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第十一章
『北回り航路の開発』
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水棲種族との交渉は好感触だが、それがいきなり決まる訳でもない。
仮に決まったも同然だとしても、他の貴族たちとの手前、もったいを付けておいた方が良いのも確かだ。功績を吊り上げるというより、マッチポンプを疑われるからである。
マジックアイテムを用意できるだけ用意しておくプロジェクトも時間が掛かるが、もっと時間の掛かる話も存在する。
「大型船航行の為にゴーレムで地形を変えせてくれと言ったら渋るくせに、確認するからゴーレムを寄こせと言うんですのよ」
「役人はそういう物ですよ。返却期限の厳守がされるなら構いません」
新領地を訪れたキーエル家のリュドミラ夫人はお怒りだ。
イル・カナンにある河川を航行する為の交渉は遅々として進まず、それどころか使者なのに関税は取られるわ臨検されるわと散々だったらしい。とはいえ怪しい物を持ち込まれても困るし、ゴーレムで地形を変えられるとううことは、砦を粉砕できるという事でもある。二の足を踏むのは当然だろう。
ちなみに誰を派遣しても交渉が進まないと理解しているので、若き当主であるヴィクトール殿が経験を積むために向こうに残っているらしい。
「それは構わないのですけれど……『予定通り』なのですよね?」
「ええ。こちらも大型船はともかく検証のための船は建造しました。偽装工作の報酬代わりにキーエル家預かりの船としてお渡ししますよ」
夫人が確認したのは、キーエル家の『功績』を確認する為だ。
イル・カナン政府が援軍を要請しるのだが、こちらの領土的野心を募らせるために態度をはぐらかしている。もちろん部署単位や領主単位で話が通って居ないのもあるだろうが、概ね連中の予定通りなのである。だが、こちらも付き合う必要は全くない。自亜kンが掛かることを想定し、相手の思惑に乗った態で、海洋航行の為の船を建造しているのである。
そしてオロシャ海軍一番艦として提供することで、キーエル家の現在の行動を評価しつつ、将来の活躍を保証しているわけである。
「あの灯台というものは便利ですわね。仕事がやり易くなったと評判ですのよ。それで……」
「判っていますよ。増産が済み次第にまた何機か送ります」
おねだりとしてゴーレムはやり過ぎだが、今は普及が重要だ。
ここで効果が大きいのだと周知できれば、今後も需要が見込める。また、簡単に成功するランクの低いゴーレムでなければ呪文を付与すると暴走するのだが……逆説的に言えば、量産が効き易いので一か所に付き二台セットでも作業用ゴーレムに毛の生えた程度の費用でしかない。
それでキーエル家との誼を保てるならありがたいとすら言えるだろう。
「そうそう。このまま行けばお家の私営列車は国営に格上げされるかもしれません。その時はどうされますか?」
「接収では無いであればありがたく従いたしますわ。優先権は惜しいですが」
キーエル家は新街道にも環状農業圏には参加していない。
なので所有する列車はあくまで私営なのだが、水揚げ港からウッラール騎士団の砦や国境の町へと連なる路線は、今回の援軍に関して有効性が非常に高い。それを考えたらキーエル家にいちいちお伺いを立てるよりも、国営にしてこちらの管理にした上で、料金を払って輸送を請け負う方が有益だろう。それはキーエル家の優先度が下がるという事に成るのだが、国家への貢献であり施設に職員その他を国が買い上げるならば、決して悪いことではない。
それこそ最初に支払った費用を国に請求できるので、その費用を新技術に宛られるなら悪くない投資であろう。
「今度木材をお届けしますわ。コンスタン・ティン伯の所だけでは列車や大型船の分を賄えないでしょう?」
「それは助かりますね。まずは新しい国営列車を増発しましょうか」
冒頭でマッチポンプが疑われるから警戒していると言ったな?
それは嘘とは言わないが、国外に関する問題だからだ。こうして援軍派遣に関して軍師みたいなポジションにい居る俺なら、オロシャ国にとって有益であることを身内に漏らし、インサイダーの如きマッチポンプを誘発できるのだ。もちろんやり過ぎれば問題が、それだって他の貴族にも利益を回せばスルーされてしまいかねない。
なんというか俺はその気がないから良いのかもしれないが、国家を私物化する有力貴族が居なくならない訳である。
「試みに確認するのですが、『この後』はどうなりますの?」
「寡聞にして未来の事は読めませんが、イル・カナンの思惑くらいは判ります。魔物に占拠されたイラ・カナンの一部を口約束で切り取らせ、その後で各国に『野蛮なる国オロシャの脅威』を喧伝して四方から攻める。その隙に未回収のイラ・カナンを完全に併合してしまうという所でしょう。そこで、こちらはその思惑を空かしてしまう訳です」
文明国であり外交に長けたイル・カナンはオロシャを使い倒すつもりだ。
四方は無理でも西方に幾つかある大国を動かせば問題ない。それで西南側に戦力を戻さざるを得ず、北東方向のイル・カナンは安泰、東側のイラ・カナンもまず回収できるという算段である。そういう思惑は当初のまま放置すれば普通にあり得たわけで、だからこそイル・カナン貴族たちは身内の権力争いを先にしているわけだ。血を流すピエロは既に居るので、パイを分け合う者は少ない方が良いのだろう。
ただ、判っている罠に飛び込む馬鹿は居ない。ヨセフ伯だって博打と判って飛び出してるわけだし、対処の一つもしてあるだろう(山を爆破して街道封鎖とか)。
「まあ。そこで我々は北から回り込んでいくという訳ですわね」
「魔族の島を攻める準備をしていると判れば向こうも慌てるでしょう。こちらは援軍要請に対し、『敵の増援を食い止めている。後は知らん、好きにしろ』と言えますからね。実際にはそうならないでしょうが、少なくとも諸外国には『領土的野心はないので、魔族だけ倒す』と告げることができます。後は……イラ・カナンの民が、どれだけ同族であるイル・カナンに怒りを覚えているか次第ですね」
イル・カナン国内の掃除と、魔族の島討伐のどっちが将来的に有益か。
そんな事を考えるまでもない。そもそもイル・カナン政府の援軍要請だって、『続々とやって来る魔物のせいで、国内の魔物の対処が出来ない』という言い訳を付けているのだ。ならばこちらが『じゃあ俺達が島を攻めてやるよ』と告げても許されるだろう。そうなった時に困るのは、イル・カナン政府と有力貴族ではなく、中小の貴族であるのは間違いがない。
そういう連中が一番被害を喰っている有力貴族と組んで、『さっさとオロシャの兵士を国内に入れろ』という流れを作るだろう。
「イラ・カナン民の怒りですか?」
「無事な領地を併合しているだけでなく、何かにつけて難民たちを最前線に立たせているでしょうしね。食料だって施しなのだから豊かとは言えません。こちらが十分な物資を持って行けば、雪崩を打って我々に『イラ・カナンの後継者』として援軍を要請することもあるでしょう。その時に、イル・カナンが併合したままにするのか、独立を認めて属国にするのかが分かれ目ですかね? 場合によっては、両者が自分たちに友好的な元貴族を立てて代理戦争をする可能性もありますね」
こう言っては何だが、十数年だか数十年前までは存在した国である。
魔族の攻勢に耐えられなくなって国が崩壊し、無事な部分を併合される形で兵を同族の国家に派遣してもらっている。魔族よりマシだし、他の民族に占領されるよりも良かったであろうとは言え、穀倉地帯だってあった筈なのに満足いく食料も配布されて居ない。もちろんその領地を守るために兵士として男たちは徴兵されているのだろうし、だからといって政治的発言権も無いのでは不満も溜まろう。
実際にラファエロ・ゴメスは不満たらたらだったからな。
「ああ……そういう。複数の小国に……なるほど」
「イル・カナンがまだ無事だったのは、彼らを使い捨てた結果であるとも言えます。現在進行形で酷い目に合っているのに、政争ばかりで魔物も退治しない。そんな連中には見切りをつけてもおかしくありませんよ。西国への魔族討伐のお伺い込みで、その辺りを陛下に奏上しても良いかもしれませんね。もちろん陛下たちなあもうとっくの昔に何かしらの交流を持っていてもおかしくはありませんが」
もっとも俺の考える程度の事を陛下たちが考えないとは思えない。
ラファエロ・ゴメスとアンドリオ副団長の関係くらいはウッラール騎士団経由で察しているだろうし、西国への伝手だって俺ばかり注目されがちだが……レオニード伯だって共に戦っていたのだから、勇者や聖女の居る法国に手紙の一つも送っておかしくはないのだ。そして彼らがオロシャ国が主力となって血を流し、魔族を討伐するとなったら協力してくれる可能性もある。俺は政治に疎いので今思い出すくらいだが、レオニード伯ならばもっと前に提言していてもおかしくはないだろう。
もちろん飛び地として一部の割譲も必要だろうが、それこそ敗北したり、泥沼のゲリラ戦になるよりはマシであろう。
「いずれにせよ我々がやる事は変わりません。キーエル家は海洋型帆船の慣熟訓練に励んでください。必要ならば水棲種族に海底の様子を教えてもらいますから」
「大丈夫だとは思いますけれど、間に合わない場合はお願いします」
どちらにせよ、やれる事をするしかない。
海から大回りして魔族の島を目指す計画を進め、イル・カナンを焦らせて陸路での援軍要請を出させるしかないのだ。もちろんイル・カナンになってメンツもあれば、物資の不足で我々に払う余剰食料が無いという事もあるかもしれない。だが、越権行為や想像で物事を進める訳にはかないのである。それこそ俺だったらレオニード伯を通して西方に関して確認するとか、イル・カナンならば一部なりとも土地を渡すという念書を出して、食料提供の代わりに充てるとかな。
こうして援軍要請に対して時間ばかりが過ぎ、双方のメンツを立てながらゆるゆると自体は進んでいった。
水棲種族との交渉は好感触だが、それがいきなり決まる訳でもない。
仮に決まったも同然だとしても、他の貴族たちとの手前、もったいを付けておいた方が良いのも確かだ。功績を吊り上げるというより、マッチポンプを疑われるからである。
マジックアイテムを用意できるだけ用意しておくプロジェクトも時間が掛かるが、もっと時間の掛かる話も存在する。
「大型船航行の為にゴーレムで地形を変えせてくれと言ったら渋るくせに、確認するからゴーレムを寄こせと言うんですのよ」
「役人はそういう物ですよ。返却期限の厳守がされるなら構いません」
新領地を訪れたキーエル家のリュドミラ夫人はお怒りだ。
イル・カナンにある河川を航行する為の交渉は遅々として進まず、それどころか使者なのに関税は取られるわ臨検されるわと散々だったらしい。とはいえ怪しい物を持ち込まれても困るし、ゴーレムで地形を変えられるとううことは、砦を粉砕できるという事でもある。二の足を踏むのは当然だろう。
ちなみに誰を派遣しても交渉が進まないと理解しているので、若き当主であるヴィクトール殿が経験を積むために向こうに残っているらしい。
「それは構わないのですけれど……『予定通り』なのですよね?」
「ええ。こちらも大型船はともかく検証のための船は建造しました。偽装工作の報酬代わりにキーエル家預かりの船としてお渡ししますよ」
夫人が確認したのは、キーエル家の『功績』を確認する為だ。
イル・カナン政府が援軍を要請しるのだが、こちらの領土的野心を募らせるために態度をはぐらかしている。もちろん部署単位や領主単位で話が通って居ないのもあるだろうが、概ね連中の予定通りなのである。だが、こちらも付き合う必要は全くない。自亜kンが掛かることを想定し、相手の思惑に乗った態で、海洋航行の為の船を建造しているのである。
そしてオロシャ海軍一番艦として提供することで、キーエル家の現在の行動を評価しつつ、将来の活躍を保証しているわけである。
「あの灯台というものは便利ですわね。仕事がやり易くなったと評判ですのよ。それで……」
「判っていますよ。増産が済み次第にまた何機か送ります」
おねだりとしてゴーレムはやり過ぎだが、今は普及が重要だ。
ここで効果が大きいのだと周知できれば、今後も需要が見込める。また、簡単に成功するランクの低いゴーレムでなければ呪文を付与すると暴走するのだが……逆説的に言えば、量産が効き易いので一か所に付き二台セットでも作業用ゴーレムに毛の生えた程度の費用でしかない。
それでキーエル家との誼を保てるならありがたいとすら言えるだろう。
「そうそう。このまま行けばお家の私営列車は国営に格上げされるかもしれません。その時はどうされますか?」
「接収では無いであればありがたく従いたしますわ。優先権は惜しいですが」
キーエル家は新街道にも環状農業圏には参加していない。
なので所有する列車はあくまで私営なのだが、水揚げ港からウッラール騎士団の砦や国境の町へと連なる路線は、今回の援軍に関して有効性が非常に高い。それを考えたらキーエル家にいちいちお伺いを立てるよりも、国営にしてこちらの管理にした上で、料金を払って輸送を請け負う方が有益だろう。それはキーエル家の優先度が下がるという事に成るのだが、国家への貢献であり施設に職員その他を国が買い上げるならば、決して悪いことではない。
それこそ最初に支払った費用を国に請求できるので、その費用を新技術に宛られるなら悪くない投資であろう。
「今度木材をお届けしますわ。コンスタン・ティン伯の所だけでは列車や大型船の分を賄えないでしょう?」
「それは助かりますね。まずは新しい国営列車を増発しましょうか」
冒頭でマッチポンプが疑われるから警戒していると言ったな?
それは嘘とは言わないが、国外に関する問題だからだ。こうして援軍派遣に関して軍師みたいなポジションにい居る俺なら、オロシャ国にとって有益であることを身内に漏らし、インサイダーの如きマッチポンプを誘発できるのだ。もちろんやり過ぎれば問題が、それだって他の貴族にも利益を回せばスルーされてしまいかねない。
なんというか俺はその気がないから良いのかもしれないが、国家を私物化する有力貴族が居なくならない訳である。
「試みに確認するのですが、『この後』はどうなりますの?」
「寡聞にして未来の事は読めませんが、イル・カナンの思惑くらいは判ります。魔物に占拠されたイラ・カナンの一部を口約束で切り取らせ、その後で各国に『野蛮なる国オロシャの脅威』を喧伝して四方から攻める。その隙に未回収のイラ・カナンを完全に併合してしまうという所でしょう。そこで、こちらはその思惑を空かしてしまう訳です」
文明国であり外交に長けたイル・カナンはオロシャを使い倒すつもりだ。
四方は無理でも西方に幾つかある大国を動かせば問題ない。それで西南側に戦力を戻さざるを得ず、北東方向のイル・カナンは安泰、東側のイラ・カナンもまず回収できるという算段である。そういう思惑は当初のまま放置すれば普通にあり得たわけで、だからこそイル・カナン貴族たちは身内の権力争いを先にしているわけだ。血を流すピエロは既に居るので、パイを分け合う者は少ない方が良いのだろう。
ただ、判っている罠に飛び込む馬鹿は居ない。ヨセフ伯だって博打と判って飛び出してるわけだし、対処の一つもしてあるだろう(山を爆破して街道封鎖とか)。
「まあ。そこで我々は北から回り込んでいくという訳ですわね」
「魔族の島を攻める準備をしていると判れば向こうも慌てるでしょう。こちらは援軍要請に対し、『敵の増援を食い止めている。後は知らん、好きにしろ』と言えますからね。実際にはそうならないでしょうが、少なくとも諸外国には『領土的野心はないので、魔族だけ倒す』と告げることができます。後は……イラ・カナンの民が、どれだけ同族であるイル・カナンに怒りを覚えているか次第ですね」
イル・カナン国内の掃除と、魔族の島討伐のどっちが将来的に有益か。
そんな事を考えるまでもない。そもそもイル・カナン政府の援軍要請だって、『続々とやって来る魔物のせいで、国内の魔物の対処が出来ない』という言い訳を付けているのだ。ならばこちらが『じゃあ俺達が島を攻めてやるよ』と告げても許されるだろう。そうなった時に困るのは、イル・カナン政府と有力貴族ではなく、中小の貴族であるのは間違いがない。
そういう連中が一番被害を喰っている有力貴族と組んで、『さっさとオロシャの兵士を国内に入れろ』という流れを作るだろう。
「イラ・カナン民の怒りですか?」
「無事な領地を併合しているだけでなく、何かにつけて難民たちを最前線に立たせているでしょうしね。食料だって施しなのだから豊かとは言えません。こちらが十分な物資を持って行けば、雪崩を打って我々に『イラ・カナンの後継者』として援軍を要請することもあるでしょう。その時に、イル・カナンが併合したままにするのか、独立を認めて属国にするのかが分かれ目ですかね? 場合によっては、両者が自分たちに友好的な元貴族を立てて代理戦争をする可能性もありますね」
こう言っては何だが、十数年だか数十年前までは存在した国である。
魔族の攻勢に耐えられなくなって国が崩壊し、無事な部分を併合される形で兵を同族の国家に派遣してもらっている。魔族よりマシだし、他の民族に占領されるよりも良かったであろうとは言え、穀倉地帯だってあった筈なのに満足いく食料も配布されて居ない。もちろんその領地を守るために兵士として男たちは徴兵されているのだろうし、だからといって政治的発言権も無いのでは不満も溜まろう。
実際にラファエロ・ゴメスは不満たらたらだったからな。
「ああ……そういう。複数の小国に……なるほど」
「イル・カナンがまだ無事だったのは、彼らを使い捨てた結果であるとも言えます。現在進行形で酷い目に合っているのに、政争ばかりで魔物も退治しない。そんな連中には見切りをつけてもおかしくありませんよ。西国への魔族討伐のお伺い込みで、その辺りを陛下に奏上しても良いかもしれませんね。もちろん陛下たちなあもうとっくの昔に何かしらの交流を持っていてもおかしくはありませんが」
もっとも俺の考える程度の事を陛下たちが考えないとは思えない。
ラファエロ・ゴメスとアンドリオ副団長の関係くらいはウッラール騎士団経由で察しているだろうし、西国への伝手だって俺ばかり注目されがちだが……レオニード伯だって共に戦っていたのだから、勇者や聖女の居る法国に手紙の一つも送っておかしくはないのだ。そして彼らがオロシャ国が主力となって血を流し、魔族を討伐するとなったら協力してくれる可能性もある。俺は政治に疎いので今思い出すくらいだが、レオニード伯ならばもっと前に提言していてもおかしくはないだろう。
もちろん飛び地として一部の割譲も必要だろうが、それこそ敗北したり、泥沼のゲリラ戦になるよりはマシであろう。
「いずれにせよ我々がやる事は変わりません。キーエル家は海洋型帆船の慣熟訓練に励んでください。必要ならば水棲種族に海底の様子を教えてもらいますから」
「大丈夫だとは思いますけれど、間に合わない場合はお願いします」
どちらにせよ、やれる事をするしかない。
海から大回りして魔族の島を目指す計画を進め、イル・カナンを焦らせて陸路での援軍要請を出させるしかないのだ。もちろんイル・カナンになってメンツもあれば、物資の不足で我々に払う余剰食料が無いという事もあるかもしれない。だが、越権行為や想像で物事を進める訳にはかないのである。それこそ俺だったらレオニード伯を通して西方に関して確認するとか、イル・カナンならば一部なりとも土地を渡すという念書を出して、食料提供の代わりに充てるとかな。
こうして援軍要請に対して時間ばかりが過ぎ、双方のメンツを立てながらゆるゆると自体は進んでいった。
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