黒ウサギ世界を廻る異世界奇譚 ~食いしん坊ウサギと世話焼き狼の絆は深い~

鴻霧

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終末の死神編

57話 碧月(あおつき)学園

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スーツの女性と別れ廊下を進む

「さぁ ここがアナタ達の部屋になるわ」
角までくると両開きのドアがあった

ドアを開け中に入る
「校舎にこんな部屋があるとはな」

「ここは私の秘密の部屋と言うか趣味の部屋と言うか・・・とにかく家具も揃っているし生活するには不自由無いと思うわよ」

「うん ありがとう」

「でも食堂から遠いのよねキッチンがあるから自炊はできるけど食事係を付けようかしら?」

「飯なら俺が作るから平気だ」

「料理できるのね異外だわ」

「それはどう言う意味だぁ?」

「ディーのご飯は美味しい」

「おう レゼの為に練習したからな」

「仲良いのね 今日は材料が無いから食堂で食べましょうか」
腕時計を見る
「まだ間に合いそうね 食堂は2号棟にあるわ」

リリスの手が光りディーとレゼに触れると景色が変わり一瞬で外に出ていた

「どこだここ?」

リリスの姿がない
「むぅ」

「俺たちだけで行けってことかよ ちっ ここに来たばかりで道なんて分からねぇのに とりあえずあっちに行ってみるか」

「うん」

石畳の道を歩いていると人影が歩いてくるのが見える

「おいっ 道を聞きてぇんだけど」

「ひゃ な なんですか? 不審者ですか!?」

「何でそうなる 俺はただ2号棟に行きてぇだけなんだけど」

「2号棟? 2号棟には食堂とお風呂がありますけど・・・!やっぱり変質者なんだ!? 制服じゃないし あわわわ どうしよう!お風呂を覗きに来た変態さんだ 顔怖いぃ」

「ちっ 落ち着けよ それと顔は関係ないだろ」

「あわわわ」

肩を両手で抑える
「落ち着け」

「きゃあ! 助けて 襲われるぅ」

声を聞きつけ人が走ってくる
「その手を離しなさい不届き者」
薙刀でディーの腕を振り払おうとするがぶつかる前に手を離す

振り上げた薙刀をディーに振り下ろし突く
ディーは手で薙刀をいなす
いなされ倒れる体をひねり膝を顔面に突き出されるがかわす
地面に着地し薙刀を突き出す前にディーが銃を錬成し銃口を向け、引き金を引こうとした時レゼが間に割って入る

「待って」

ディー達の動きの速さに外野はついてこれず何が起こったのか分からないでいる

「レゼ 下がってろ」

「むぅ 撃ったらダメ この人さっき公園で会った」

「あぁ?」

襲ってきた女の顔が街灯の光に照されよく見えるようになる
「誰かと思えばリリスさまの親戚の方とそのおまけですわね こんな時間に学園の敷地内で女生徒を襲うとは感心できませんわね」

「道を聞こうと思って近づいたらこいつが勝手に叫び出したんだよ」

「本当ですの? あなたにやましい心があったから叫ばれたのではなくって?」

「あ゛ぁ?」

「本当に食堂までの道を聞きたかっただけ」

「そうでしたの 食堂へはこっちの道を行けば着きますわよ 私も行く所でしたので案内しますわ」

「ありがとう」

「おい 俺の時とレゼと話す時の態度に差があるんだが」

「当たり前ですわ あなたはレゼさまのただの付き人 対応が変わるのは然るべきことですわ」

「そうかよ」

「あなたも大丈夫かしら?」

「は はい 大丈夫です」

「気を付けてお帰りなさい」

「はい ありがとうございました」

「では 食堂に参りましょう」

シャロンに案内され迷わず食堂に着くことができた
料理を取り席に着く、遅い時間なだけあって生徒は数える程しかいない

「言いそびれてしまいましたけど公園では失礼しましたわ」

「気にしてないから」

「そう言って頂けるとありがたいですわ ここにはリリスさまに会いに来られましたの?」

「えっと 勉強のため?」

「まあ この学園に転校して来たのかしら?」

「そんな感じ」

「成り行き上な」

「なら私は今日から同じ学園の生徒同士分からないことがあったら何でも相談して下さいですわ」

「うん 分かった」

「私は1組ですの 同じクラスになれるといいですわね」

食事を終え校舎に戻る

シャロンが送ると言ってきたが丁重にお断りしてディーと2人空を飛んで帰ってきた
やっぱり飛ぶのはいい気持ちいい 歩くより速いから尚更いい

屋上から校舎に入る

「部屋は確か 理事長室の前を過ぎた角の部屋だったな」

「うん」
部屋から光が漏れている

「誰かいるな」
こっそり近づき扉を開ける

「あぁ そこそこ あ だめ くぅぅ やられた」

「リリス!」

「あっお帰り」

「何してんだ?」

「何ってゲームよ」

「そうじゃなくて何でここでゲームしてるかって話だ それとこれゲームなのか?」

「趣味の部屋って言ったでしょ 私大のゲームマニアなの このゲームも面白いわよ アナタ達もやってみる? 説明を聞くよりやってみた方が速いわよ」

「沢山あるな」

「そうなの手に入れるのに苦労したものもあるのよ お薦めはねこれとこれでこれも捨てがたいわ」

またしてもリリスの後ろから気配がする

「ここにいらしたのですねぇ!」
眼鏡をかけたスーツの女性がゾンビのように背後から現れる

「さ 早苗!」

「さぁ お仕事の時間ですよ 約束しましたよね! 理事長室に行きますよ」

「え 待って 今ボス戦だから お願い 倒させてぇー」
リリスの首根っこを掴み引きずる様に連れて行った
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