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天女と龍
男同士の相談
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「約束もしてないのに急に訪ねてきて、オレがいなかったらどうする気だったんだよ」
「しおちゃんから聞いてたもん。
今日はしおちゃんが芭苗の応援に行って、はっちはおばあちゃんと一緒に留守番だって」
「みー君は応援行かないんだ」
「最近は芭苗に来るなって言われてさぁ」
「ああ。彼女いるんだっけ、今」
美人だけど心は少年っぽいと思っていた芭苗も、思春期となればちゃんと少女らしい気遣いもするんだな。
失礼ながら葉織はそんな風に考えていた。
幼馴染の女の子の応援なんて、未知夫の彼女が知ったら気分を害するかもしれないから、ってことか。
立ちっぱなしで話し続けるのもなんだし、葉織はテーブルの対面に空いている椅子を未知夫にすすめる。
「それで、今日は何の用?」
「はっちって、人の心を人形に変えて覗き見れるんだよな。
今の俺の心、見てみてくんない?」
「前にも言っただろ?
そういうやり方はお断りって」
中学一年生のいつ頃だったか、成り行きで芭苗と未知夫には彼の不思議な能力について打ち明けた。
ハナちゃんとみー君ならきっと信じてくれるよ!
と、羽香奈が主張したのもあって。
「そうなんだ。
はっちだけならともかく、しおちゃんが言うなら信じよっかな」
「俺もー」
もっと小さな頃に葉織が同じ話をした時はろくに信じてくれなかったのに。
その時ばかりは日頃、温厚な葉織もへそを曲げたものだった。
「オレだけだったら信じないってどういうことだよ……」
「別に悪い意味じゃなくて。
本人ひとりだけで言ってるのとふたりで言ってるのとじゃ違うじゃん?」
「違うかなぁ……」
「前に聞いた時は俺達だって今より若かったしさぁ、許してよ~」
若かった、って表現はなんか違和感だが、許してやることにした。
「じゃあいいや、そっちは諦める。
今の俺の、はっちに見えてる色って、悩み深そうな色してる?」
テーブルに肘をついてちょっと不満そうな顔で、頼んでくる。
それが頼む態度かと思うが、それくらいなら相手してやってもいいかなと葉織も妥協する。
「別に……ちょこ~っとだけ濁ってるかなって思わなくもないけど。
色が変わってるってほどじゃないよ」
「悩みが深いと真っ黒になるんだっけ」
「そう。
みー君の色って明るめの黄緑って感じなんだけど、今はいつもよりちょっと、深みがあるかなって。
それくらいの変化だよ」
「ふ~ん……
深層心理に表れちゃうほどには悩んでないってことなのかねー。
今の俺って」
「何か、悩んでる?」
わざわざ弁天橋を歩き通し高低差のあってしんどい江ノ島島内を踏破し、中学生の小遣いでお土産代まで自腹でやってくる。
よっぽど悩んでなければそんなことしないだろう。
心の色だけ見れば問題なさそうでも、行動が普段と比べると異常過ぎて葉織も心配になる。
「しおちゃんから聞いてたもん。
今日はしおちゃんが芭苗の応援に行って、はっちはおばあちゃんと一緒に留守番だって」
「みー君は応援行かないんだ」
「最近は芭苗に来るなって言われてさぁ」
「ああ。彼女いるんだっけ、今」
美人だけど心は少年っぽいと思っていた芭苗も、思春期となればちゃんと少女らしい気遣いもするんだな。
失礼ながら葉織はそんな風に考えていた。
幼馴染の女の子の応援なんて、未知夫の彼女が知ったら気分を害するかもしれないから、ってことか。
立ちっぱなしで話し続けるのもなんだし、葉織はテーブルの対面に空いている椅子を未知夫にすすめる。
「それで、今日は何の用?」
「はっちって、人の心を人形に変えて覗き見れるんだよな。
今の俺の心、見てみてくんない?」
「前にも言っただろ?
そういうやり方はお断りって」
中学一年生のいつ頃だったか、成り行きで芭苗と未知夫には彼の不思議な能力について打ち明けた。
ハナちゃんとみー君ならきっと信じてくれるよ!
と、羽香奈が主張したのもあって。
「そうなんだ。
はっちだけならともかく、しおちゃんが言うなら信じよっかな」
「俺もー」
もっと小さな頃に葉織が同じ話をした時はろくに信じてくれなかったのに。
その時ばかりは日頃、温厚な葉織もへそを曲げたものだった。
「オレだけだったら信じないってどういうことだよ……」
「別に悪い意味じゃなくて。
本人ひとりだけで言ってるのとふたりで言ってるのとじゃ違うじゃん?」
「違うかなぁ……」
「前に聞いた時は俺達だって今より若かったしさぁ、許してよ~」
若かった、って表現はなんか違和感だが、許してやることにした。
「じゃあいいや、そっちは諦める。
今の俺の、はっちに見えてる色って、悩み深そうな色してる?」
テーブルに肘をついてちょっと不満そうな顔で、頼んでくる。
それが頼む態度かと思うが、それくらいなら相手してやってもいいかなと葉織も妥協する。
「別に……ちょこ~っとだけ濁ってるかなって思わなくもないけど。
色が変わってるってほどじゃないよ」
「悩みが深いと真っ黒になるんだっけ」
「そう。
みー君の色って明るめの黄緑って感じなんだけど、今はいつもよりちょっと、深みがあるかなって。
それくらいの変化だよ」
「ふ~ん……
深層心理に表れちゃうほどには悩んでないってことなのかねー。
今の俺って」
「何か、悩んでる?」
わざわざ弁天橋を歩き通し高低差のあってしんどい江ノ島島内を踏破し、中学生の小遣いでお土産代まで自腹でやってくる。
よっぽど悩んでなければそんなことしないだろう。
心の色だけ見れば問題なさそうでも、行動が普段と比べると異常過ぎて葉織も心配になる。
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