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41 ヘインズ家の為に
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「なんと……よくそんなことを考えられましたな。確かにこれがあれば神子様の手を煩わせず瘴気の浄化が出来、しかも太陽がある限り半永久的に浄化される。そうなれば結界の外でも安全性が確保され、もっと人も物も動きますしこの世界の情勢が変わっていきます。神子様の発想が素晴らしい」
俺が旅に出ないと言った時は真っ青だった王様も、今じゃキラキラと興奮したように浄化石を眺めている。
「ですので国でこの浄化石と結界石を購入して欲しいのです。それが神子としての俺の報奨とします」
これを1ついくらにするのかはブレアナさん達に相談した。俺に相場なんてわからないし。すると流石はブレアナさん。適正価格をあっさり、でもしっかりと考えてくれた。
それもそのはず。ヘインズ公爵家はいくつも事業を起こしていてかなり業績が良いらしい。そんなブレアナさんだから適正価格も簡単に出してくれた。
余談だが、数年前から事業の拠点をレオナルドさんがいるサザライト王国へと移す手配をしていたらしく、ヘインズ公爵家は今後この国を拠点にするそうだ。そしてそうなるともう『公爵家』ではなくなるらしい。爵位があったのはサザラテラ王国での話。この国に移ったことでこの国での立場は平民と同じだそうだ。
値段は正直言って安くはない。だけど物凄く高いかと言われるとそうでもないそうだ。数も多く必要になるし、浄化が出来る石なんて前代未聞。しかも半永久的に浄化が出来る価値を考えて、でもぼったくらない価格だ。
今までの腐ったあの国が提示していた金額に比べれば全然安いとのこと。あの国はどんだけぼったくってたんだ……。
「なるほど。了承いたしました。こちらとしても大変ありがたい話でございます。神子様、誠にありがとうございます」
「いいえ。お礼ならヘインズ家の皆に言ってください。この世界に来てからあまりにも理不尽な事をされて、俺は正直なところこの世界が滅びようがどうでもいいと思っています。でも俺の事をとても大切に優しくしてくれたヘインズ家の皆のことは大好きです。そんな大好きな人がいる世界だからその人たちの為に神子としての力を使おうと思ったんです」
浄化の石を作ったのもヘインズ家の皆のため。この世界が滅ぶということは、ヘインズ家の皆が死んでしまうという事だ。それだけは絶対に嫌だ。俺はこの優しい人たちを守りたい。
だから俺の神子の力はこの人たちの為に使うと決めた。この世界の為じゃない。ヘインズ家の皆の為だ。
「神子様のお気持ちはよくわかりました。それでもこの世界を救って下さることに変わりありません。神子様の献身に感謝を。そしてヘインズ家の者にも最大の感謝を」
王様はそう言ってブレアナさんやオーサに向かって深々と頭を下げてくれた。後で聞いたことだけど、王族はそう簡単に頭を下げることはないらしい。それをあえて皆の前で頭を下げたのは俺の意思を汲んでくれたからだ。
「それと召喚陣ですが、俺は設置するならヘインズ家にしようと思います」
これもブレアナさん達と相談して決めさせてもらった。きっとどこの国に置いても何かの争いの火種になるような気しかしない。「なぜうちに設置してくれないんだ!?」なんてごねられてめんどくさくなっても嫌だし、本当に神子を蔑ろにせずに扱ってくれるのかがわからないから。
でもここの人達なら安心できる。長い年月の間も変わらず神子と神獣人を大切にしてきたところだ。もし今後、新たな神子が召喚された時もきっと大事にしてくれるだろう。
そのことでヘインズ家は爵位を持つことはなくなった。もし爵位を貰い貴族となってしまえば、ヘインズ家は『サザライト王国の臣下』となる。そうなると召喚陣を『ヘインズ家個人』で持つことが出来なくなってしまうのだ。
今まで公爵家だったのに平民となることが本当にいいのかと聞けば、ブレアナさんは「それについて何の問題もありません。むしろ煩わしさが無くなっていいくらいです」なんて笑って言ってくれた。
きっと望めばこの国でも爵位は手に入るだろう。なのに平民でも構わないと言うし、事業が無くなるわけでもないから、と。
「王様。ヘインズ家はこの国を拠点にしますが、召喚陣は国とは関係ありません。あくまでも『ヘインズ家』が所有することになります。その事をご理解ください」
「それが神子様の願いならば」
「ありがとうございます」
それからは、この浄化石と結界石をいくつ用意するのか。その詳細を詰めていった。もちろんその石の管理もちゃんとしてくれると言う。
そして大体の事が話し終わってふぅと息を吐く。こういうの初めてだからちょっと疲れたな。でも少しずつこの世界も変わっていけそうな気がするからなんだか楽しみだな。
この国の王族の人達も瘴気の浄化の目途がたったことで表情も明るく感じる。
ここで休憩のお茶とケーキが用意され、それを喜んでいただいた。チョコレートが濃厚なガトーショコラで、この甘さが疲れた体に染みわたる。
「そう言えば神子様がサザラテラとの国境に結界を張ってくださったのですよね。この国は、今後あの国との交流を断絶することにいたしました」
王太子のハロルドさんが今後のあの国との関りをどうするのか教えてくれた。
国境を封鎖し今後はあの国の国民を誰1人入国させないそうだ。そして今日渡した浄化石も国境を越えて設置することはないとのこと。
「恐らく他国もそのようにするでしょうね。どこもあの国に対し恨みしか抱いていませんし。それにこの現状を知ったらすぐに攻め込みたい国は多いはずです。今は無理でもいずれは同盟国軍とサザラテラ王国との戦争が始まるかもしれません」
今まではあの国を攻めたくとも出来ない理由があった。神子がこの世界にいる時はあの国によって手も足も出なかった。
神子がいなくなった時は瘴気が蔓延し魔物が暴走。サザラテラに向けて大軍を出すと、国に着くまでに魔物に襲われてしまう。魔物を倒し、無事にサザラテラに着いたとしても兵士はどれだけ削られているかわからない。その状態で戦っても勝つ見込みは少ない。
同盟国軍で国を落とした場合は、その同盟国内での争いに発展することが目に見えている。
召喚陣をどこの国が持つのか。結局そこでまた争いになるため、何も出来なかったらしい。というか、戦争を起こす前から実際そうなって仲たがいした国があったそうだ。
結局あの女神がやったことって、この世界をしっちゃかめっちゃかにしてるだけじゃないか……。
まぁ今は召喚陣をどこの国にも置くことはなくなったからな。仲たがいすることはないだろう。
この世界に浄化石が行き渡って魔物の暴走が落ち着いたら、本当に戦争が始まるかもしれない。
もし戦争を起こすなら勝手にやってくれ。俺とヘインズ家に迷惑さえかけなければ止める気はないしどうでもいい。
俺が旅に出ないと言った時は真っ青だった王様も、今じゃキラキラと興奮したように浄化石を眺めている。
「ですので国でこの浄化石と結界石を購入して欲しいのです。それが神子としての俺の報奨とします」
これを1ついくらにするのかはブレアナさん達に相談した。俺に相場なんてわからないし。すると流石はブレアナさん。適正価格をあっさり、でもしっかりと考えてくれた。
それもそのはず。ヘインズ公爵家はいくつも事業を起こしていてかなり業績が良いらしい。そんなブレアナさんだから適正価格も簡単に出してくれた。
余談だが、数年前から事業の拠点をレオナルドさんがいるサザライト王国へと移す手配をしていたらしく、ヘインズ公爵家は今後この国を拠点にするそうだ。そしてそうなるともう『公爵家』ではなくなるらしい。爵位があったのはサザラテラ王国での話。この国に移ったことでこの国での立場は平民と同じだそうだ。
値段は正直言って安くはない。だけど物凄く高いかと言われるとそうでもないそうだ。数も多く必要になるし、浄化が出来る石なんて前代未聞。しかも半永久的に浄化が出来る価値を考えて、でもぼったくらない価格だ。
今までの腐ったあの国が提示していた金額に比べれば全然安いとのこと。あの国はどんだけぼったくってたんだ……。
「なるほど。了承いたしました。こちらとしても大変ありがたい話でございます。神子様、誠にありがとうございます」
「いいえ。お礼ならヘインズ家の皆に言ってください。この世界に来てからあまりにも理不尽な事をされて、俺は正直なところこの世界が滅びようがどうでもいいと思っています。でも俺の事をとても大切に優しくしてくれたヘインズ家の皆のことは大好きです。そんな大好きな人がいる世界だからその人たちの為に神子としての力を使おうと思ったんです」
