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9 ラルフィーの力と野菜
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今日は月に一度、村に商人がやってくる日だ。野菜の種を買えたら僕もようやく畑仕事が出来る。すぐに種を植えられるよう、土を耕してあるから種を買い次第すぐに蒔こうと思う。
いつも昼過ぎに到着すると教えてもらったため、その時間に村の広場へとやって来ると大きな荷馬車が見えた。既に村の人が全員集まっているようだ。
「こんにちは。野菜の種はありますか?」
「ん? ああ、あんたたちが新しく村に住むことになったやつだな? なんでも身分違いの恋を成就させるために駆け落ちしてきたんだって? いやぁ、なかなかやるじゃないか」
「へっ!?」
商人は恰幅のいいおじさんだった。アハハと笑いながらヴァンの背中をバシバシと叩いている。
どうやら村長さんが僕たちのことを話したらしい。駆け落ちしてることまで話さなくてもいいと思うんだけど……
売られているものを見せてもらうといろんな野菜の種と苗があった。苗の方が早く育つから種と両方買うことに。それからベッドのシーツや布類、その他日用品もいろいろとあったから買えるだけ買うことにした。
今ここにないものでも頼めば次にここへ来る時に持ってきてくれるらしい。そこでベッドやソファーといったものを買えるか聞いてみた。
「ん? ベッドが欲しい? ……はは~ん。さては余りの激しさに壊れそうってことか? いや~若いってのはいいねぇ!」
「……え?」
何を言っているのかわからず、ヴァンの顔を見ると若干気まずそうに視線を逸らした。ん? ヴァンは意味をわかってるってこと?
「だが悪いな。ベッドはさすがに大きいから次に持って来られるかはわからねぇ。補強の仕方なら村長がわかってるから聞いてみるといい」
「……ああ、そうさせてもらう」
補強の仕方ならもともと住んでいた村でやっていたから僕でもわかる。もう一台ベッドが欲しいって話だったのに、どうやら上手く話が伝わっていないようだ。僕が訂正しようとするが、商人のおじさんは他の村人と話し込んでしまって伝えることが出来なかった。
……どちらにしろ、しばらくはヴァンと一緒に寝ることになりそうだ。
それと商人のおじさんは、村人から野菜や狩りで得た毛皮を買い取っているようだった。そのお金で商人のおじさんから品物を買ったりしているから、次の来村の時には僕たちもそうしようと思う。
荷物を抱え家に帰ると、すぐに僕は畑へと向かう。綺麗に耕した畑に野菜の苗を植えていった。
「元気に大きく育ってね」
種と苗を植える時に、僕の聖属性を流し込む。王都へ連れてこられるまで、僕はずっと畑で野菜や花を育てていた。僕が育てた野菜は他の人が育てるより大きく早く育つ。花も普通のものより早く育ち、開花も早い。しかも花が咲いている期間も長かった。
その時は「他の子たちより早いな~」とただ呑気に思っていたけど、僕が聖属性の力を持っていてそれが自然と漏れ出ていた結果なんだと思う。
だから今回は最初からしっかり聖属性の力を与えて育ててみたらどうなるのかを見てみたかった。結果が楽しみだ。
◇
「……フィー、植えたのは二日前だよな?」
「……うん」
「……素人の俺が見ても異常な育ち方だと思うんだが」
「……奇遇だね。僕もそう思うよ」
なんと僕が聖属性の力を与えた野菜は、二日間という短い日数であっという間に育ってしまった。しかも葉っぱが茂りすぎて畑を大きくはみ出している。それに実も普通のものより三倍ほど大きい。
さすがにこれは想定していなかった。いくらなんでも過剰だと思う。野菜たちは呑気に「大きく育ったよ! 美味しいよ!」と嬉しそうに声を上げていた。
とりあえずこのままにはしておけないと、ヴァンと二人してたくさん実ってしまった野菜たちを収穫する。数も多いから時間がかかり、午前中いっぱい収穫作業をする羽目に。
家の中に運び込むと狭いリビングが野菜でいっぱいになってしまった。もうこれは仕方ないので気を取り直して、早速野菜を食べてみることに。
生で食べられる葉物野菜はちぎってサラダにして、火を通す野菜はスープにする。あとはヴァンが狩りで獲ってきてくれたお肉を焼いてお昼ご飯の完成だ。
ここへ逃げてくるまでしっかりと食べられなかったけど、今日からはお腹いっぱい食べられそうだ。
「美味いっ……」
「うん、味が凄く濃いね」
食前の祈りを捧げて早速一口。ヴァンは驚きに目を見開いていたが、それは僕も同じだった。僕が育てた野菜は味も濃く手美味しいのだけど、今まで以上に美味しくなっていた。
「それになんだか体が回復した……?」
「僕も収穫で疲れてたけど、あっという間にだるさがなくなったよ」
以前はなんとなく、ぼんやりとしか感じなかったが、今回ははっきりと体が回復したことを感じ取れた。なんだか長い距離を全力疾走しても全然疲れなさそうな感じがする。
「傷が治ってる」
ヴァンが袖をめくりそう呟いた。どうやら僕に内緒にしていたみたいだけど、狩りの時に小さな怪我をしていたらしい。だが次の瞬間ヴァンは勢いよく立ち上がり「悪い」と一言言うとそのまま寝室へと入って行ってしまった。
僕は、一体どうしたのかと呆然とする。もしかして回復しすぎて急に体の具合が悪くなったんじゃ……
そう不安に思い寝室のドアをしばらく見つめていたが、すぐにヴァンは寝室から飛び出してきた。その顔は焦燥感だけが浮かんでいる。そのまま僕の側まで来ると肩を強く掴まれた。
「フィー、あの野菜のことは誰にも言うな!」
「え? え? あ、の、一体何……?」
「……古傷まで綺麗に消え去っていた。こんな野菜が作れることが知られたら、フィーはまた使い潰されるぞ」
「……ど、どういうこと!?」
ヴァンの話では、体中に残っていた古傷が全部綺麗に消え去っていたというのだ。ヴァンが高熱を出した時、汗を拭き取った時にその傷跡を見ている。体中に付いていた傷跡は見ているだけで胸が苦しくなるほどの数だった。それが全て消えたという。
僕は信じられなくて、ヴァンに汗を拭き取った時のことを話した。そしてその体を見せてほしいと。ヴァンはあの傷跡を見られたと知って一瞬眉間に皺を寄せたが、それはすぐに解け上の服を脱いでくれた。
露になったヴァンの上半身。そこにはあの時見た傷跡が本当にひとつ残らず消えていた。それを見た僕も思わず絶句する。
だって僕の癒しの力は傷跡を治せるものではなかったからだ。今ある傷を治すなら傷跡もなく綺麗に治せる。だけどとっくに傷が治り跡だけが残っている状態だった場合は、その傷跡を消すことは出来なかったのだ。
僕はそれでとある貴族から散々怒られたことがある。「この傷跡を消せと言ったのになぜ出来ないのだ!」と。
だけど僕が今回育てた野菜でヴァンの体に残っていた傷跡は綺麗になくなってしまった。こんなのははっきり言って異常だ。直接癒しの力を使っても傷跡が消えなかったのに、いくら聖属性の力を注いで育てたと言っても野菜を食べただけだ。なのにどうして……
「……おそらくだが、フィーの力は植物と親和性が高いのだろう。植物の気持ちがわかることがいい例だ」
植物との親和性。そういうことか。僕個人の能力は魔力量も低くて大したことはない。だけどそれを植物に分け与え育て、それを口にすると大きな効果を得られるようになるということだ。植物に力を貸してもらうという風に考えるとしっくりくる。
今後、この方法で野菜を作った場合は自分たちだけで消費することになった。商人に売るのは普通に育てたものだけ。それでも少し不思議な力のある野菜にはなるけど、元々住んでいた村でも大きな混乱があったわけじゃない。きっとこの村でも大丈夫なはずだ。
今リビングを占拠している野菜に目をやる。これをご近所さんたちにおすそ分けしようと思っていたけど出来なくなってしまった。この量の野菜を僕たち二人で消費するのはかなり大変そうだ。
たくさん食べられるようになったはいいものの、食べ切れるのだろうかという贅沢な不安が襲い、深い溜息が漏れてしまった。
いつも昼過ぎに到着すると教えてもらったため、その時間に村の広場へとやって来ると大きな荷馬車が見えた。既に村の人が全員集まっているようだ。
「こんにちは。野菜の種はありますか?」
「ん? ああ、あんたたちが新しく村に住むことになったやつだな? なんでも身分違いの恋を成就させるために駆け落ちしてきたんだって? いやぁ、なかなかやるじゃないか」
「へっ!?」
商人は恰幅のいいおじさんだった。アハハと笑いながらヴァンの背中をバシバシと叩いている。
どうやら村長さんが僕たちのことを話したらしい。駆け落ちしてることまで話さなくてもいいと思うんだけど……
売られているものを見せてもらうといろんな野菜の種と苗があった。苗の方が早く育つから種と両方買うことに。それからベッドのシーツや布類、その他日用品もいろいろとあったから買えるだけ買うことにした。
今ここにないものでも頼めば次にここへ来る時に持ってきてくれるらしい。そこでベッドやソファーといったものを買えるか聞いてみた。
「ん? ベッドが欲しい? ……はは~ん。さては余りの激しさに壊れそうってことか? いや~若いってのはいいねぇ!」
「……え?」
何を言っているのかわからず、ヴァンの顔を見ると若干気まずそうに視線を逸らした。ん? ヴァンは意味をわかってるってこと?
「だが悪いな。ベッドはさすがに大きいから次に持って来られるかはわからねぇ。補強の仕方なら村長がわかってるから聞いてみるといい」
「……ああ、そうさせてもらう」
補強の仕方ならもともと住んでいた村でやっていたから僕でもわかる。もう一台ベッドが欲しいって話だったのに、どうやら上手く話が伝わっていないようだ。僕が訂正しようとするが、商人のおじさんは他の村人と話し込んでしまって伝えることが出来なかった。
……どちらにしろ、しばらくはヴァンと一緒に寝ることになりそうだ。
それと商人のおじさんは、村人から野菜や狩りで得た毛皮を買い取っているようだった。そのお金で商人のおじさんから品物を買ったりしているから、次の来村の時には僕たちもそうしようと思う。
荷物を抱え家に帰ると、すぐに僕は畑へと向かう。綺麗に耕した畑に野菜の苗を植えていった。
「元気に大きく育ってね」
種と苗を植える時に、僕の聖属性を流し込む。王都へ連れてこられるまで、僕はずっと畑で野菜や花を育てていた。僕が育てた野菜は他の人が育てるより大きく早く育つ。花も普通のものより早く育ち、開花も早い。しかも花が咲いている期間も長かった。
その時は「他の子たちより早いな~」とただ呑気に思っていたけど、僕が聖属性の力を持っていてそれが自然と漏れ出ていた結果なんだと思う。
だから今回は最初からしっかり聖属性の力を与えて育ててみたらどうなるのかを見てみたかった。結果が楽しみだ。
◇
「……フィー、植えたのは二日前だよな?」
「……うん」
「……素人の俺が見ても異常な育ち方だと思うんだが」
「……奇遇だね。僕もそう思うよ」
なんと僕が聖属性の力を与えた野菜は、二日間という短い日数であっという間に育ってしまった。しかも葉っぱが茂りすぎて畑を大きくはみ出している。それに実も普通のものより三倍ほど大きい。
