人違いです。

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底なし沼にて

75.

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 あぁ、どうしよう。もうどうすれば。

【どうしようもないよ】【死ね】

 何度も何度も何故か耳元で聞こえる声に、ぶるりと身体を震わせた。
 ヴィオラの背に倒れ込むように乗り、足早に宿舎へと戻る。その際すれ違う国民達全員の口から、怨念を込めた言葉が投げかけられているように感じて、それが酷く恐ろしい。しかし、【死ね】【消えろ】と聞こえて振り返っても、そこには誰もいないのだ。
 恐らくが耳元で響いているのだろう。低く悍ましいそれらから身を隠すように縮めれば、ヴィオラが心配そうに鼻を鳴らし、進む足を速めてくれた。


「お帰りなさいませ……」


 明らかに不調に見える俺の様子に、警備の騎士が訝しげに顔を歪める。それを無視して騎士団の宿舎の門を潜り、ふらふらとよろめく足で急いで自室に向かう。もう、外界から一刻も早く離れたかった。

 途中、変わり者の第1部隊の男が傾いた俺の身体を支えてくれようとしてくれたが、断った。まだーー、まだシャルとシャロンを見られる訳にはいかない。
 必死の思いで飲み込んだ安定剤は、よほどの粗悪品であったのか、未だ全く効果を為していなかった。


「「おかえり、レー……」」
「ーーッッ、」


 靄のかかった視界で、人形遊びをして待っていたらしいシャルとシャロンが出迎えてくれるのを認めた瞬間。俺は彼等の元へと足早に近寄り、その小さな身体をぎゅうっと力のままに抱きしめた。
 唐突なそれに驚いたように大きな目をクリクリと見開いたシャルとシャロン。しかし、直様俺のただならぬ様子に気付いたのか、彼らは何も言うことなく俺の身体を抱きしめ返してくれる。


「ーーご、めんなさ、ごめんなさい。ごめん、なさ、」


 2人の温かさが、身体に溶け込んでくる。
 途端、堰を切ったように溢れ出す謝罪の言葉。瞳からは、ぼたぼたと馬鹿みたいに涙が溢れた。

 私欲で、自分の本能で、死を望んでいない人を殺してしまった。誰に強制されたわけでもなく、今後婚約者と幸せに過ごしていっただろう人を。俺の、自己中で弱い心のせいで、死なせてしまった。
 何が、第3部隊隊長だ。何が、有能で優秀な騎士だ。

 ーー何にも、出来てないじゃないか。無能。

 静まり返った部屋の中に、俺の無様な嗚咽と、身勝手で滑稽な謝罪の声だけが響く。謝って赦されることではない。だけど、謝らずにはいられないのだ。


「ひ、ッ、ごめ、ひぐッ」
「……レーネ、薬の禁断症状は苦しいよ。俺とシャロンは知ってる」
「……レーネ、薬の効果は抗えないの。私とシャルは知ってる」


 そう静かに囁いて、背中を慰めるように撫でてくれるシャルとシャロンに、俺は唇を噛み締める。
 薬に悩まされた2人だったからこそ、こんな俺の姿は見せたくなかった。2人を苛んだ恐ろしい過去を思い出させてしまうような、尚更心配を掛けてしまうような姿を、見せたくなかったのに。
 現実にいるのは、彼等の身体を縋るように抱きしめ、その白い髪に顔を埋めなければ心を落ち着けることすらできない自分。

 あぁ、あぁ、どんどん、自分が在ろうとした騎士の姿から外れていく。部屋の窓の向こうに、王様が此方を馬鹿にしているような幻覚が見えて、思わず嘲笑が溢れた。ーー自分への。


「ーー……」


 ふと、感情の機微が水が引くように失せていくのを感じて、ぼんやりと虚空を見る。

 今、安定剤に効果を発揮されても、困るなぁ。
 先程まで俺を襲っていたグチャグチャと見えない何かに脳みそを掻き回されるような不快感が瞬間的にパッと消え、冷たい冷たい、静寂が訪れた。

