堕ちた聖女は王命での結婚相手に「愛することはない」と言われたのです

ウサギテイマーTK

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神殿での行を終え、ひと息ついたミーナスに、クローバー聖女の一人、ニコルが声をかける。

「お疲れ様。頂きもの、お一つどうぞ」

ニコルは金色の髪を揺らし、ミーナスにぽんっと、リンゴを投げる。

「あ、ありがとう……」

珍しいことがあるものだ。
日頃、出自が低位貴族のミーナスには、ろくに挨拶もしない侯爵令嬢だが。

艶やかなリンゴは、疲労したミーナスには嬉しい贈り物である。
ありがたく一口齧る。
飲み込んだ瞬間、微かな違和感がミーナスを襲った。

まずいと思った時には遅かった。
意識を手放したミーナスが、それを取り戻した時、彼女は一糸まとわずに、見知らぬ男性と共にベッドの中に居た。
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