異世界から嫁に来ました~あんなこと(エロ)もこんなこと(子作り)もなく冷遇されてますが、何か?~

トモモト ヨシユキ

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9 貧民院

9ー8 提案

 9ー8 提案

 貧民院の出入り口の扉の前に立つとルドルフは、剣に手をかけた。
 「では、心の準備はよろしいですか?」
 ええっ?
 なんの心の準備?
 俺がちらっとデイジーをうかがうとデイジーも緊張したような表情を浮かべている?
 「行きますよ!」
 ルドルフ神官が勢いよく扉を開けると剣を振りかぶって出ていく。
 その後に俺とデイジーが続いた。
 と。
 見知らぬ男たちが貧民院の扉の前にたむろしているのが目に入った。
 男たちは、手に手に短剣やらなんやらの武器を持っている。
 「お、出てきたか?」
 振り向いた男の頭をルドルフ神官の剣が薙ぐ。
 何人かの男たちが壁に吹き飛ばされた。
 「走って!」
 ルドルフ神官に促されて俺とデイジーは、必死に走った。
 追ってくる男たちを蹴散らしながらルドルフ神官がにやっと笑う。
 「こんなとこですが、よかったら、また来てくださいね、ミコト様!」
 俺は、走るのに必死で返事もできなかった。
 とにかく、俺たちは、走った。
 ちょっと大きな道に出た辺りでルドルフ神官が剣を納めた。
 「もう、大丈夫でしょう」
 俺は、肩で息をしていた。
 デイジーが馬鹿にしたみたいに薄ら笑いを浮かべている。
 俺は、宿屋の部屋にルドルフ神官を誘った。
 いや。
 変な意味じゃなくて、ちょっと話したいことがあったんだ。
 デイジーがにやにやしているのがなんか腹が立つ。
 俺は、もう1日、追加で宿をとることにした。
 宿屋の主人は、もう、宿代はいらないと言った。
 俺が睨むとデイジーがてへっと舌を出した。
 くぅっ!
 「それで?なんのお話ですか?ミコト様」
 ルドルフ神官が俺に訊ねた。
 「一応、そういうお相手は、お断りしているんですが・・」
 「なんの相手だよ!」
 俺は、思わず突っ込んでいた。
 ルドルフ神官は、にやりと笑った。
 「冗談ですよ、冗談」
 「俺は、笑えないな」
 俺は、そう言うとルドルフ神官に部屋に1脚しかない椅子をすすめて自分は、ベッドに腰かけた。
 レイモンドが胸元からベッドへと飛び出す。
 「その・・貧民院の経営って苦しいの?」
 俺が聞くとルドルフ神官は、キョトンとする。
 「そうですね、近所に猫がいなくなるぐらいには厳しいですね」
 いや!
 冗談に聞こえないし!
 気のせいかレイモンドもビクビクしてるし!
 俺は、手持ちのお金から金貨をいくらか出すとそれをルドルフ神官に渡した。
 「これ、使ってくれ」
 「それは・・ありがたいですが」
 ルドルフ神官が貴族っぽい笑みを浮かべて俺をうかがう。
 「ちょっと、同情しちゃいましたか?」
 「違うよ」
 俺は、ルドルフ神官に自分が考えていることを話して、きいてみた。
 「もし、あそこに『猫の軟膏』の工房を作ったらみんな、働いてくれると思うか?」
 

 
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