41 / 60
君と駆ける夏
第41話 隠しダンジョン
しおりを挟む
エルゼとゼノは宿「あめあがり」でいつものように目玉焼きとサラダとスープを食べ自室で身支度をしていた。これが最近のルーティーンとなっていた。二人はギルドへと足を運んだ。ギルドの前に着くと既に「星の庭園」メンバーが来ていた。
「ゼノさん、エル・・・エルくんもおはよう!」
「おはよう。早いな。」
「おはよう・・・ございます・・・」
挨拶を済ませた七人はギルドの中へ入っていった。ルークが扉を開けると朝から酒をあおっていた冒険者、今日の作戦会議を開いていたパーティー、クエストを探していた彼らが一斉に注目した。ルークとゼノはその視線に慣れきっておらずお互いの仲間と同伴者の陰に隠れてしまった。
「『渡り』と『星の庭園』が同盟でも組んだのか?」
「『渡り』は『銀の天秤』と同盟組んで『法の女王』を倒したらしいよ。」
「あいつら最難関ダンジョンでも攻略するのかな。」
事実と噂が飛び交いルークとゼノはどこか恥ずかしい気持ちで受付カウンターに寄りダンジョン攻略の手続きをしたのだ。
「あんたたちもすっかり有名人だね~」
エリーシャがゼノ達をからかう。ゼノは彼女をあしらいながら書類にサインをしていく。七人は人目を気にしてギルドを出て馬車を待った。
「あの、ギルドで作戦会議とか立てなくてよかったの?」
「う~んそうだなあ、今回行くのはあるかもわからない隠しダンジョンだしあそこのダンジョンの地図あるから慎重に進んでいれば大丈夫だと思うよ。もしイレギュラーな事態が起きても俺とゼノさんがいるから対処できると思うよ。」
「ルーク!そこは私たちもでしょ!」
そんなやり取りを聞いているとゼノとエルゼは冷めた目で馬車呼びの鈴を使って馬車を呼んだ。しばらくして北西部行きの馬車がやってきて七人は急いで馬車に乗り込んでいった。
馬車に揺られている間エルゼはカバンを開けて転送石と魔力を一時的に補給する青い色をしたポーションの数を確認していた。
「中身の確認かよい心がけだぞ。」
ゼノが褒めるとエルゼはささやかな反抗心でそっぽを向いたのにサラが褒めるとなぜか嬉しそうにお礼を言った。
馬車を走らせてから三十分過ぎた時馬車はダンジョン近くに止まった。
降りた七人は洞窟の形をしたダンジョンの前に立った。エルゼとゼノを先頭にしてダンジョンへと足を踏み入れた。
ダンジョンの中はひんやりとしていて日が昇っている時間帯なのにも関わらず中が薄暗い。通路には生き物の気配と行ったらスライム数体がいるだけだ。ここは数多の冒険者たちが通った後なのでゴブリンやオークなどが長い時間をかけて駆逐されたのでここの生態系はスライムと弱いコボルトぐらいしかいなかった。
「ねえここってあんまり魔物いないからそろそろ廃ダンジョンにするってギルドが決めてませんでした~?」
「廃ダンジョン化はダンジョン内の資源が尽きた時に決められるものだからまだ魔鉱石が採れるうちはギルドが保有しておきたいだろうね。」
ダンジョン内の資源が尽きた時ギルドはそのダンジョンを廃ダンジョン化を宣言する。その時ダンジョンの土地の権利はギルドからその土地の領主に明け渡される。資源をギルドが事実独占しているのだ。その代わり領主はギルドの構成員に対し様々な事に動員する権利がある。
大した魔物がいない中、中盤まで進んでいくとやっと痩せたオークが姿を現したが鍛えたエルゼとルイで難なく倒してしまったのだ。
「ほんとにここに隠しダンジョンでもあるの?」
「このあたりだよ。そこの壁に行くよ。」
エルゼがただの土壁に魔力を流し込むと壁に植物の文様の入った光の門が浮かび上がってきた。
「なんでなんでここ魔力探知でも何もなかったのに!」
エナがつい叫んでしまった。エルゼは冷静に門に魔力を注ぎ込む。
「これは俺の部下が偶然発見したものだ。そいつは魔人でな、スキルを経由しないと魔力を発動できない人間には見つけられない門なんだ。」
