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2 狂愛の宴
2ー1 闇
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2ー1 闇
ロナが届けてくれた抑制剤のおかげで僕は、贄になるそのときまで正気を保つことができた。
神官たちは、不満な様子だったがロナに対抗しようとする者はいなかった。
ロナは、ほんとなら王立騎士団にだって入れるほどの実力の持ち主だ。それなのに自ら望んで僕にメイドとして仕えてくれていた。
僕のために最後の数日の身の回りの世話をしてくれたロナには、感謝しかない。
僕は、神官たちのいう通りに毎日、神殿に涌き出る清廉な泉の水で御祓をしてその時を待った。
そして。
新月の夜。
僕は、白いレースの花嫁衣装を身に付け魔境にある尊きお方の神殿へと向かった。
神官たちに囲まれて馬車に乗って魔境へと向かう僕の側にはロナの姿があった。
「最後までお供いたします」
ロナは、そう言うと僕と共に邪神の神殿に赴くことを告げた。
本来は、許されることではない。
だが。
神官たちは、ロナの行動に目をつぶってくれた。
どちらにしても2人とも死ぬのだから。
神官たちがそう考えているのだろうことは理解できた。
だが。
僕は、なんとか生き残りたかった。
僕だけなら死んでもかまわない。
だけど、なんとかロナは、生かしてやりたい。
もし。
邪神に遭遇したら。
僕は、ごくっと息を飲んだ。
そのときは、僕が囮になってロナを逃がそう。
僕は、ロナを見つめて微笑んだ。
ロナの手をぎゅっと握る。
ロナは、僕の手を握り閉めた。
「必ずお守りします、マクシア様」
僕は、頷いた。
がたがたと揺れていた馬車が停まる。
扉が開いて神官たちが僕に降りるよう促した。
そこは、朽ち果てた古い神殿だった。
真っ暗な中、ロナが魔法で辺りを照らした。
神官たちは、僕が神殿に入るのを見届けるとさっさと帰っていく。
「軟弱者どもが!」
ロナが吐き捨てるように告げた。
僕たちは、神殿の中へと入っていった。
かつんかつん、と足音が響く。
神殿の中は、外より暗くて不気味だった。
尊きお方。
そう呼ばれる存在は、本当にいるのだろうか?
僕は、祈るように思っていた。
いなければいい。
そうすれば。
ロナと一緒に逃げよう!
おそらく誰も僕らを追う者はいないだろう。
僕たちは、神殿の中央部らしい広場に到達した。
その円状になった場所に踏み込んだとき、闇が蠢いた。
禍々しい気配が辺りに満ちてロナがはっ、と身構える。
だが、ロナは、剣も帯びてはいない。
神官たちが尊きお方の神殿に刃を持ち込むことを許可しなかったからだ。
僕は、とっさにロナを円状になった広場から押し出した。
「マクシア様!」
「大丈夫、だから」
僕は、なんとかロナに笑顔を見せる。
背後に闇が忍び寄ってくるのがわかって僕は、恐怖で涙ぐんでいた。
「マクシア様!」
僕に駆け寄ろうとするロナが何かに弾かれた。
何か、目に見えない障壁のようなものがこの広場を取り囲んでいるようだ。
僕は、ゆっくりと後ろを振り向いた。
闇が。
巨大な壁のように僕の前に立ちふさがっていた。
ロナが届けてくれた抑制剤のおかげで僕は、贄になるそのときまで正気を保つことができた。
神官たちは、不満な様子だったがロナに対抗しようとする者はいなかった。
ロナは、ほんとなら王立騎士団にだって入れるほどの実力の持ち主だ。それなのに自ら望んで僕にメイドとして仕えてくれていた。
僕のために最後の数日の身の回りの世話をしてくれたロナには、感謝しかない。
僕は、神官たちのいう通りに毎日、神殿に涌き出る清廉な泉の水で御祓をしてその時を待った。
そして。
新月の夜。
僕は、白いレースの花嫁衣装を身に付け魔境にある尊きお方の神殿へと向かった。
神官たちに囲まれて馬車に乗って魔境へと向かう僕の側にはロナの姿があった。
「最後までお供いたします」
ロナは、そう言うと僕と共に邪神の神殿に赴くことを告げた。
本来は、許されることではない。
だが。
神官たちは、ロナの行動に目をつぶってくれた。
どちらにしても2人とも死ぬのだから。
神官たちがそう考えているのだろうことは理解できた。
だが。
僕は、なんとか生き残りたかった。
僕だけなら死んでもかまわない。
だけど、なんとかロナは、生かしてやりたい。
もし。
邪神に遭遇したら。
僕は、ごくっと息を飲んだ。
そのときは、僕が囮になってロナを逃がそう。
僕は、ロナを見つめて微笑んだ。
ロナの手をぎゅっと握る。
ロナは、僕の手を握り閉めた。
「必ずお守りします、マクシア様」
僕は、頷いた。
がたがたと揺れていた馬車が停まる。
扉が開いて神官たちが僕に降りるよう促した。
そこは、朽ち果てた古い神殿だった。
真っ暗な中、ロナが魔法で辺りを照らした。
神官たちは、僕が神殿に入るのを見届けるとさっさと帰っていく。
「軟弱者どもが!」
ロナが吐き捨てるように告げた。
僕たちは、神殿の中へと入っていった。
かつんかつん、と足音が響く。
神殿の中は、外より暗くて不気味だった。
尊きお方。
そう呼ばれる存在は、本当にいるのだろうか?
僕は、祈るように思っていた。
いなければいい。
そうすれば。
ロナと一緒に逃げよう!
おそらく誰も僕らを追う者はいないだろう。
僕たちは、神殿の中央部らしい広場に到達した。
その円状になった場所に踏み込んだとき、闇が蠢いた。
禍々しい気配が辺りに満ちてロナがはっ、と身構える。
だが、ロナは、剣も帯びてはいない。
神官たちが尊きお方の神殿に刃を持ち込むことを許可しなかったからだ。
僕は、とっさにロナを円状になった広場から押し出した。
「マクシア様!」
「大丈夫、だから」
僕は、なんとかロナに笑顔を見せる。
背後に闇が忍び寄ってくるのがわかって僕は、恐怖で涙ぐんでいた。
「マクシア様!」
僕に駆け寄ろうとするロナが何かに弾かれた。
何か、目に見えない障壁のようなものがこの広場を取り囲んでいるようだ。
僕は、ゆっくりと後ろを振り向いた。
闇が。
巨大な壁のように僕の前に立ちふさがっていた。
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