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最初で最後のふたり旅
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「ダメ?」
「ダメなわけないじゃない。私も、ひとり旅よりトイトイと一緒の方がたぶん、楽しいって思うはずよ」
そういうことなら一緒に行きましょうか。ティッサはそう言ってくれた。
「私はどの神竜様推しとかないんだけど、神竜像を作る職人さん達の心境には興味があってね。だから貴重な神竜像はなるべく見ておきたいっていうのがあるのよ。
私利私欲や娯楽じゃなくって、信仰の形を表現しているんだもの。それに、私が作るごく普通の大衆の為のおもちゃや人形と違って、神竜像は数百年とか千年前の作品も現存しているじゃない?
当時の職人さんはどんな気持ちでこれを彫ったのかしらって想像しながら眺めると、自分までその時代まで遡っているみたいな気持ちになって……」
ぼくの返事を求めてない、でも確かにここで聞いていて欲しいとは思っているであろう、ティッサのなが~い語り。きらきらした目でひとりで、一方的に好きなことについて喋り続けるティッサを見ているのはぼくも好きなんだけど。ティッサ自身は自分だけで語っていたことに気付くと、「またやってしまった……オタク特有の早口」って落ち込んじゃうんだよね。
というわけで、ぼくも初めての、生まれ育った街を出て旅をしてきた。街の入り口の検問所を出て、即、目の前が真っ暗になって。そしておそらく数日後に意識を取り戻した瞬間にはもう元の街の中、って感じだったけど。
「六百年前までは神器も保管していたって伝えられている、白銀竜様の出自に関わる特別な寺院なんだって。現存する白銀竜様の像の中じゃ特別な作品にあたるみたい。拝観の際にはトイトイも抱っこして、ご一緒させていただいたからね」
そういう風にしてもらえて、思い出の時間を共有出来て、ぼくも嬉しい。でも、そんなに素晴らしいものなら、やっぱりぼく自身も見られたらもっと良かったなぁ。
「ダメなわけないじゃない。私も、ひとり旅よりトイトイと一緒の方がたぶん、楽しいって思うはずよ」
そういうことなら一緒に行きましょうか。ティッサはそう言ってくれた。
「私はどの神竜様推しとかないんだけど、神竜像を作る職人さん達の心境には興味があってね。だから貴重な神竜像はなるべく見ておきたいっていうのがあるのよ。
私利私欲や娯楽じゃなくって、信仰の形を表現しているんだもの。それに、私が作るごく普通の大衆の為のおもちゃや人形と違って、神竜像は数百年とか千年前の作品も現存しているじゃない?
当時の職人さんはどんな気持ちでこれを彫ったのかしらって想像しながら眺めると、自分までその時代まで遡っているみたいな気持ちになって……」
ぼくの返事を求めてない、でも確かにここで聞いていて欲しいとは思っているであろう、ティッサのなが~い語り。きらきらした目でひとりで、一方的に好きなことについて喋り続けるティッサを見ているのはぼくも好きなんだけど。ティッサ自身は自分だけで語っていたことに気付くと、「またやってしまった……オタク特有の早口」って落ち込んじゃうんだよね。
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