浄化の石を作ったのもヘインズ家の皆のため。この世界が滅ぶということは、ヘインズ家の皆が死んでしまうという事だ。それだけは絶対に嫌だ。俺はこの優しい人たちを守りたい。
だから俺の神子の力はこの人たちの為に使うと決めた。この世界の為じゃない。ヘインズ家の皆の為だ。
「神子様のお気持ちはよくわかりました。それでもこの世界を救って下さることに変わりありません。神子様の献身に感謝を。そしてヘインズ家の者にも最大の感謝を」
王様はそう言ってブレアナさんやオーサに向かって深々と頭を下げてくれた。後で聞いたことだけど、王族はそう簡単に頭を下げることはないらしい。それをあえて皆の前で頭を下げたのは俺の意思を汲んでくれたからだ。
「それと召喚陣ですが、俺は設置するならヘインズ家にしようと思います」
これもブレアナさん達と相談して決めさせてもらった。きっとどこの国に置いても何かの争いの火種になるような気しかしない。「なぜうちに設置してくれないんだ!?」なんてごねられてめんどくさくなっても嫌だし、本当に神子を蔑ろにせずに扱ってくれるのかがわからないから。
でもここの人達なら安心できる。長い年月の間も変わらず神子と神獣人を大切にしてきたところだ。もし今後、新たな神子が召喚された時もきっと大事にしてくれるだろう。
そのことでヘインズ家は爵位を持つことはなくなった。もし爵位を貰い貴族となってしまえば、ヘインズ家は『サザライト王国の臣下』となる。そうなると召喚陣を『ヘインズ家個人』で持つことが出来なくなってしまうのだ。
今まで公爵家だったのに平民となることが本当にいいのかと聞けば、ブレアナさんは「それについて何の問題もありません。むしろ煩わしさが無くなっていいくらいです」なんて笑って言ってくれた。
きっと望めばこの国でも爵位は手に入るだろう。なのに平民でも構わないと言うし、事業が無くなるわけでもないから、と。
「王様。ヘインズ家はこの国を拠点にしますが、召喚陣は国とは関係ありません。あくまでも『ヘインズ家』が所有することになります。その事をご理解ください」
「それが神子様の願いならば」
「ありがとうございます」
それからは、この浄化石と結界石をいくつ用意するのか。その詳細を詰めていった。もちろんその石の管理もちゃんとしてくれると言う。
そして大体の事が話し終わってふぅと息を吐く。こういうの初めてだからちょっと疲れたな。でも少しずつこの世界も変わっていけそうな気がするからなんだか楽しみだな。
この国の王族の人達も瘴気の浄化の目途がたったことで表情も明るく感じる。
ここで休憩のお茶とケーキが用意され、それを喜んでいただいた。チョコレートが濃厚なガトーショコラで、この甘さが疲れた体に染みわたる。
「そう言えば神子様がサザラテラとの国境に結界を張ってくださったのですよね。この国は、今後あの国との交流を断絶することにいたしました」
王太子のハロルドさんが今後のあの国との関りをどうするのか教えてくれた。
国境を封鎖し今後はあの国の国民を誰1人入国させないそうだ。そして今日渡した浄化石も国境を越えて設置することはないとのこと。
「恐らく他国もそのようにするでしょうね。どこもあの国に対し恨みしか抱いていませんし。それにこの現状を知ったらすぐに攻め込みたい国は多いはずです。今は無理でもいずれは同盟国軍とサザラテラ王国との戦争が始まるかもしれません」
今まではあの国を攻めたくとも出来ない理由があった。神子がこの世界にいる時はあの国によって手も足も出なかった。
神子がいなくなった時は瘴気が蔓延し魔物が暴走。サザラテラに向けて大軍を出すと、国に着くまでに魔物に襲われてしまう。魔物を倒し、無事にサザラテラに着いたとしても兵士はどれだけ削られているかわからない。その状態で戦っても勝つ見込みは少ない。
同盟国軍で国を落とした場合は、その同盟国内での争いに発展することが目に見えている。
召喚陣をどこの国が持つのか。結局そこでまた争いになるため、何も出来なかったらしい。というか、戦争を起こす前から実際そうなって仲たがいした国があったそうだ。
結局あの女神がやったことって、この世界をしっちゃかめっちゃかにしてるだけじゃないか……。
まぁ今は召喚陣をどこの国にも置くことはなくなったからな。仲たがいすることはないだろう。
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