「スキル経由で魔力を出すことができるのはエルフと魔人だけっすよね。」
エルゼは青ポーションを一瓶飲むと光の門をゆっくりと開いた。ゼノは念のため門の傍に子供のこぶし大の転送石を埋め込んでおいた。
「ここからだ警戒するなよ。」
「ここからは俺のシマだ。ヘマはしねえよ。」
ゼノとエルゼが先頭に門をくぐった。中は入口こそは小さい魔鉱石だったが中を進むにつれ生えている魔鉱石の大きさが段々大きくなっていく。大きいものは子供の背丈ほどだった。
「すごいっす・・・圧巻っす・・・」
「大きいのあれば一生遊んで暮らせるお金が手に入りますわ・・・」
「ダンジョンにこんな幻想的で美しい場所があったなんて・・・」
庭園メンバーが感嘆の声を上げる中エルゼはいつになく真剣な表情をしていた。
「ここはお前のシマだというのに何をそんなに警戒しているんだ?」
「俺たちが採掘していたのは入口付近だけなんだ。そこから先は皆が恐れて先へ進んでいなんだ。」
その言葉を聞いて浮かれ気味だったパーティーに緊張感が走る。それでもエルゼとゼノは進み続けた。進み続けるにつれ魔鉱石が段々と人の手が入ったような形をしてきてついには大人数人が並んで入れるほどの魔鉱石の門にたどり着いた。
「ここまで来て魔物と遭遇しないのはおかしい。罠の気配もない。組織の利益を捨ててまで撤退を選んだんだ何かある用心しろ。」
魔鉱石の門をくぐるとそこには光り輝く魔鉱石の玉座とおもわしき領域に踏み込んでいた。そこの魔鉱石も一般で流通している魔鉱石よりはるかに純度が高い市場だったら小さい石だけでも都市に家を建てることができるほどだ。
七人が領域に足を踏み込んだその瞬間だった。皆が綺麗な魔鉱石に囚われている瞬間を狙われたのか斬撃が皆を襲ったのだ。
無事だったのは即座に対応できたゼノとルイが突き飛ばして斬撃の餌食とならなかったルークとサラに庇われたエルゼだった。
空の玉座の前に現れたのは白い魔鉱石のような結晶で出来た鎧に覆われている騎士らしき異物がそこにいた。それは気配も殺意もなく結晶の剣を持ってエルゼに襲い掛かろうとしたがゼノがその斬撃を防いだのだ。
「ルーク!けが人に回復魔法をかけろ!こいつは俺が何とかする!」
「しています!治療が終わったら俺も参戦します!」
騎士らしき存在は剣を高く上げ光り出した。その刹那周りにある魔鉱石からレーザーが飛び治療中のルークの右わき腹を貫いた。
「動ける奴はエルゼを連れて転送石で逃げろ。入り口付近に石を置いといた!」
スキルでわき腹を直しながらルークはエルゼを連れて転送を開始した。
「治療が終わったら必ずそちらに向かいますから時間稼ぎお願いします!」
そう言い残しルークたちは消えていった。残されたのは結晶の怪物とゼノ一人だった。怪物が剣を使いゼノに攻め立てる。ゼノも応戦していく。そこからは金属の音と結晶というべきがほぼ鋼と同じ硬度の石の剣の鈍い音を響かせながら刃を交わしていく中でゼノは相手の強さに久々の興奮を覚えたのだ。
「ははははははは!この俺と戦ってすぐにくたばらねえ奴は久しぶりだ!壊れねえ人形遊びもなかなかいい趣味だ。自己紹介に加えたいほどだぜ!」
目を見開き戦いの楽しさを見出したゼノは闇を刀に纏わせる。それに対して怪物は剣にエネルギーを纏わせながら周囲の魔鉱石からレーザーを放出しゼノに斬りかかったがゼノはレーザーの網を器用に抜けた。ゼノも体に闇を結晶化して纏わせ怪物の首を狙った。お互い剣の達人同士決まるのは一瞬だった。ゼノが彼の首半分を斬り関節を突きで破壊して行動不能にした。ゼノは外からルークたちの気配を察知したがゼノはそんなのをお構いなしに怪物に手をかけた。ゼノの手から闇が流し込まれ身体がけいれんを始めた。
「苦しいだろう。身体と脳みそを魔人に近い形に入れ替えて洗脳しているんだよ。これからだんだん気持ちよくなっていくから頑張ろうな。」
闇を流し込まれ今まであった記憶が消され新たに思考と思想を植え付けられた怪物は騎士のような佇まいになり自らの身を守るために黒い小さな結晶になった。
