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一章:出会い
5.誰よりも速いという事はワクワクする
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「すごく、競馬?が、好きなんだね」
「ああ、命の危険があろうとあの一瞬を追い求めて騎手をするくらいには」
「命……?」
楽しそうに笑うシルヴァン様に少し顔がひきつる。馬を扱うのは、確かに危険だけど……そんなに危ないのだろうか?
「全速力の馬を操るんだ。落ちるだけでも大きな怪我をするし、馬群……全力で走る馬の群れの中に落ちたらどうなるかは想像できるだろう?」
そう言われて、さっきの軍馬の話を思い出す。それは……確かに危ない。命の危機しかない。
「それなのに好きなの……?」
「もちろん。……そうだな。ジャン、想像してみてほしい。自分達の育てた牧場の馬が、どこの牧場の馬より一番速いってなったらワクワクしてこないか?例えば、君が乗っていたあの馬とか」
そう言われて、あの子が騎手?を乗せて、たくさんの馬と一斉に走っている光景を想像する。
決められたコースと言うのがわからないから、うちの放牧地を一周……と、考えて……。
あの子は、速いから……たぶん、群れの先頭を走りたがると思う。普段、他の子と放牧しててもそうだから。
走って、走って……いつもの放牧では後ろからあの子追い越そうとする子がいるけど、あの子は、いつもそれに気づくと更に速くなる。
だから、他の牧場の馬にも同じようにスピードをあげて……誰も寄せ付けないままに、放牧地を一周するのだ。
そこまで考えて、自分がワクワクしている事に気づく。
僕の世話したあの子が、誰よりも速い。それを想像しただけで、すごく。すごくワクワクした。
「……すごく、ワクワクしたと思う」
「そうだろう」
想像から抜け出し、隣に立っているシルヴァン様を見上げれば、シルヴァン様は満足したように笑う。
「それに、自分が乗って操っているとしたら?コースは決まっているが、レース事に距離は違う。最初から馬に任せて全力で走らせていたら勝てないかもしれないが、君が乗って、馬を導いて勝てるとしたらワクワクするだろう?」
そのシルヴァン様の言葉を、僕は今、理解する事ができた。
「する!」
「それが私が騎手をしていた理由だ」
穏やかに笑うシルヴァン様。だけど、なぜ騎手をやめて調教師になったんだろう。やっぱり、危ないから?
「でも、どうして騎手やめちゃったの?」
「騎手を続けてもよかったんだが……ある程度、年齢を重ねると調教師に転向されるのを期待されるんだ。乗るのと、調教するのでは違うとおもうんだがな」
そう言いながらシルヴァン様は組んでいた腕をほどいて、肩をすくめる。
「まあ……まだ、騎手に未練はあるが、調教師として様々な馬を調教するというのも悪くはない。いつかは、やろうと思っていたからそれが早まっただけだ」
悪くはない。そう言ったシルヴァン様の表情に嘘はなさそうだったけど、それでも騎手としての仕事の方が好きだったのだろうと僕は思った。
「ああ、命の危険があろうとあの一瞬を追い求めて騎手をするくらいには」
「命……?」
楽しそうに笑うシルヴァン様に少し顔がひきつる。馬を扱うのは、確かに危険だけど……そんなに危ないのだろうか?
「全速力の馬を操るんだ。落ちるだけでも大きな怪我をするし、馬群……全力で走る馬の群れの中に落ちたらどうなるかは想像できるだろう?」
そう言われて、さっきの軍馬の話を思い出す。それは……確かに危ない。命の危機しかない。
「それなのに好きなの……?」
「もちろん。……そうだな。ジャン、想像してみてほしい。自分達の育てた牧場の馬が、どこの牧場の馬より一番速いってなったらワクワクしてこないか?例えば、君が乗っていたあの馬とか」
そう言われて、あの子が騎手?を乗せて、たくさんの馬と一斉に走っている光景を想像する。
決められたコースと言うのがわからないから、うちの放牧地を一周……と、考えて……。
あの子は、速いから……たぶん、群れの先頭を走りたがると思う。普段、他の子と放牧しててもそうだから。
走って、走って……いつもの放牧では後ろからあの子追い越そうとする子がいるけど、あの子は、いつもそれに気づくと更に速くなる。
だから、他の牧場の馬にも同じようにスピードをあげて……誰も寄せ付けないままに、放牧地を一周するのだ。
そこまで考えて、自分がワクワクしている事に気づく。
僕の世話したあの子が、誰よりも速い。それを想像しただけで、すごく。すごくワクワクした。
「……すごく、ワクワクしたと思う」
「そうだろう」
想像から抜け出し、隣に立っているシルヴァン様を見上げれば、シルヴァン様は満足したように笑う。
「それに、自分が乗って操っているとしたら?コースは決まっているが、レース事に距離は違う。最初から馬に任せて全力で走らせていたら勝てないかもしれないが、君が乗って、馬を導いて勝てるとしたらワクワクするだろう?」
そのシルヴァン様の言葉を、僕は今、理解する事ができた。
「する!」
「それが私が騎手をしていた理由だ」
穏やかに笑うシルヴァン様。だけど、なぜ騎手をやめて調教師になったんだろう。やっぱり、危ないから?
「でも、どうして騎手やめちゃったの?」
「騎手を続けてもよかったんだが……ある程度、年齢を重ねると調教師に転向されるのを期待されるんだ。乗るのと、調教するのでは違うとおもうんだがな」
そう言いながらシルヴァン様は組んでいた腕をほどいて、肩をすくめる。
「まあ……まだ、騎手に未練はあるが、調教師として様々な馬を調教するというのも悪くはない。いつかは、やろうと思っていたからそれが早まっただけだ」
悪くはない。そう言ったシルヴァン様の表情に嘘はなさそうだったけど、それでも騎手としての仕事の方が好きだったのだろうと僕は思った。
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