66 / 121
第13章
ルカラ、語る2
しおりを挟む
ルカラの年齢は十二歳となり、当ての無い生活を始めてから、もうすぐ五年が経とうとしている時期であった。
この頃になると、誰にも仕えず、誰かに仕えたフリだけして更衣室荒らしを繰り返し、金を貯めこむ事を覚えていた。
金が貯まると、それだけで気持ちに余裕が出来た。
向こう数日の食べ物を心配しないで済むようになると、もっと余裕が欲しくなる。
ルカラにとって金とは、食べ物と交換出来るものである以上に、未来の食べ物を保証してくれるという「安心の象徴」であった。
暴力を受けず、腹も満たされ、自分を痛めつける連中から小金を盗んでは、隠れ家で安心して眠る日々。
ルカラにとってこの時が、彩芽と出会うまででは、最も幸せで満たされた時間であった。
だが、大きな町とは言え、そんな事を繰り返せば、いずれ限界が来る。
自分の事を理不尽に傷つけない、少しでもマシな主人を探して渡り歩いて、傷だらけになって諦めた時。
その時には、全てが遅かった。
一人の主人の所から逃げ出すたびに、逃亡奴隷の手配書はルカラの偽名と共に壁に増えていた。
壁一面に張られた大量の逃亡奴隷の手配書の、半分近くがルカラを手配した物となっていたのだ。
ルカラは、並べて貼られたそれらを見て、誰も同じ奴隷を追っている事に気付かない事に気付いた。
どの手配書にも、奴隷の特徴や人相書きがあるのだが、特徴には身体に傷がある事が書かかれていた。
その中で強調されている傷が、ルカラがあまりにも傷だらけだった為だろう。
手配書を出した主人によってつけられた、主人にとって印象に残っている思い出の傷が、それぞれに強調して記されており、手配書を並べても一見すると、似ているが別の奴隷に思えて来るのだ。
まるで、どの主人もルカラの事を自分の持ち物だと、マーキングする為に傷つけていたかのようであった。
しかし、ここまで仕えた主人の数が増えると、フィデーリスと言う町自体に居づらくなってくる。
追い打ちの様に、連続窃盗犯として手配書が、面が割れていないとは言え、壁に貼り出されると、被害に遭った公衆浴場では見張りが増え、泥棒がどんどんし辛くなっていく。
墓泥棒の時の二の舞では、ルカラには、もう後がなかった。
こうして入った事の無い公衆浴場の数も少なくなってくると、ルカラは一つの決意をした。
それはフィデーリスの、脱出計画であった。
偽の身分証を手に入れて門を超え、外の世界で人生をやり直そうと思ったのだ。
しかし、偽造文書は金がかかる。
ようやく見つけた裏市場のブローカーは、小汚い逃亡奴隷とみて相場など知らないだろうと、微妙に高い額をふっかけて来る。
その額、逃亡の幇助とセットで一万フォルト(百万円)。
当然、おいそれとルカラに払える額ではない。
どうやって門を超えればよいのかルカラは門を見ながら考えた。
どの門が一番警備が手薄か、見張りの交代タイミングはいつか、買収出来そうな見張りはいないか。
そうやって門を調べていた時、彩芽とストラディゴスが馬車で門を入ってくるのを偶然目撃した。
少し年上だが、若い女の旅人がフィデーリスに来る事は、かなり珍しい。
ルカラは、彩芽達が門を通る時に彩芽の身分証を、連れのストラディゴスが持っているのを見逃さなかった。
身分証を盗んで、成りすませば旅人として出られるかもしれないと考えたのだ。
町の人間の身分証では、万一にも顔見知りである可能性があるが、その点旅人なら問題ない。
二人は、まっすぐブルローネという高級娼館に入って行く。
その後をつけ、二人の入った部屋を確認すると、身分証を盗む機会をうかがった。
二人が外出すると、部屋への侵入を試みる。
高級娼館の中は人が大勢いるが、客層が良い為に奴隷連れが多く、楽に潜入できた。
部屋の鍵は、墓場の棺に泥棒防止の鍵が付けられた時に覚えたピッキングスキルが通用して、更衣室の棚の鍵より少し難しいぐらいの感覚で問題無く開ける事が出来た。
しかし、二人の部屋を物色しても、肝心の身分証は見当たらなかった。
代わりに、六千五百フォルト(六十五万円)の入った財布を見つけてしまう。
ルカラは、もちろん財布を盗みたかった。
だが、財布の中身は、全てがフォルト銀貨である。
フォルト銀貨一枚で五十フォルト(五千円)なので、その数は百三十枚もある。
ここまで多いと重さは銀貨一枚が三十グラム強程度でも、四キロぐらいになっている。
四キロの銀の塊だ。
しかも、それが、袋に入ってかさばる上に、ジャラジャラと煩い金属音を無遠慮に立てるのだ。
ルカラの猟場は、墓場や更衣室と言った人目のない所が専門である。
慣れない空き巣に入って、それを持ちだすのはリスクが大きすぎた。
ルカラがいつも公衆浴場の更衣室から持ち去る物には、ルールがある。
ルカラなりのリスクを減らす為の、盗みのセオリーである。
最優先は、裏市場で換金が容易な宝石の無い指輪や耳・首飾りか、フォルト金貨と言った小さくて高額の物。
いざとなれば口等の身体の内側に容易に隠せ、粘膜を傷つけない形状とサイズの物は盗品としては完璧であった。
次に狙うのが、持っていても怪しまれないフォルト銀貨。
フォルト銀貨の数は、どんなに多くても合計で二十枚以下。
財布に入れるのは出来れば十枚(五万円)以下と決めていた。
それ以上は、音とボリュームで怪しまれる可能性が高くなり、万が一身体を調べられた時に高額であればある程、切り抜ける言い訳が苦しくなる。
逆に、墓場では世話になった銅貨は価値が低い上にかさばるので、場合によっては更衣室に置いて来る事もあった。
その時は結局、彩芽とストラディゴスの財布から、銀貨を四枚だけ抜いた。
左右両頬に銀貨を隠し含み、両手は可能な限り開けておく。
ルカラは部屋を元通りに戻すと、部屋を出ようとする。
すると部屋の窓から、外出から戻ってきた二人が公衆浴場に入って行くのが見えた。
チャンスだと思いルカラは、部屋の鍵をピッキングで静かにかけなおすと、公衆浴場へと急いだ。
二人に追いつくとすぐに、二人には気付かれない様に、後をつけた。
すれ違いで出て来た姫達には、二人の奴隷であるかのようにふるまって更衣室に入って行く。
フィデーリスでは奴隷は物なので、どの公衆浴場でも金は取られない。
二人に隠れる様に、大浴場からは見えない位置の棚のカギを開け、奴隷のフリをして物色し、コインや指輪を手早く手に入れる。
指輪に宝石がついていても、この町で最後の泥棒だと考え、持ち主の財布も拝借して指輪を財布に入れて懐へ。
二人が大浴場に行くと、周囲を気にしながら二人の使っている棚の鍵を開けた。
巨人の体臭が染み付いた、中々に男臭い香ばしい臭いに襲われるが、ルカラは臭いに我慢しながら、身分証を探すと、巨人の服の間に財布と一緒に隠す様に挟まれていた手紙の束をついに発見し、服の下、腰帯に挟んで持ち出す事に成功した。
それから、めぼしい棚をいくつか荒らし、誰にも怪しまれる事なく公衆浴場を後にしたのだった。
大事そうにまとめられた手紙の束。
ルカラは、隠れ家に戻ると戦利品を検める。
彩芽の身分証を手に入れ、ルカラは彩芽として門をくぐれば、ついに大嫌いなこの町を出られると有頂天となった。
しかし、一緒にまとめられている書簡にはルカラでも知っているほどに有名な、オルデン公爵の名前が書かれていた。
読んでみると、この彩芽と言う人物は、オルデン公爵の友人とあった。
さらに、高級娼館ブルローネ総支配人の手紙まで一緒にある。
このなりすましは危険にしか思えなくなっていた。
有名な偉い人の友人に成りすますのは、どう考えても危ない。
ルカラが知らないだけで、彩芽がオルデン公爵の友人として有名であった場合、すぐに嘘がばれてしまう。
どうにかフィデーリスから出たいルカラは、そこで別の手を考えた。
彩芽を主人に仕立てて町を出れば、彩芽が門をくぐってフィデーリスに入ってきたように、ノーチェックで町を出られるかもしれない。
フィデーリスさえ出てしまえば、あとは自由である。
これは利用できるかもしれないと思い、別の町に連れて行ってくれるまでの仮宿ならぬ仮主人として使おうと、得意の嘘をでっちがげ、何食わぬ顔で彩芽の部屋を訪ねた。
こうして彩芽とルカラは出会ったのであった。
* * *
道理で、奴隷から解放すると言っても拒否する訳だと、彩芽は納得した。
こんな町で彩芽一人に解放すると言われても、そんな状況のルカラは、どうする事も出来ない。
ルカラは、とんだ食わせ物どころでは無かった。
二人の盗賊は、ルカラの苦難の人生を自分達に重ねて聞いていたのか、なぜか少し泣いている。
「それからどうする気だったんだ?」
呆れも通り越して恐れ入ったと言う風なストラディゴスに聞かれ、ルカラは初めて誰かに本当の事を全て話せたからか、スッキリした顔で素直に答えた。
「タイミングを見て、手紙が見つかったと嘘を言って返すつもりでした。それから、そのまま町の外まで一緒に出ようと思ってました」
「それで、お前は、それからどうする気だったんだ?」
「最初は、大きな町についたら、何でも良いから、やり直そうと……」
「俺達の金も盗んで、姿を消す気だったのか?」
「いえ、あの………………はい……そうです」
「はぁ…………今は、どうなんだ?」
「もう……わからなくなっちゃいました」
ルカラは、最後だと思ったのか、砕けた口調になり、強がる様に笑って見せた。
この頃になると、誰にも仕えず、誰かに仕えたフリだけして更衣室荒らしを繰り返し、金を貯めこむ事を覚えていた。
金が貯まると、それだけで気持ちに余裕が出来た。
向こう数日の食べ物を心配しないで済むようになると、もっと余裕が欲しくなる。
ルカラにとって金とは、食べ物と交換出来るものである以上に、未来の食べ物を保証してくれるという「安心の象徴」であった。
暴力を受けず、腹も満たされ、自分を痛めつける連中から小金を盗んでは、隠れ家で安心して眠る日々。
ルカラにとってこの時が、彩芽と出会うまででは、最も幸せで満たされた時間であった。
だが、大きな町とは言え、そんな事を繰り返せば、いずれ限界が来る。
自分の事を理不尽に傷つけない、少しでもマシな主人を探して渡り歩いて、傷だらけになって諦めた時。
その時には、全てが遅かった。
一人の主人の所から逃げ出すたびに、逃亡奴隷の手配書はルカラの偽名と共に壁に増えていた。
壁一面に張られた大量の逃亡奴隷の手配書の、半分近くがルカラを手配した物となっていたのだ。
ルカラは、並べて貼られたそれらを見て、誰も同じ奴隷を追っている事に気付かない事に気付いた。
どの手配書にも、奴隷の特徴や人相書きがあるのだが、特徴には身体に傷がある事が書かかれていた。
その中で強調されている傷が、ルカラがあまりにも傷だらけだった為だろう。
手配書を出した主人によってつけられた、主人にとって印象に残っている思い出の傷が、それぞれに強調して記されており、手配書を並べても一見すると、似ているが別の奴隷に思えて来るのだ。
まるで、どの主人もルカラの事を自分の持ち物だと、マーキングする為に傷つけていたかのようであった。
しかし、ここまで仕えた主人の数が増えると、フィデーリスと言う町自体に居づらくなってくる。
追い打ちの様に、連続窃盗犯として手配書が、面が割れていないとは言え、壁に貼り出されると、被害に遭った公衆浴場では見張りが増え、泥棒がどんどんし辛くなっていく。
墓泥棒の時の二の舞では、ルカラには、もう後がなかった。
こうして入った事の無い公衆浴場の数も少なくなってくると、ルカラは一つの決意をした。
それはフィデーリスの、脱出計画であった。
偽の身分証を手に入れて門を超え、外の世界で人生をやり直そうと思ったのだ。
しかし、偽造文書は金がかかる。
ようやく見つけた裏市場のブローカーは、小汚い逃亡奴隷とみて相場など知らないだろうと、微妙に高い額をふっかけて来る。
その額、逃亡の幇助とセットで一万フォルト(百万円)。
当然、おいそれとルカラに払える額ではない。
どうやって門を超えればよいのかルカラは門を見ながら考えた。
どの門が一番警備が手薄か、見張りの交代タイミングはいつか、買収出来そうな見張りはいないか。
そうやって門を調べていた時、彩芽とストラディゴスが馬車で門を入ってくるのを偶然目撃した。
少し年上だが、若い女の旅人がフィデーリスに来る事は、かなり珍しい。
ルカラは、彩芽達が門を通る時に彩芽の身分証を、連れのストラディゴスが持っているのを見逃さなかった。
身分証を盗んで、成りすませば旅人として出られるかもしれないと考えたのだ。
町の人間の身分証では、万一にも顔見知りである可能性があるが、その点旅人なら問題ない。
二人は、まっすぐブルローネという高級娼館に入って行く。
その後をつけ、二人の入った部屋を確認すると、身分証を盗む機会をうかがった。
二人が外出すると、部屋への侵入を試みる。
高級娼館の中は人が大勢いるが、客層が良い為に奴隷連れが多く、楽に潜入できた。
部屋の鍵は、墓場の棺に泥棒防止の鍵が付けられた時に覚えたピッキングスキルが通用して、更衣室の棚の鍵より少し難しいぐらいの感覚で問題無く開ける事が出来た。
しかし、二人の部屋を物色しても、肝心の身分証は見当たらなかった。
代わりに、六千五百フォルト(六十五万円)の入った財布を見つけてしまう。
ルカラは、もちろん財布を盗みたかった。
だが、財布の中身は、全てがフォルト銀貨である。
フォルト銀貨一枚で五十フォルト(五千円)なので、その数は百三十枚もある。
ここまで多いと重さは銀貨一枚が三十グラム強程度でも、四キロぐらいになっている。
四キロの銀の塊だ。
しかも、それが、袋に入ってかさばる上に、ジャラジャラと煩い金属音を無遠慮に立てるのだ。
ルカラの猟場は、墓場や更衣室と言った人目のない所が専門である。
慣れない空き巣に入って、それを持ちだすのはリスクが大きすぎた。
ルカラがいつも公衆浴場の更衣室から持ち去る物には、ルールがある。
ルカラなりのリスクを減らす為の、盗みのセオリーである。
最優先は、裏市場で換金が容易な宝石の無い指輪や耳・首飾りか、フォルト金貨と言った小さくて高額の物。
いざとなれば口等の身体の内側に容易に隠せ、粘膜を傷つけない形状とサイズの物は盗品としては完璧であった。
次に狙うのが、持っていても怪しまれないフォルト銀貨。
フォルト銀貨の数は、どんなに多くても合計で二十枚以下。
財布に入れるのは出来れば十枚(五万円)以下と決めていた。
それ以上は、音とボリュームで怪しまれる可能性が高くなり、万が一身体を調べられた時に高額であればある程、切り抜ける言い訳が苦しくなる。
逆に、墓場では世話になった銅貨は価値が低い上にかさばるので、場合によっては更衣室に置いて来る事もあった。
その時は結局、彩芽とストラディゴスの財布から、銀貨を四枚だけ抜いた。
左右両頬に銀貨を隠し含み、両手は可能な限り開けておく。
ルカラは部屋を元通りに戻すと、部屋を出ようとする。
すると部屋の窓から、外出から戻ってきた二人が公衆浴場に入って行くのが見えた。
チャンスだと思いルカラは、部屋の鍵をピッキングで静かにかけなおすと、公衆浴場へと急いだ。
二人に追いつくとすぐに、二人には気付かれない様に、後をつけた。
すれ違いで出て来た姫達には、二人の奴隷であるかのようにふるまって更衣室に入って行く。
フィデーリスでは奴隷は物なので、どの公衆浴場でも金は取られない。
二人に隠れる様に、大浴場からは見えない位置の棚のカギを開け、奴隷のフリをして物色し、コインや指輪を手早く手に入れる。
指輪に宝石がついていても、この町で最後の泥棒だと考え、持ち主の財布も拝借して指輪を財布に入れて懐へ。
二人が大浴場に行くと、周囲を気にしながら二人の使っている棚の鍵を開けた。
巨人の体臭が染み付いた、中々に男臭い香ばしい臭いに襲われるが、ルカラは臭いに我慢しながら、身分証を探すと、巨人の服の間に財布と一緒に隠す様に挟まれていた手紙の束をついに発見し、服の下、腰帯に挟んで持ち出す事に成功した。
それから、めぼしい棚をいくつか荒らし、誰にも怪しまれる事なく公衆浴場を後にしたのだった。
大事そうにまとめられた手紙の束。
ルカラは、隠れ家に戻ると戦利品を検める。
彩芽の身分証を手に入れ、ルカラは彩芽として門をくぐれば、ついに大嫌いなこの町を出られると有頂天となった。
しかし、一緒にまとめられている書簡にはルカラでも知っているほどに有名な、オルデン公爵の名前が書かれていた。
読んでみると、この彩芽と言う人物は、オルデン公爵の友人とあった。
さらに、高級娼館ブルローネ総支配人の手紙まで一緒にある。
このなりすましは危険にしか思えなくなっていた。
有名な偉い人の友人に成りすますのは、どう考えても危ない。
ルカラが知らないだけで、彩芽がオルデン公爵の友人として有名であった場合、すぐに嘘がばれてしまう。
どうにかフィデーリスから出たいルカラは、そこで別の手を考えた。
彩芽を主人に仕立てて町を出れば、彩芽が門をくぐってフィデーリスに入ってきたように、ノーチェックで町を出られるかもしれない。
フィデーリスさえ出てしまえば、あとは自由である。
これは利用できるかもしれないと思い、別の町に連れて行ってくれるまでの仮宿ならぬ仮主人として使おうと、得意の嘘をでっちがげ、何食わぬ顔で彩芽の部屋を訪ねた。
こうして彩芽とルカラは出会ったのであった。
* * *
道理で、奴隷から解放すると言っても拒否する訳だと、彩芽は納得した。
こんな町で彩芽一人に解放すると言われても、そんな状況のルカラは、どうする事も出来ない。
ルカラは、とんだ食わせ物どころでは無かった。
二人の盗賊は、ルカラの苦難の人生を自分達に重ねて聞いていたのか、なぜか少し泣いている。
「それからどうする気だったんだ?」
呆れも通り越して恐れ入ったと言う風なストラディゴスに聞かれ、ルカラは初めて誰かに本当の事を全て話せたからか、スッキリした顔で素直に答えた。
「タイミングを見て、手紙が見つかったと嘘を言って返すつもりでした。それから、そのまま町の外まで一緒に出ようと思ってました」
「それで、お前は、それからどうする気だったんだ?」
「最初は、大きな町についたら、何でも良いから、やり直そうと……」
「俺達の金も盗んで、姿を消す気だったのか?」
「いえ、あの………………はい……そうです」
「はぁ…………今は、どうなんだ?」
「もう……わからなくなっちゃいました」
ルカラは、最後だと思ったのか、砕けた口調になり、強がる様に笑って見せた。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
聖女なんかじゃありません!~異世界で介護始めたらなぜか伯爵様に愛でられてます~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
川で溺れていた猫を助けようとして飛び込屋敷に連れていかれる。それから私は、魔物と戦い手足を失った寝たきりの伯爵様の世話人になることに。気難しい伯爵様に手を焼きつつもQOLを上げるために努力する私。
そんな私に伯爵様の主治医がプロポーズしてきたりと、突然のモテ期が到来?
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
異世界で大往生した私、現代日本に帰還して中学生からやり直す。~最強の補助魔法で、冴えないおっさんと最強美女を操って大金持ちになります~
タカノ
ファンタジー
異世界へ転移し、聖女として崇められ、愛する家族に囲まれて88歳で大往生した……はずだった。 目が覚めると、そこは現代日本。 孤児の中学2年生、小金沢ヒナ(14)に戻っていた。
時間は1秒も進んでおらず、待っていたのは明日のご飯にも困る極貧生活。 けれど、ヒナの中身は酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃん(88歳)のまま!
「もう一度、あの豊かで安らかな老後(スローライフ)を手に入れてみせる!」
ヒナは決意する。異世界で極めた国宝級の【補助魔法】と【回復魔法】をフル活用して、現代社会で大金を稼ぐことを。 ただし、魔法は自分自身には使えないし、中学生が目立つと色々面倒くさい。 そこでヒナがビジネスパートナー(手駒)に選んだのは――
公園で絶望していた「リストラされた冴えないおっさん」と、 借金取りに追われる「ワケあり最強美女」!?
おっさんを裏から魔法で強化して『カリスマ社長』に仕立て上げ、 美女をフルバフで『人間兵器』に変えてトラブルを物理的に粉砕。 表向きはニコニコ笑う美少女中学生、裏では彼らを操るフィクサー。
「さあ善さん、リオちゃん。稼ぎますよ。すべては私の平穏な老後のために!」
精神年齢おばあちゃんの少女が、金と魔法と年の功で無双する、痛快マネー・コメディ開幕!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる