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不良だと思ってた隣の席の男子が、実は猫好きの可愛い人だった件
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「じゃあ水谷が帰ってくるまでここにいるか。だが少し部屋を掃除させてもらってもいいか?」
「にゃ!」
やった! 中村がここに残ってくれる! こいつがいる限り俺は死ぬことはない! 部屋の掃除も好きにしてくれ!
中村は手早くとっ散らかったものを集めてくれた。それだけで部屋が広くなって快適になった。クラスメートには悪いが今の俺は猫だからな。仕方ない。
それから中村は昼飯を買いに出かけて行ったがすぐに戻って来てくれた。俺が一人になったのは時間にして一時間もなかったが、ものすごく心細くなった。中村が帰って来た時は嬉しくて尻尾がぴんと立ち上がったくらいだ。
俺のご飯も買ってきてくれたが、キャットフードや猫缶は嫌だという俺の意志を汲んで鮭おにぎりを買ってきてくれた。ずっと甘いものばっかりだったしこれは素直に嬉しかった。
「テレビ、見てもいいか?」
「にゃ」
俺を膝の上に乗せて、撫でながら一緒にテレビを見る。本当にこいつの手は優しくて気持ちいい。
それに中村はトイレや台所を使う時、置いてある本や雑誌を読みたい時は必ず「借りるな」と一言言う。
今日気が付いたが玄関で脱がれた靴も綺麗に揃えてあったし、ゴミもきちんと分別して捨ててくれていた。
中村は見た目と違ってとても律儀で丁寧な奴だと思った。
それに俺を見る目が本当に優しい。猫好きなのは間違いないけど、俺と一緒にいることが本当に嬉しそうで、一日がすごく穏やかな時間だった。
こんな時間を過ごしたのもかなり久しぶりで、その相手が怖くて近寄れなかったクラスメート。
色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしいと思った。
人間に戻ったらこいつとちゃんと話したいな。中村はすごくいい奴なんだってクラスメートにも教えてあげたい。そうすればみんな中村のことを怖がらなくなるし、友達だってたくさんできるだろう。
ちょうど文化祭は俺たちでクラスリーダーをやるんだし、きっとすごく仲良くなれる。
放課後にちょっと遊びに行ったりなんかもできるかもしれない。一緒にテスト勉強やったり、たまにはカラオケに行ったり。ファーストフード店に寄ってだべるのも楽しそうだ。
早く人間に戻って中村にお礼を言いたい。一人だと心細くて怖くて仕方なかったけど、こうして中村が側にいてくれるとすごく安心できる。
猫吸いはちょっと困るけど。だって俺のお腹に顔を埋めているから中村の息がかかって変な気分になるんだ。
初めてされた時は戸惑いの方が大きかったけど、何回もされると恥ずかしくなってくる。
これがもし人間の俺にやっていると想像したら……わー!! 人間で想像したらこれってかなりエッチなのでは!?
え!? 猫吸いって実はかなりエッチな行為だった!? ウソだろ!? え!? 俺と中村ってちょっとエッチなことをする仲になったってこと!?
あわわわわ! どうしようどうしよう! 中村が俺のお腹に顔を埋めてるの想像したのに全然気持ち悪くないんだけど!? え!? どういうこと!? つまり俺は中村にこんなことされても嫌じゃないってこと!? え!? そういうこと!?
「ん? どうした?」
「みゃっ!?」
自分の気持ちにびっくりして毛が逆立ったことで、中村は異変を感じたようだ。縦に持ち上げられると、至近距離に中村の顔が!
こいつ、確かに目がつり上がっているからキツイ印象になるけど、まじまじと見ると整った顔をしているのがよくわかる。
金髪も似合ってるし、着ている服もとてもおしゃれだ。アクセサリーをつけているけどシンプルで厭味ったらしくもない。
というか、総合的にめちゃくちゃ格好いいな!?
やばい……なんだこれ。俺の心臓、バクバクいってるんだけど……
「お、もうこんな時間なのか」
中村の動きに合わせて時計を見ると、針は既に夜の十一時を指していた。いつの間にかこんなに時間が経ってたんだ。
「結局、水谷は帰ってこなかったな……なぁ。水谷は本当に大丈夫なんだよな?」
ほとんどまともに話したこともない俺のことを、ここまで心配してくれる中村に罪悪感が膨れ上がる。
「ん? どうした? くすぐったいぞ」
ごめんねの意味を込めて、俺は中村の手をぺろぺろと舐めた。……これも人間の姿でやっていることを想像すると、とてもとてもエッチなんだけど……!
「そろそろ寝るか」
中村はこのまま泊ってくれるらしい。家にはメッセージで連絡していたらしく、俺を抱えてベッドへ移動し横になった。パジャマとか着替えとか用意できなくてごめん……
「お前は本当に珍しいな。俺、なんでかわからないんだが、動物にすごく嫌われるんだ」
仰向けになった中村は、俺を自分の体の上に乗せると撫でながら教えてくれた。
中村は犬や猫だけじゃなくて、動物全般が好きなんだそうだ。だけどどの動物も中村が近付くと威嚇したり逃げて行ったりするらしく、こうして撫でたり抱っこしたりしたくてもできなかったらしい。
俺が初めて嫌がらず懐いてくれた猫だったらしく、中村は相当嬉しかったんだそうだ。
それであんなに猫吸いをしてきたのか。
「にゃ!」
やった! 中村がここに残ってくれる! こいつがいる限り俺は死ぬことはない! 部屋の掃除も好きにしてくれ!
中村は手早くとっ散らかったものを集めてくれた。それだけで部屋が広くなって快適になった。クラスメートには悪いが今の俺は猫だからな。仕方ない。
それから中村は昼飯を買いに出かけて行ったがすぐに戻って来てくれた。俺が一人になったのは時間にして一時間もなかったが、ものすごく心細くなった。中村が帰って来た時は嬉しくて尻尾がぴんと立ち上がったくらいだ。
俺のご飯も買ってきてくれたが、キャットフードや猫缶は嫌だという俺の意志を汲んで鮭おにぎりを買ってきてくれた。ずっと甘いものばっかりだったしこれは素直に嬉しかった。
「テレビ、見てもいいか?」
「にゃ」
俺を膝の上に乗せて、撫でながら一緒にテレビを見る。本当にこいつの手は優しくて気持ちいい。
それに中村はトイレや台所を使う時、置いてある本や雑誌を読みたい時は必ず「借りるな」と一言言う。
今日気が付いたが玄関で脱がれた靴も綺麗に揃えてあったし、ゴミもきちんと分別して捨ててくれていた。
中村は見た目と違ってとても律儀で丁寧な奴だと思った。
それに俺を見る目が本当に優しい。猫好きなのは間違いないけど、俺と一緒にいることが本当に嬉しそうで、一日がすごく穏やかな時間だった。
こんな時間を過ごしたのもかなり久しぶりで、その相手が怖くて近寄れなかったクラスメート。
色眼鏡で見ていた自分が恥ずかしいと思った。
人間に戻ったらこいつとちゃんと話したいな。中村はすごくいい奴なんだってクラスメートにも教えてあげたい。そうすればみんな中村のことを怖がらなくなるし、友達だってたくさんできるだろう。
ちょうど文化祭は俺たちでクラスリーダーをやるんだし、きっとすごく仲良くなれる。
放課後にちょっと遊びに行ったりなんかもできるかもしれない。一緒にテスト勉強やったり、たまにはカラオケに行ったり。ファーストフード店に寄ってだべるのも楽しそうだ。
早く人間に戻って中村にお礼を言いたい。一人だと心細くて怖くて仕方なかったけど、こうして中村が側にいてくれるとすごく安心できる。
猫吸いはちょっと困るけど。だって俺のお腹に顔を埋めているから中村の息がかかって変な気分になるんだ。
初めてされた時は戸惑いの方が大きかったけど、何回もされると恥ずかしくなってくる。
これがもし人間の俺にやっていると想像したら……わー!! 人間で想像したらこれってかなりエッチなのでは!?
え!? 猫吸いって実はかなりエッチな行為だった!? ウソだろ!? え!? 俺と中村ってちょっとエッチなことをする仲になったってこと!?
あわわわわ! どうしようどうしよう! 中村が俺のお腹に顔を埋めてるの想像したのに全然気持ち悪くないんだけど!? え!? どういうこと!? つまり俺は中村にこんなことされても嫌じゃないってこと!? え!? そういうこと!?
「ん? どうした?」
「みゃっ!?」
自分の気持ちにびっくりして毛が逆立ったことで、中村は異変を感じたようだ。縦に持ち上げられると、至近距離に中村の顔が!
こいつ、確かに目がつり上がっているからキツイ印象になるけど、まじまじと見ると整った顔をしているのがよくわかる。
金髪も似合ってるし、着ている服もとてもおしゃれだ。アクセサリーをつけているけどシンプルで厭味ったらしくもない。
というか、総合的にめちゃくちゃ格好いいな!?
やばい……なんだこれ。俺の心臓、バクバクいってるんだけど……
「お、もうこんな時間なのか」
中村の動きに合わせて時計を見ると、針は既に夜の十一時を指していた。いつの間にかこんなに時間が経ってたんだ。
「結局、水谷は帰ってこなかったな……なぁ。水谷は本当に大丈夫なんだよな?」
ほとんどまともに話したこともない俺のことを、ここまで心配してくれる中村に罪悪感が膨れ上がる。
「ん? どうした? くすぐったいぞ」
ごめんねの意味を込めて、俺は中村の手をぺろぺろと舐めた。……これも人間の姿でやっていることを想像すると、とてもとてもエッチなんだけど……!
「そろそろ寝るか」
中村はこのまま泊ってくれるらしい。家にはメッセージで連絡していたらしく、俺を抱えてベッドへ移動し横になった。パジャマとか着替えとか用意できなくてごめん……
「お前は本当に珍しいな。俺、なんでかわからないんだが、動物にすごく嫌われるんだ」
仰向けになった中村は、俺を自分の体の上に乗せると撫でながら教えてくれた。
中村は犬や猫だけじゃなくて、動物全般が好きなんだそうだ。だけどどの動物も中村が近付くと威嚇したり逃げて行ったりするらしく、こうして撫でたり抱っこしたりしたくてもできなかったらしい。
俺が初めて嫌がらず懐いてくれた猫だったらしく、中村は相当嬉しかったんだそうだ。
それであんなに猫吸いをしてきたのか。
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