に来ました~あんなこと(エロ)もこんなこと(子作り)もなく冷遇されてますが、何か?~

トモモト ヨシユキ

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1 楽しい冷遇生活?

1ー5 嫌われもの

 1ー5 嫌われもの

 しばらくするとなんかそこそこには良い香りが辺りに漂い始めた。
 その匂いに引き寄せられるように部屋の方からクロムウェルとアルフォンスがやってきたので俺は、その辺にあったカップにスープを入れてやろうとした。
 が、おたまがない。
 仕方なく俺は、流しに置いたカップに鍋を傾けて直でスープを注いだ。
 鍋は、熱くなってるので俺は、およそいきの裾で鍋の取っ手を持っていた。
 それを見てアルフォンスがぐぅっと唸った。
 「着替えがないんですよ!ミコト様」
 「大丈夫、着替えは用意しています」
 クロムウェルが答えたのでアルフォンスは、ふん、と鼻を鳴らしてそぽを向いた。
 「まあ、温かいスープでも飲めよ」
 俺は、2人に湯気がたつカップを差し出した。
 テーブルがないので床の上に座ると俺たちは、スープをフゥフゥしながら飲んでいた。
 と、玄関のドア(傾いて閉まらないやつ)がぎぃと音をたてて開いた。
 冷たい風が吹いて俺は、ぶるっと体を震わせる。 
 「何?」
 呑気に座っている俺の横でクロムウェルとアルフォンスが身構える。
 緊迫感の中、暗闇から聞こえる足音に俺たちは、耳を傾けていた。
 闇の中から現れたのは。
 「・・・」
 無言で家の中に入ってきたのは、1匹の猫だった。
 なんか、すんごい綺麗な猫だ。
 金色のふさふさの長毛種で、まるでモップみたいに長い毛並みをしている。目も綺麗な緑色だし。
 すんげぇ、美人さん?
 「ち、ち、ち」
 俺は、手を差し出して猫を呼んだ。しかし、猫は、ふいっと横を向くと知らん顔で部屋の隅に置かれていたクロムウェルの鞄でばりばりと爪を研ぎ出した。
 「こら!」
 クロムウェルが猫を追い払おうとすると、猫は、ぴょーんとジャンプして床に置かれたクロムウェルのカップの中身をクンクン嗅いでからそれをぴちゃぴちゃ舐め始めた。
 「このくそ猫が!」
 クロムウェルが猫を捕まえようとしたが、逆に手をばりばりと爪で引っ掛かれて血が流れる。
 「この!」
 怒るクロムウェルを無視して猫は、俺の方へと飛んでくると膝の上にのって喉を鳴らす。
 「こいつ、人慣れしてるな」
 俺が猫を撫でているのを恨めしげに見ながらクロムウェルがポツリと漏らした。
 「こいつは、時々、離宮で見かける猫でして。なかなか性格が悪くて、この城の1番の嫌われものなんですよ」
 
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