13 / 83
体だけの関係と思っていた相手と実は両思いでした
3
しおりを挟む
僕は2度と酒を飲むことはしないと決めた。マイルズとはもう普通でいられないと思っていた。なのに気にした風もなく、また食事に行こうと誘ってくれる。それが嬉しくて、またマイルズと一緒にいられることが嬉しくて、僕はそれに甘えていた。
外で食事をして帰り際、「まだ時間も早いしたまには部屋に寄って行かないか」と言われ、僕はそう言ってくれたのが嬉しくて付いていった。マイルズも独身寮に住んでいたけど、彼の部屋に入るのは初めてだった。そこで僕はお茶を飲むつもりだったのに出されたのは酒だった。
「僕お酒はもう二度と飲まないように決めたんだ」
「あの時は一気に飲んだからだろう? 少しずつ飲めば大丈夫だよ」
そんな風に言われて酒を飲むことに慣れてない僕はそうなのかな、とマイルズの言う事を信じて少しずつ飲むことにした。だけど僕は酒に相当弱いらしく、少ししか飲んでいないのに酔ってしまった。
ふらふらとする僕の肩をそっと抱いてくれたマイルズに寄りかかる。
「ごめん……なんかふわふわ、してて……んぅ!?」
「……そんな潤んだ目で見られたら我慢できなくなるだろ?」
いきなりマイルズにキスされて驚いたものの、酔って力の入らない僕は流されるままマイルズに抱かれてしまった。その時の事ははっきりと覚えている。彼はひたすら僕を気持ちよくさせて、中を突き上げて何度も中で果てていた。
「はは。アランの中、やべーな。気持ち良すぎ。その顔も可愛すぎて泣かせたくてたまらねーんだけど」
僕に触れるその手は優しいのに、口調は少し乱暴で爽やか好青年は何処かへと行ってしまっていた。爽やかな彼から獰猛な彼へ。その変化に驚きつつも、そんなマイルズがカッコよくて僕は更に惚れてしまうことになった。
それからマイルズが僕を抱きたい時は部屋に誘うようになった。一緒に酒も用意して。
こんなのはいけないと思いつつも、好きな相手に抱かれる喜びを知ってしまった僕はズルズルとその関係を続けてしまう。
そんな関係がどれほど続いただろうか。ある日マイルズが近衛騎士に昇進したことを知った。平民出の騎士が近衛騎士になるなど異例中の異例だ。
ある日、お忍びで王都へと出かけたエレイン王女がちょっとした隙をついて護衛を撒き、1人で街を歩いていた時に誘拐されそうになった。その時たまたま休暇で街に出ていたマイルズがそれを見つけて王女を助けたらしい。王女はその時のマイルズの姿に感動して王女の強い希望で近衛騎士となったそうだ。
第5王女であるエレイン殿下は、綺麗な金髪と透き通った青い瞳で人形のように綺麗な人だ。だけど相当な我儘らしく、周りの人間は困っているらしい。
だが、王も王妃もそんな王女が可愛くて仕方がないらしく我儘を許しているという話しだ。
近衛騎士となったマイルズは忙しくなってしまい、あれから全くといっていいほど会わなくなった。寂しいと思う反面、これでよかったんだと自分を納得させた。
そして今回の噂話。僕には詳しいことはわからない。だけどここまで噂が広まり皆が話しているところをみると、婚約の話は本当の事なんだろう。
外で食事をして帰り際、「まだ時間も早いしたまには部屋に寄って行かないか」と言われ、僕はそう言ってくれたのが嬉しくて付いていった。マイルズも独身寮に住んでいたけど、彼の部屋に入るのは初めてだった。そこで僕はお茶を飲むつもりだったのに出されたのは酒だった。
「僕お酒はもう二度と飲まないように決めたんだ」
「あの時は一気に飲んだからだろう? 少しずつ飲めば大丈夫だよ」
そんな風に言われて酒を飲むことに慣れてない僕はそうなのかな、とマイルズの言う事を信じて少しずつ飲むことにした。だけど僕は酒に相当弱いらしく、少ししか飲んでいないのに酔ってしまった。
ふらふらとする僕の肩をそっと抱いてくれたマイルズに寄りかかる。
「ごめん……なんかふわふわ、してて……んぅ!?」
「……そんな潤んだ目で見られたら我慢できなくなるだろ?」
いきなりマイルズにキスされて驚いたものの、酔って力の入らない僕は流されるままマイルズに抱かれてしまった。その時の事ははっきりと覚えている。彼はひたすら僕を気持ちよくさせて、中を突き上げて何度も中で果てていた。
「はは。アランの中、やべーな。気持ち良すぎ。その顔も可愛すぎて泣かせたくてたまらねーんだけど」
僕に触れるその手は優しいのに、口調は少し乱暴で爽やか好青年は何処かへと行ってしまっていた。爽やかな彼から獰猛な彼へ。その変化に驚きつつも、そんなマイルズがカッコよくて僕は更に惚れてしまうことになった。
それからマイルズが僕を抱きたい時は部屋に誘うようになった。一緒に酒も用意して。
こんなのはいけないと思いつつも、好きな相手に抱かれる喜びを知ってしまった僕はズルズルとその関係を続けてしまう。
そんな関係がどれほど続いただろうか。ある日マイルズが近衛騎士に昇進したことを知った。平民出の騎士が近衛騎士になるなど異例中の異例だ。
ある日、お忍びで王都へと出かけたエレイン王女がちょっとした隙をついて護衛を撒き、1人で街を歩いていた時に誘拐されそうになった。その時たまたま休暇で街に出ていたマイルズがそれを見つけて王女を助けたらしい。王女はその時のマイルズの姿に感動して王女の強い希望で近衛騎士となったそうだ。
第5王女であるエレイン殿下は、綺麗な金髪と透き通った青い瞳で人形のように綺麗な人だ。だけど相当な我儘らしく、周りの人間は困っているらしい。
だが、王も王妃もそんな王女が可愛くて仕方がないらしく我儘を許しているという話しだ。
近衛騎士となったマイルズは忙しくなってしまい、あれから全くといっていいほど会わなくなった。寂しいと思う反面、これでよかったんだと自分を納得させた。
そして今回の噂話。僕には詳しいことはわからない。だけどここまで噂が広まり皆が話しているところをみると、婚約の話は本当の事なんだろう。
116
あなたにおすすめの小説
結婚間近だったのに、殿下の皇太子妃に選ばれたのは僕だった
釦
BL
皇太子妃を輩出する家系に産まれた主人公は半ば政略的な結婚を控えていた。
にも関わらず、皇太子が皇妃に選んだのは皇太子妃争いに参加していない見目のよくない五男の主人公だった、というお話。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【Amazonベストセラー入りしました】僕の処刑はいつですか?欲しがり義弟に王位を追われ身代わりの花嫁になったら溺愛王が待っていました。
美咲アリス
BL
「国王陛下!僕は偽者の花嫁です!どうぞ、どうぞ僕を、処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(笑)」意地悪な義母の策略で義弟の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王子のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?(Amazonベストセラー入りしました。1位。1/24,2024)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる