異世界から嫁に来ました~あんなこと(エロ)もこんなこと(子作り)もなく冷遇されてますが、何か?~

トモモト ヨシユキ

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9 貧民院

9ー7 防御のための剣

 9ー7 防御のための剣

 翌朝。
 俺は、貧民院の食堂でみんなと一緒に朝食をごちそうになった。
 メニューは、雑穀粥とうっすい具のないスープ、そして、水。
 なんか懐かしいメニューだな。
 この世界に来たばかりの頃を思い出すな。
 俺は、少し粥を残しておいてレイモンドにわけてやった。
 レイモンドは、テーブルの下で俺が差し出した粥を食べていた。
 「ねぇ、もう、大丈夫なの?ミコト兄ちゃん」
 隣の席で朝食を食べているデイジーが心配そうに俺に聞いてくるので俺は、口許を緩めた。
 「もう、大丈夫だよ。心配かけてごめんな、デイジー」
 「別に、心配なんてしてないし!」
 デイジーが仄かに頬を染めてそっぽを向いた。
 かわいいな。
 俺は、ふと妹のことを思い出した。
 あいつも、この年頃は、こんなだったな。
 粥を食べ終わったレイモンドが俺の膝の上に飛び乗ってくる。
 口許についた汚れをペロリと舐めると前足で顔を洗う。
 視線を感じて顔をあげるとこの貧民院で暮らしている人たちがレイモンドをじぃっと見つめていた。
 ああ。
 かわいいもんな。
 俺がそう思っていると1人の子供が口を開いた。
 「うまそう・・」
 はっ!
 ヤバいっ!
 俺は、ぎゅっとレイモンドを抱き寄せた。
 これ、違うから!
 食べ物じゃないから!
 「みなさん、失礼ですよ」
 神官の兄ちゃん、今朝、名前をきいたらルドルフって教えてくれたんだけど、そのルドルフが神妙な顔で話した。
 「ここに寄進されたものならば、いいですが、寄進もされていないものを欲しがってはいけません」
 はいっ?
 どういうことですか?
 俺は、できるだけ早くここを去ろうと決心していた。
 朝食後、俺が胸のだっこひもにレイモンドを大事に入れて抱えてデイジーと一緒に出ていこうとしているのを見送りながらルドルフは、見送ってくれた。
 「ちょっと大きな通りまでお送りしますよ、ミコト様」
 ルドルフは、そう言って大きな剣を腰にぶら下げた。
 ええっ?
 俺は、いろいろ突っ込みたいことがあったんだが、とりあえずきいてみた。
 「その剣は?」
 「これは、防御のためのものです。この辺りは治安が悪いですからね」
 そうなんだ。
 防御のためか。
 聖職者も大変なんだな。
 「ほんとは、神官が武器を持ったらダメなんだって」
 デイジーがそっと俺に教えてくれる。
 「ここの神官は、ちょっと変わってるんだよぉ」
 マジですか?
 
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