 ぼろぼろと涙を溢していた姿から一転、唐突に無表情になった俺を、シャルとシャロンが不安げに眉を下げてに見つめている。揃って首を傾げるその仕草が可愛らしくて、俺は思わず小さな苦笑を零した。ーー感情が異常なほどに凪いでいる。
 俺は、持って帰ってきた鞄の中から安定剤の瓶を取り出して、『詠む』。

 ーーああ、成程。遅効性かぁ。
 出来れば即効性のものでお願いしよう。

 
「「レーネ。これ。飴おじさんが、レーネが泣いた時に渡せって言った」」


 すると、そんな俺の冷めた顔をじぃいっと見つめていたシャルとシャロンは、ドロリと濁った翡翠の目を揺らす俺の手から抜け出し、協力して本棚から抜き取った深緑の本を俺へと差し出した。目の前へずいっと差し出されたそれを、凪いだ感情で受け取り、表紙に視線を落とす。

 果たして【日記帳】と印字されたそれを、俺は何処か呆然と見つめた。そして、無心のまま鍵の魔法を外し、日記帳の頁を開いた。


「ーーーー……」


 息を、呑む。

 懐かしい思い出の数々が、そこには鮮明に綴られていた。


【XXX年X月XX日。
 今日はノアがパンケーキを作ってくれた。食堂のよりも全然美味しくてびっくり。料理人になればいいと言ったら照れていた。可愛い所もある。】

【XXX月X月X日。
 俺の眠りが浅いとノアが心配してくれて、一緒に起きてくれた。ノア手作りのお菓子を一晩中食べて、お喋りをした。楽しかった。講義サボって朝寝た】

【XXX年XX月X日。
 翡翠階級の生徒達に魔法を教えたら、褒めてくれた。褒められるのって、やっぱり好きだなぁ。サファイア教授も頭を撫でてくれた。嬉しい。】


 楽しい。嬉しい。幸せ。

 全てが、俺のがらんどうの心に、降り注いでくる。


「、…ッ、ーーっつ"、…」

【ずっとこんな日が続けばいいのに。】

 理想郷で過ごしたような毎日を、思いついた言葉のままに綴られている日記帳の頁を見つめ、必死に目に力を入れる。そうでもしないと安定剤でも止めようのない感情が、ぞくぞくと押し寄せて来て止まらないのだ。
 何度かしぱしぱと瞬きをして必死に落ちそうになる雨を堪え、唇を噛み締めながら恐る恐る頁を捲る。

 落ち込んだ日々も、楽しかった日々も、苛々した日々も。全てが、宝物になった。

 
 ーーぱさり。

「……?」


 見下ろす。寝具に座ったまま日記帳を見つめていた俺の膝の上に、軽い音を立てて一枚の封筒が落ちてきた。
 宛名も差出人名も書かれていないそれに首を傾げてシャルとシャロンを見るが、彼らも何も知らないようで。興味深そうに覗き込んできている。

 詠んでも、揺らしてみても、特に害意の気配を感じないそれ。俺は、警戒しながらも封蝋で閉じられた封筒を開け、中に入っていた紙を抜き取る。
 そして、今度こそぽかんと目を見開いた。


「ーーのあ、?」


 丁寧で美しい自体で書かれた、俺への思い。所々、滲んで見づらくなっているそれは、それでも清廉な気配を失ってはいなかった。
 小さな紙に何枚も、所狭しと書き綴られた文字を、置いてけぼりにならないよう必死に追う。


『親愛なるレーネ。
 この手紙が、レーネのところに行きついて、辛い時の助けになるよう願って、俺は筆を取ることにした。こういうのは初めてだから、作法とかは目を瞑ってくれ。』

「ふふ、」


 元来粗雑なノアらしい、始まりの言葉。


『俺は、人生の中でレーネのような人間に出会えて、本当に良かったと思っている。身も心も美しくて、国を愛し誇っていて、そんな自分を誇っているレーネは、すごく格好良い。そんな人に親友に選んでもらえて、嬉しい。
 毎日が刺激的で、楽しくて、気の置けない親友が出来たのが嬉しくて、奇跡のような時間だった』

「……ーーッ、…、」

『それに、友人が隣に立って、笑ってくれている日常が当たり前でないことを痛感した。
 レーネと出会って、毎日を見失うことなく大切に生きようと思うようになった。過ごした日々を一寸たりとも忘れないように。』


 俺も、そう。ノアと過ごす毎日が、当たり前になればいいのに。って、思ってた。言えなかったけど。本当だよ。

 じわ、と所々滲んでいる紙が、これを書いてくれていたときのノアの感情を切実に俺に伝えてくる。知らぬ間に俺の頬にも、ポタポタと静かな雨が降りかかってくる。
 窓の外では、真白の雪がキラキラと煌めいていた。

 俺は濡れた目元を乱雑に拭い、唇を噛み締めて続きへと視線を落とす。シャルとシャロンが、静かに俺の隣へと腰を下ろした。


『レーネには、たくさん辛いことが起こるんだって、俺もわかるよ。止めたいけれど止められないことも、レーネが止めて欲しくないことも知ってる。それでも、俺はレーネに隣に立っていて欲しかった。……きっと、無理をさせてたと思う。ごめんな。』

「そッん、…なの、」

『だから、俺の存在がこれ以上レーネを苦しめるようなことにならないように、俺の本当の気持ちを書いておこうと思う。記憶はいずれ消えても、紙は消えないだろう?

  改めて、大好きだよ。レーネ。俺の初めての親友。本当に大好きだ。ずっと。何があっても、レーネが何をしても、俺はお前を嫌いになったりはしない。夢の中の俺がレーネを責めたら、それは偽物だ。何故なら俺はレーネを護る騎士だから。』
『レーネ、生きて。また、一緒の寝具でお喋りをしよう。沢山レーネが頑張ったことを教えてくれ。全部が終わったら、一緒に卵粥を食べよう。スイーツはパンケーキかな。

 沢山、幸せを用意して待ってる。』


「…、……、……ーー~~~ッ、、ひ、」


 ぐしゃり、と、紙を抱きしめ、額に当てる。唇を真っ白になる程噛み締めても、尚溢れ出す感情を抑えることができなかった。
 インク越しの彼の言葉が、しとしとと雨が降るように脳内へと印字され、心の中に染み込んでいく。

 それは理想論だって、わかっている。反乱分子を鎮圧し切っても、今度はヘイデル王国との戦争が待っているだけだ。俺とノアの道が再び交わることはない。ーーだけど。

 手紙に俺のがかからないように気をつけて、もう1度『夢の世界』を見つめる。あまりに眩しいそれに、目を細めて。


『レーネ。俺の親友。憧れの人。
 俺は友人を作るのも下手で、相手に気を遣わせてばかりで、そんな自分がずっと嫌だった。だけど、レーネが俺を親友だって、ノアは素敵だって言ってくれるから、自分に自信が持てるようになった。俺は俺でいていいんだと、誇れるようになった。
 あーあ。レーネに、幸せなことだけが訪れればいいのに。レーネが笑って幸せだって泣けるようなことだけが良いのになあって思うよ。ーー思うだけなら自由だろ?』

