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続・あなたは僕の憧れの人~聖夜に性夜を~
7.最終話
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颯真は抱きしめていた体を離すと、俺の腰を強く掴み抽挿を速めた。パンパンと肌がぶつかる音が大きく響く。それと同時に与えられる快感が強すぎて眩暈がする。
俺の手は自然とシーツを握り締めていて、強すぎる快感を逃がそうと必死だ。だけどそんなことに意味はなく、ただ体を揺さぶられて翻弄された。これで何度目なのか、また俺はあっという間に絶頂へ昇り詰める。
「いっ、あっ……! イクッ、イクッ……アッーー!」
「ぐっ……!」
今日一番の絶頂を迎え、強い痙攣に襲われる。息も上手く吸えずに口だけがパクパクと動いていた。颯真も一際強く腰を打ち付けるとその動きが止まる。俺の中に吐き出したようで、軽く数回抽挿すると俺の中からずるりと引き抜いた。
「はぁっ、はぁっ……す、凄かった……」
今までのセックスは手加減されていたのだと思うほど、快感が強く激しいものだった。それが嫌ではなく、むしろここまで気持ちよくなれたことに驚きと感動を覚えている。ストッパーが外れた颯真の本気が凄かった。
「恭介さん、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。めちゃくちゃ疲れたけど。……でも気持ちよすぎて最高だった」
「よかった。僕も、最っ高に気持ちよかったです」
颯真は俺の隣に体を横たえると、そのままギュッと抱きしめた。俺もその背中に腕を回してしがみ付く。
「ねぇ、恭介さん。今日は本当にどうしたの? こんなエロい下着着たり、僕を煽ったり」
「……だって、颯真の周りは若くて綺麗な子が多いから」
「ん? どういうこと?」
俺は颯真のキスシーンをドラマで観て強い衝撃を受けたことを話した。それから強い不安感に襲われ、颯真を繋ぎ留めるために今回のことを計画したことも。
「あれは仕事でやったことだってちゃんとわかってる。わかってるのに、どうしても嫌だと思ってしまって……同じ俳優として恥ずかしいよ。ごめん……」
「え? ということは、恭介さんは焼き餅を焼いたってこと、ですよね?」
「……そうだよ。この歳になってこんなに嫉妬深かったなんて初めて知った」
「恭介さん!」
「ぅわっ!?」
颯真は俺を抱きしめたまま、ぐるんと回転して俺をその体の上へと乗せた。凄い力だ。若いって凄い。
「僕、凄く凄く嬉しいです。……僕も本当は不安だったんです。半ば無理やり体から落としたようなものだから」
メッセージアプリでの連絡も、デートの約束も、こうしてセックスに誘うのも、基本的には全部颯真からだ。俺がそれに断ったり無視をしたりすることはないが、気持ちを確認し合ったとしても俺からのアクションがあまりなかったことが不安だったそうだ。
それに対して俺は反省しなければならない。颯真に甘えてばかりだった俺の落ち度だ。
「あ、言っておきますけどそれに不満があったわけじゃないんです。恭介さんが僕を好きになってくれたこともわかってます。でも僕ばっかりが好きで、恭介さんにウザく思われてたらどうしようって……」
「……本当にごめん。自分でも颯真のことをこんなにも好きだったんだって最近になってやっと気が付いたんだ。あのキスシーンを見て、颯真を取られたくないって強く思った」
でも俺はどうやったっておっさんで、颯真が若くて綺麗な子に気持ちを向ける日が来るかもしれない。そうなったら俺はあまりのショックにどうなるかわからない。だからそうならないよう、俺もちゃんと颯真が好きなんだって伝えたかった。
「それがこのエロい下着なわけですか」
「……自分でもやってしまった感はあるけど、あの時はこれしか思いつかなくて」
「もう最高です。僕、もっともっと恭介さんのことが好きになりました」
「よかった……これで引かれたらどうしようって、半ば賭けみたいなものだったから」
「引かないですよ。僕の恭介さんを想う気持ちは、何があっても変わりませんから」
颯真はにっこり笑って、軽くチュッとキスをする。嬉しくて、俺も颯真の頬にキスを返した。
「ねぇ恭介さん。僕、まだ興奮が冷めてないんです。もう少し付き合ってくれますよね?」
「え……? まだ、ヤレるの?」
「当然です! まだブラに隠れた乳首を舐めてないし、この下着を脱がしたりしないといけないので!」
若いって凄いな。これが若さか。若いってそれだけで凄い。
「……まぁ明日も休みだしいいけど」
「やった! 僕を煽った責任、ちゃんと取ってくださいね」
それから俺は長時間、颯真と爛れに爛れまくったクリスマスを過ごすことになった。明日も休みだからいいとか言ったのは俺だが後悔しかしていない。だって颯真がずっと全力でくるとは思わなかったんだ! 最終的に俺は気絶したんだと思う。若さを侮るなかれ。肝に銘じよう。
とはいえ颯真の気持ちは痛いほどにわかったし、俺もいっぱい気持ちを伝えられたと思う。きっと、今後は颯真のキスシーンを見たとしても前みたいなことにはならないだろう。
それから颯真とドラマ共演した女優が勘違いして一悶着あったり、颯真が俺のことをいろんな人に話したことで俺にドラマの主演の話がきたり、俺がドラマでキスシーンがあった時に颯真が荒れて大変なことになったり、颯真と一緒にモデルの仕事までしたり、颯真が新たな下着をたくさん購入して俺に着せてきたり、それに対抗してアナルビーズなどの大人なオモチャを俺が用意したら颯真が発狂したり、と忙しい日々が訪れることになる。
俺達は同性だから結婚は出来ないけれど、家族になりたいと颯真が言ってくれて養子縁組をすることになった。
体から始まった関係だったが、俺は最高の彼氏と幸せを手に出来たのだ。諦めの悪い性格でよかったと思う。
俺の手は自然とシーツを握り締めていて、強すぎる快感を逃がそうと必死だ。だけどそんなことに意味はなく、ただ体を揺さぶられて翻弄された。これで何度目なのか、また俺はあっという間に絶頂へ昇り詰める。
「いっ、あっ……! イクッ、イクッ……アッーー!」
「ぐっ……!」
今日一番の絶頂を迎え、強い痙攣に襲われる。息も上手く吸えずに口だけがパクパクと動いていた。颯真も一際強く腰を打ち付けるとその動きが止まる。俺の中に吐き出したようで、軽く数回抽挿すると俺の中からずるりと引き抜いた。
「はぁっ、はぁっ……す、凄かった……」
今までのセックスは手加減されていたのだと思うほど、快感が強く激しいものだった。それが嫌ではなく、むしろここまで気持ちよくなれたことに驚きと感動を覚えている。ストッパーが外れた颯真の本気が凄かった。
「恭介さん、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。めちゃくちゃ疲れたけど。……でも気持ちよすぎて最高だった」
「よかった。僕も、最っ高に気持ちよかったです」
颯真は俺の隣に体を横たえると、そのままギュッと抱きしめた。俺もその背中に腕を回してしがみ付く。
「ねぇ、恭介さん。今日は本当にどうしたの? こんなエロい下着着たり、僕を煽ったり」
「……だって、颯真の周りは若くて綺麗な子が多いから」
「ん? どういうこと?」
俺は颯真のキスシーンをドラマで観て強い衝撃を受けたことを話した。それから強い不安感に襲われ、颯真を繋ぎ留めるために今回のことを計画したことも。
「あれは仕事でやったことだってちゃんとわかってる。わかってるのに、どうしても嫌だと思ってしまって……同じ俳優として恥ずかしいよ。ごめん……」
「え? ということは、恭介さんは焼き餅を焼いたってこと、ですよね?」
「……そうだよ。この歳になってこんなに嫉妬深かったなんて初めて知った」
「恭介さん!」
「ぅわっ!?」
颯真は俺を抱きしめたまま、ぐるんと回転して俺をその体の上へと乗せた。凄い力だ。若いって凄い。
「僕、凄く凄く嬉しいです。……僕も本当は不安だったんです。半ば無理やり体から落としたようなものだから」
メッセージアプリでの連絡も、デートの約束も、こうしてセックスに誘うのも、基本的には全部颯真からだ。俺がそれに断ったり無視をしたりすることはないが、気持ちを確認し合ったとしても俺からのアクションがあまりなかったことが不安だったそうだ。
それに対して俺は反省しなければならない。颯真に甘えてばかりだった俺の落ち度だ。
「あ、言っておきますけどそれに不満があったわけじゃないんです。恭介さんが僕を好きになってくれたこともわかってます。でも僕ばっかりが好きで、恭介さんにウザく思われてたらどうしようって……」
「……本当にごめん。自分でも颯真のことをこんなにも好きだったんだって最近になってやっと気が付いたんだ。あのキスシーンを見て、颯真を取られたくないって強く思った」
でも俺はどうやったっておっさんで、颯真が若くて綺麗な子に気持ちを向ける日が来るかもしれない。そうなったら俺はあまりのショックにどうなるかわからない。だからそうならないよう、俺もちゃんと颯真が好きなんだって伝えたかった。
「それがこのエロい下着なわけですか」
「……自分でもやってしまった感はあるけど、あの時はこれしか思いつかなくて」
「もう最高です。僕、もっともっと恭介さんのことが好きになりました」
「よかった……これで引かれたらどうしようって、半ば賭けみたいなものだったから」
「引かないですよ。僕の恭介さんを想う気持ちは、何があっても変わりませんから」
颯真はにっこり笑って、軽くチュッとキスをする。嬉しくて、俺も颯真の頬にキスを返した。
「ねぇ恭介さん。僕、まだ興奮が冷めてないんです。もう少し付き合ってくれますよね?」
「え……? まだ、ヤレるの?」
「当然です! まだブラに隠れた乳首を舐めてないし、この下着を脱がしたりしないといけないので!」
若いって凄いな。これが若さか。若いってそれだけで凄い。
「……まぁ明日も休みだしいいけど」
「やった! 僕を煽った責任、ちゃんと取ってくださいね」
それから俺は長時間、颯真と爛れに爛れまくったクリスマスを過ごすことになった。明日も休みだからいいとか言ったのは俺だが後悔しかしていない。だって颯真がずっと全力でくるとは思わなかったんだ! 最終的に俺は気絶したんだと思う。若さを侮るなかれ。肝に銘じよう。
とはいえ颯真の気持ちは痛いほどにわかったし、俺もいっぱい気持ちを伝えられたと思う。きっと、今後は颯真のキスシーンを見たとしても前みたいなことにはならないだろう。
それから颯真とドラマ共演した女優が勘違いして一悶着あったり、颯真が俺のことをいろんな人に話したことで俺にドラマの主演の話がきたり、俺がドラマでキスシーンがあった時に颯真が荒れて大変なことになったり、颯真と一緒にモデルの仕事までしたり、颯真が新たな下着をたくさん購入して俺に着せてきたり、それに対抗してアナルビーズなどの大人なオモチャを俺が用意したら颯真が発狂したり、と忙しい日々が訪れることになる。
俺達は同性だから結婚は出来ないけれど、家族になりたいと颯真が言ってくれて養子縁組をすることになった。
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