「遅くなりました!ゼノさ・・・あれ?」
「悪い終わらせた。敵は斬って消滅した。エルゼは無事だったか?」
ルークの後ろからエルゼが緊張しながらゼノを覗いてきた。
「みんな無事だったし帰るか!」
その後ギルドには隠しダンジョンのことを報告し大量の魔鉱石がギルドの元へ入ることとなった。輝かしい戦果に他の冒険者たちはゼノ達を称えて酒場で大規模な宴会が始まりゼノとエルゼはそこに強制的に組み込まれることとなった。エルゼはそのクエストでの活躍により銀級にあげられることとなった。
宴が終わり宿の自室に着いたゼノは寝間着に着替えているエルゼにある物を渡した。
それは黒い正八面体の結晶であった。
「これってあの怪物が落としたやつでしょ?ギルドに報告しなくていいの?」
「ちょっとこれに魔力を流してみろ。いいから。」
言われるがまま魔力を流すと結晶は白く光り出しあのダンジョンでみた騎士のような怪物が現れた。エルゼは慌てて室内でも関わらず弓を構えた。
「そう焦るな。こいつの意識と思想を俺の闇で壊した人形のようなものだ。こいつに触れて分かったことだがまだ仮説レベルだけどなこいつは結晶を糧に生命活動できる未知の生命体らしい。こいつにお前の転送石を与えれば強い側近ができるぞ。
ただし俺がいるうちは使うのは禁止とする。」
一人用の部屋に大の大人二人と少年部屋が狭かった。でもエルゼは自分にまた忠誠心が高くて強い部下ができると知って持っている手に収まるぐらいの転送石を騎士の口にねじ込んだ。騎士は取りこんだ石に違和感を感じて悶えたが新たな王とみなしたのか狭い室内で騎士は片膝をついて忠誠の意を示したのだ。その姿勢を見たエルゼは久々にかつての「白黒の狂剣」ボスの顔をして騎士を結晶に収めさせた。
「ゼノ感謝しているぞ。こんな貢物を持ってこさせるだなんて俺は心の底からうれしいぞ。」
二人の凶行を見ていたのは月だけだった。月明かりに照らされ、二人は寝酒のワインを口に含んだ後安らかにベッドの上で穏やかに眠りについたのであった。
「ゼノさん、エル・・・エルくんもおはよう!」
「おはよう。早いな。」
「おはよう・・・ございます・・・」
挨拶を済ませた七人はギルドの中へ入っていった。ルークが扉を開けると朝から酒をあおっていた冒険者、今日の作戦会議を開いていたパーティー、クエストを探していた彼らが一斉に注目した。ルークとゼノはその視線に慣れきっておらずお互いの仲間と同伴者の陰に隠れてしまった。
「『渡り』と『星の庭園』が同盟でも組んだのか?」
「『渡り』は『銀の天秤』と同盟組んで『法の女王』を倒したらしいよ。」
「あいつら最難関ダンジョンでも攻略するのかな。」
事実と噂が飛び交いルークとゼノはどこか恥ずかしい気持ちで受付カウンターに寄りダンジョン攻略の手続きをしたのだ。
「あんたたちもすっかり有名人だね~」
エリーシャがゼノ達をからかう。ゼノは彼女をあしらいながら書類にサインをしていく。七人は人目を気にしてギルドを出て馬車を待った。
「あの、ギルドで作戦会議とか立てなくてよかったの?」
「う~んそうだなあ、今回行くのはあるかもわからない隠しダンジョンだしあそこのダンジョンの地図あるから慎重に進んでいれば大丈夫だと思うよ。もしイレギュラーな事態が起きても俺とゼノさんがいるから対処できると思うよ。」
「ルーク!そこは私たちもでしょ!」
そんなやり取りを聞いているとゼノとエルゼは冷めた目で馬車呼びの鈴を使って馬車を呼んだ。しばらくして北西部行きの馬車がやってきて七人は急いで馬車に乗り込んでいった。
馬車に揺られている間エルゼはカバンを開けて転送石と魔力を一時的に補給する青い色をしたポーションの数を確認していた。
「中身の確認かよい心がけだぞ。」
ゼノが褒めるとエルゼはささやかな反抗心でそっぽを向いたのにサラが褒めるとなぜか嬉しそうにお礼を言った。
馬車を走らせてから三十分過ぎた時馬車はダンジョン近くに止まった。
降りた七人は洞窟の形をしたダンジョンの前に立った。エルゼとゼノを先頭にしてダンジョンへと足を踏み入れた。
ダンジョンの中はひんやりとしていて日が昇っている時間帯なのにも関わらず中が薄暗い。通路には生き物の気配と行ったらスライム数体がいるだけだ。ここは数多の冒険者たちが通った後なのでゴブリンやオークなどが長い時間をかけて駆逐されたのでここの生態系はスライムと弱いコボルトぐらいしかいなかった。
「ねえここってあんまり魔物いないからそろそろ廃ダンジョンにするってギルドが決めてませんでした~?」
「廃ダンジョン化はダンジョン内の資源が尽きた時に決められるものだからまだ魔鉱石が採れるうちはギルドが保有しておきたいだろうね。」
ダンジョン内の資源が尽きた時ギルドはそのダンジョンを廃ダンジョン化を宣言する。その時ダンジョンの土地の権利はギルドからその土地の領主に明け渡される。資源をギルドが事実独占しているのだ。その代わり領主はギルドの構成員に対し様々な事に動員する権利がある。
大した魔物がいない中、中盤まで進んでいくとやっと痩せたオークが姿を現したが鍛えたエルゼとルイで難なく倒してしまったのだ。
「ほんとにここに隠しダンジョンでもあるの?」
「このあたりだよ。そこの壁に行くよ。」
エルゼがただの土壁に魔力を流し込むと壁に植物の文様の入った光の門が浮かび上がってきた。
「なんでなんでここ魔力探知でも何もなかったのに!」
エナがつい叫んでしまった。エルゼは冷静に門に魔力を注ぎ込む。
「これは俺の部下が偶然発見したものだ。そいつは魔人でな、スキルを経由しないと魔力を発動できない人間には見つけられない門なんだ。」
「スキル経由で魔力を出すことができるのはエルフと魔人だけっすよね。」
エルゼは青ポーションを一瓶飲むと光の門をゆっくりと開いた。ゼノは念のため門の傍に子供のこぶし大の転送石を埋め込んでおいた。
「ここからだ警戒するなよ。」
「ここからは俺のシマだ。ヘマはしねえよ。」
ゼノとエルゼが先頭に門をくぐった。中は入口こそは小さい魔鉱石だったが中を進むにつれ生えている魔鉱石の大きさが段々大きくなっていく。大きいものは子供の背丈ほどだった。
「すごいっす・・・圧巻っす・・・」
「大きいのあれば一生遊んで暮らせるお金が手に入りますわ・・・」
「ダンジョンにこんな幻想的で美しい場所があったなんて・・・」
庭園メンバーが感嘆の声を上げる中エルゼはいつになく真剣な表情をしていた。
「ここはお前のシマだというのに何をそんなに警戒しているんだ?」
「俺たちが採掘していたのは入口付近だけなんだ。そこから先は皆が恐れて先へ進んでいなんだ。」
その言葉を聞いて浮かれ気味だったパーティーに緊張感が走る。それでもエルゼとゼノは進み続けた。進み続けるにつれ魔鉱石が段々と人の手が入ったような形をしてきてついには大人数人が並んで入れるほどの魔鉱石の門にたどり着いた。
「ここまで来て魔物と遭遇しないのはおかしい。罠の気配もない。組織の利益を捨ててまで撤退を選んだんだ何かある用心しろ。」
魔鉱石の門をくぐるとそこには光り輝く魔鉱石の玉座とおもわしき領域に踏み込んでいた。そこの魔鉱石も一般で流通している魔鉱石よりはるかに純度が高い市場だったら小さい石だけでも都市に家を建てることができるほどだ。
七人が領域に足を踏み込んだその瞬間だった。皆が綺麗な魔鉱石に囚われている瞬間を狙われたのか斬撃が皆を襲ったのだ。
無事だったのは即座に対応できたゼノとルイが突き飛ばして斬撃の餌食とならなかったルークとサラに庇われたエルゼだった。
空の玉座の前に現れたのは白い魔鉱石のような結晶で出来た鎧に覆われている騎士らしき異物がそこにいた。それは気配も殺意もなく結晶の剣を持ってエルゼに襲い掛かろうとしたがゼノがその斬撃を防いだのだ。
「ルーク!けが人に回復魔法をかけろ!こいつは俺が何とかする!」
「しています!治療が終わったら俺も参戦します!」
騎士らしき存在は剣を高く上げ光り出した。その刹那周りにある魔鉱石からレーザーが飛び治療中のルークの右わき腹を貫いた。
「動ける奴はエルゼを連れて転送石で逃げろ。入り口付近に石を置いといた!」
スキルでわき腹を直しながらルークはエルゼを連れて転送を開始した。
「治療が終わったら必ずそちらに向かいますから時間稼ぎお願いします!」
そう言い残しルークたちは消えていった。残されたのは結晶の怪物とゼノ一人だった。怪物が剣を使いゼノに攻め立てる。ゼノも応戦していく。そこからは金属の音と結晶というべきがほぼ鋼と同じ硬度の石の剣の鈍い音を響かせながら刃を交わしていく中でゼノは相手の強さに久々の興奮を覚えたのだ。
「ははははははは!この俺と戦ってすぐにくたばらねえ奴は久しぶりだ!壊れねえ人形遊びもなかなかいい趣味だ。自己紹介に加えたいほどだぜ!」
目を見開き戦いの楽しさを見出したゼノは闇を刀に纏わせる。それに対して怪物は剣にエネルギーを纏わせながら周囲の魔鉱石からレーザーを放出しゼノに斬りかかったがゼノはレーザーの網を器用に抜けた。ゼノも体に闇を結晶化して纏わせ怪物の首を狙った。お互い剣の達人同士決まるのは一瞬だった。ゼノが彼の首半分を斬り関節を突きで破壊して行動不能にした。ゼノは外からルークたちの気配を察知したがゼノはそんなのをお構いなしに怪物に手をかけた。ゼノの手から闇が流し込まれ身体がけいれんを始めた。
「苦しいだろう。身体と脳みそを魔人に近い形に入れ替えて洗脳しているんだよ。これからだんだん気持ちよくなっていくから頑張ろうな。」
闇を流し込まれ今まであった記憶が消され新たに思考と思想を植え付けられた怪物は騎士のような佇まいになり自らの身を守るために黒い小さな結晶になった。
「遅くなりました!ゼノさ・・・あれ?」
「悪い終わらせた。敵は斬って消滅した。エルゼは無事だったか?」
ルークの後ろからエルゼが緊張しながらゼノを覗いてきた。
「みんな無事だったし帰るか!」
その後ギルドには隠しダンジョンのことを報告し大量の魔鉱石がギルドの元へ入ることとなった。輝かしい戦果に他の冒険者たちはゼノ達を称えて酒場で大規模な宴会が始まりゼノとエルゼはそこに強制的に組み込まれることとなった。エルゼはそのクエストでの活躍により銀級にあげられることとなった。
宴が終わり宿の自室に着いたゼノは寝間着に着替えているエルゼにある物を渡した。
それは黒い正八面体の結晶であった。
「これってあの怪物が落としたやつでしょ?ギルドに報告しなくていいの?」
「ちょっとこれに魔力を流してみろ。いいから。」
言われるがまま魔力を流すと結晶は白く光り出しあのダンジョンでみた騎士のような怪物が現れた。エルゼは慌てて室内でも関わらず弓を構えた。
「そう焦るな。こいつの意識と思想を俺の闇で壊した人形のようなものだ。こいつに触れて分かったことだがまだ仮説レベルだけどなこいつは結晶を糧に生命活動できる未知の生命体らしい。こいつにお前の転送石を与えれば強い側近ができるぞ。
ただし俺がいるうちは使うのは禁止とする。」
一人用の部屋に大の大人二人と少年部屋が狭かった。でもエルゼは自分にまた忠誠心が高くて強い部下ができると知って持っている手に収まるぐらいの転送石を騎士の口にねじ込んだ。騎士は取りこんだ石に違和感を感じて悶えたが新たな王とみなしたのか狭い室内で騎士は片膝をついて忠誠の意を示したのだ。その姿勢を見たエルゼは久々にかつての「白黒の狂剣」ボスの顔をして騎士を結晶に収めさせた。
「ゼノ感謝しているぞ。こんな貢物を持ってこさせるだなんて俺は心の底からうれしいぞ。」
二人の凶行を見ていたのは月だけだった。月明かりに照らされ、二人は寝酒のワインを口に含んだ後安らかにベッドの上で穏やかに眠りについたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる