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第7話 中堅戦 麗紅のキック女王 詩緒里 vs 美闘の黒豹 琴美 決着

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 消耗戦を嫌った詩緒里は、組み付くように琴美の胸に頭をつけ、手で琴美ののどを押し込もうとする。
琴美「パンチの打ち合いは、あたしの勝ちね。ちっちゃいおっぱいには、あたしのパンチは効くでしょ」
詩緒里「効いてないわよ。早く決着をつけたくなっただけだよ」

 琴美も、少し下がりながらも、踏み留まり、対抗して、のど輪で押し返す。
 両者ともに体を反らせながら、苦しそうに押し合う。両者ともに息がほとんどできない状態でうめきながらも、リーチの長い詩緒里が優勢になり、琴美は、根負けして後退する。
 そのまま押し込もうとする詩緒里に、琴美は、前蹴りで反撃し、詩緒里の手を放すことに成功した。
詩緒里「この押し合いは、あたしの勝ちよ」
琴美「単に腕の長さだけの差だよ」

 琴美は、離れてから勢いをつけて、詩緒里の顎をめがけて飛び膝蹴りを入れようとする。しかし、詩緒里は、素早い動きでそれをかわす。
詩緒里「あんた、もう苦しみ紛れね」
 詩緒里は、着地した琴美の顔にバックブローを入れ、そこから膝蹴りをしようとするが、琴美も、距離をとって逃れる。

 2人は、そこから前蹴りの応酬を繰り広げる。リーチの長さ、蹴りの速さ、威力のどれをとっても、詩緒里の方が優勢で、琴美は、劣勢となる。琴美の攻めが緩んだところで、詩緒里は、回し蹴りで琴美の太ももやふくらはぎにも強烈な蹴りを入れていく。
琴美「あんた、蹴りだけで勝てると思うなよ」
 琴美は、やられながらも距離を詰めてパンチを詩緒里の顔や肩、胸に当てて体勢を崩していく。そして、そこへ捨て身の体当たりをする。

詩緒里「あんたの攻めは、野蛮なだけ。田舎のヤンキー丸出しね」
 詩緒里は体当たりを受けて体勢を崩しながらも、立て直し、琴美の次の体当たりに膝を合わせて、琴美のみぞおちに入れる。動きが止まった琴美の髪をつかみ、腹にさらに強烈な膝を入れる。
 前かがみになった琴美に詩緒里は、さらに強烈なミドルキックを叩き込む。琴美は、たまらずダウンする。

詩緒里「さあ、これであんたのギブアップでいいわね」
琴美「うぐぅ…。てめぇ、ふざけるんじゃねえよ。黙って受けてやりゃいい気になって」
詩緒里「ダウンしたくせに、口だけは元気ね」
 琴美は、歯を食いしばって詩緒里の右足にタックルを入れる。詩緒里は、受け身を取りながら、琴美の首に腕を巻き付けてフロントチョークで絞めあげる。それでも、琴美は、右腕を振り回し、上から詩緒里の股間や腹にパンチを叩き込む。

 詩緒里は、もがいて琴美の下から抜け出し、横に回り込むようにして、両脚で琴美の背中と腹をサンドイッチするように挟み込む。
 琴美は、首を詩緒里の右腕から抜き、右手を詩緒里の喉に手を当てて押し付ける。
 しかし、詩緒里は、両脚で琴美のしっかり胴体を挟み込んで、ボディシザースで絞めあげる。
 腕の力が緩んだ琴美の右腕を詩緒里は、両手でつかみ、伸ばしていく。
 琴美は、左手で詩緒里の脚を外そうとするが、圧倒的な詩緒里の脚力でびくともしない。

 詩緒里は、琴美の胴体をさらに強く絞め上げていく。琴美が苦しげにうめく。
琴美「この、短い脚どけなさいよ」
詩緒里「あら、もうあたしの脚の長ささえ、分からなくなったの?あんたがギブアップしたらどけてあげるわよ」
 琴美は、苦しさで息が荒くなっている。詩緒里は、琴美がもがきながら苦しげににらむので笑みを浮かべ、両脚で琴美の体を反転させ、仰向けにさせる。
詩緒里「苦しいでしょ。ギブアップしなさいよ」
琴美「まだ…まだ…よ…」
詩緒里「これ以上、絞め上げるとやばいから、加減してあげてるのに、それも分からないみたいね」
 詩緒里は、さらに脚に力を入れて絞め上げる。
琴美「うがぁ…ギブ……アップ…」
 たまらず、琴美が声を上げた。

 麗紅レディース側が総立ちになって歓声を上げる。
 詩緒里は、麗紅レディースのメンバーたちに向かって、力強いガッツポーズを見せる。
詩緒里「麗紅の強さを見せつけてあげたわよ!麗紅が最強よ!」
 詩緒里は、大の字になった琴美を蹴り放して、立ち上がり、美闘レディース側に向かって中指を立てる。
詩緒里「どうだ、麗紅のキック女王様の強さを思い知ったか!」
 詩緒里の挑発に、美闘レディース側の数人が詩緒里に向かってこようとしたが、美闘レディースの総長美咲が止める。

美咲「あんたら、そう焦るな。あたしが麗紅の総長なほみを倒せば、うちらの勝ちだから。琴美の仇は、きっちり取ってやるから、安心しな」
 美咲の言葉に、美闘レディースのメンバーたちの怒りは収まった。

 そんな美闘レディースを眺めながら、詩緒里は、麗紅レディースの総長なほみとハイタッチを交わす。
詩緒里「総長にいい形でバトンを渡せたわ。この勢いで軽く連勝頼むわよ」
なほみ「ああ、よくやった。あたしは、勝つこと決まってるんだから任せとけ。総長同士のタイマンで、このレディースの命運が決するわけか。力が燃えたぎってきたぜ」
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