「……ふふ、そ、だね」

 俺も、ノアに幸せだけがあればいいって、思っているもの。

 陽だまりのような黄金色が、クスリと笑った。

『出会ってくれてありがとう。友人になってくれてありがとう。魔法や剣を教えてくれてありがとう。騎士になってくれてありがとう。料理を食べてくれてありがとう。

 ーー他にも沢山あるが、続きは次に会った時にでも。

 じゃあ、な。俺は、さよならなんて言ってやらねーからな!!』


 ノア、と、名前だけが書かれて締め括られたそれ。魔法で閉じられた日記帳に無理やりねじ込んだのは、理事長だろう。ーー、あぁ、もう。

 雪が降っているのに、雨がやまない。





「レーネ、泣いてるのに笑ってるよ、シャル」
「レーネ、嬉しいのに悲しいんだね、シャロン」


 大丈夫だよ。レーネ。
 頑張った人は、頑張った分だけ幸せになるんだから。

 シャルとシャロンは、レーネの背中越しにお互いの両手を絡め、しっかりと握る。そして、左右からレーネの肩にコテンと頭をのせ、大きな瞳を閉じた。

 ーー覚悟は、できた。
 嫌われても、殺されても、幸せにする。








『レーネ・フォーサイスが…ロサの大広場にて、多くの国民を前に平民の女性を処…刑。本人は冷…静さを欠き、何か薬剤を…飲んでいた様子。』


 静かな王室内に、男の単調な報告の声だけが不気味に響いている。国境を超えている為か、所々雑音が入って途切れてはいるものの、何 つつがなく報告を終えた男は相手の返事を待つように黙り込んだ。
 すると、男が話している間、重苦しい沈黙を護っていた黒衣の男が、重々しく溜息を吐いた。その眉間には、くっきりと「不快」が刻み込まれている。


「……国民の様子は」
『…………幾ばくかの恐怖はあれど、憎悪は比較的少ないよ…うです。良くも悪くも処刑に慣れているせいで、状況を冷静…に分析できるのでしょう…ね。レーネ・フォーサイ…スが明らかに正常な状態ではな…いことを認識して困惑していた様子。』


 無表情で、ただ事実だけを伝えるの言葉に、黒衣の男ーーサイラス・ヘイデルは心なし安堵したかのように瞬きをした。

 間者から送られてきた映像のレーネは、明らかに異常だった。瞳孔の開き方も、目の揺れ方も、顔色も。全てがサイラスが見たレーネとは、違って見えた。
 サイラスは、ゆったりと目を伏せ、思案するようにこめかみに手を当てる。その姿は非常に様になっていて、美しかった。


「近衛騎士団第4部隊に、【革命軍】にレーネを無駄に刺激しないよう動け、と伝えろ。表立って動くな。できる限り彼が殺す人間が減るように努めろ、と」
『…………御意』


 レーネがヘイデル王国を発ってから、ちょうど入れ違いになるようにして国境にやってきた近衛騎士団第4部隊を名乗る近衛騎士達。彼らと密に連絡を取っていたらしいレーネの部下のおかげで、間者を通して革命軍に直接介入できるようになったことは、サイラスにとって大きな成果と言えた。
 それはつまり、資金や武器の援助を国境の革新派越しに渡すだけの支援よりも、はるかに効率的に事が進められるという事だ。


「支援においては、……資金と武器に加えて、食料なども援助できる。ダイヤモンド家やサファイア家が魔具の援助も行うと言ってくれた」
『…………素晴らしい…ですね。食料は?』
「シトリン家だ」


 に静謐な視線を向け、悠然と告げるサイラスに、間者が驚いたように目を見張る。
 おそらくは排他的なダイヤモンド家の援助に驚いているのだろう。最も、サイラスにとっては、博愛主義を謳った無関心を貫くシトリン家の援助の方が、余程驚くべきことであったが。

 サイラスは通信魔具を見つめたまま、目を閉じる。


『レーネ・フォーサイス…は、魅力的ですか』
「あぁ。数多の人間が彼に惹かれ、俺に革命軍への救援に乗じた進軍を進言する程にはな」
『…………』
「お前はただ報告をしてくれればいい。私の為と言って無駄にレーネを助けようとするな。王子に気取られる」


 第1王子の酷薄な笑みを思い出し、静かに告げる。するとすぐに優秀な間者は静かに首肯だけを返した。そして、報告は終わりとばかりに通信が切られる。

 再び静寂が戻った部屋の中で、サイラスは1人静かな通信魔具を手の中で遊ばせるように転がした。ーーしかし、どれ程魔力を込めても、応えられることはない。
 捨てられていないことを祈ってはいるが、可能性は低いだろう。自分は彼に何もしてやれていないのだから。

『ノアが作る粥が、一番好きなんです』

 レーネが懇意にしていたスコーン少年を思い出し、カサついた唇を噛む。きっと、レーネは彼に惹かれているのだろう。少年の料理が好きだと笑ったレーネは美しかった。
 レーネを助けられたとしても、自分の出る幕はない。


 それでも、レーネが幸せになるのならば、それでいい。

 今は、王として彼の為に何が出来るのか。
 

「それだけを、考えろ」


 つきり、と年甲斐もなく痛む胸に、苦笑が溢れた。


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