さすがにこれは想定していなかった。いくらなんでも過剰だと思う。野菜たちは呑気に「大きく育ったよ! 美味しいよ!」と嬉しそうに声を上げていた。
とりあえずこのままにはしておけないと、ヴァンと二人してたくさん実ってしまった野菜たちを収穫する。数も多いから時間がかかり、午前中いっぱい収穫作業をする羽目に。
家の中に運び込むと狭いリビングが野菜でいっぱいになってしまった。もうこれは仕方ないので気を取り直して、早速野菜を食べてみることに。
生で食べられる葉物野菜はちぎってサラダにして、火を通す野菜はスープにする。あとはヴァンが狩りで獲ってきてくれたお肉を焼いてお昼ご飯の完成だ。
ここへ逃げてくるまでしっかりと食べられなかったけど、今日からはお腹いっぱい食べられそうだ。
「美味いっ……」
「うん、味が凄く濃いね」
食前の祈りを捧げて早速一口。ヴァンは驚きに目を見開いていたが、それは僕も同じだった。僕が育てた野菜は味も濃く手美味しいのだけど、今まで以上に美味しくなっていた。
「それになんだか体が回復した……?」
「僕も収穫で疲れてたけど、あっという間にだるさがなくなったよ」
以前はなんとなく、ぼんやりとしか感じなかったが、今回ははっきりと体が回復したことを感じ取れた。なんだか長い距離を全力疾走しても全然疲れなさそうな感じがする。
「傷が治ってる」
ヴァンが袖をめくりそう呟いた。どうやら僕に内緒にしていたみたいだけど、狩りの時に小さな怪我をしていたらしい。だが次の瞬間ヴァンは勢いよく立ち上がり「悪い」と一言言うとそのまま寝室へと入って行ってしまった。
僕は、一体どうしたのかと呆然とする。もしかして回復しすぎて急に体の具合が悪くなったんじゃ……
そう不安に思い寝室のドアをしばらく見つめていたが、すぐにヴァンは寝室から飛び出してきた。その顔は焦燥感だけが浮かんでいる。そのまま僕の側まで来ると肩を強く掴まれた。
「フィー、あの野菜のことは誰にも言うな!」
「え? え? あ、の、一体何……?」
「……古傷まで綺麗に消え去っていた。こんな野菜が作れることが知られたら、フィーはまた使い潰されるぞ」
「……ど、どういうこと!?」
ヴァンの話では、体中に残っていた古傷が全部綺麗に消え去っていたというのだ。ヴァンが高熱を出した時、汗を拭き取った時にその傷跡を見ている。体中に付いていた傷跡は見ているだけで胸が苦しくなるほどの数だった。それが全て消えたという。
僕は信じられなくて、ヴァンに汗を拭き取った時のことを話した。そしてその体を見せてほしいと。ヴァンはあの傷跡を見られたと知って一瞬眉間に皺を寄せたが、それはすぐに解け上の服を脱いでくれた。
露になったヴァンの上半身。そこにはあの時見た傷跡が本当にひとつ残らず消えていた。それを見た僕も思わず絶句する。
だって僕の癒しの力は傷跡を治せるものではなかったからだ。今ある傷を治すなら傷跡もなく綺麗に治せる。だけどとっくに傷が治り跡だけが残っている状態だった場合は、その傷跡を消すことは出来なかったのだ。
僕はそれでとある貴族から散々怒られたことがある。「この傷跡を消せと言ったのになぜ出来ないのだ!」と。
だけど僕が今回育てた野菜でヴァンの体に残っていた傷跡は綺麗になくなってしまった。こんなのははっきり言って異常だ。直接癒しの力を使っても傷跡が消えなかったのに、いくら聖属性の力を注いで育てたと言っても野菜を食べただけだ。なのにどうして……
「……おそらくだが、フィーの力は植物と親和性が高いのだろう。植物の気持ちがわかることがいい例だ」
植物との親和性。そういうことか。僕個人の能力は魔力量も低くて大したことはない。だけどそれを植物に分け与え育て、それを口にすると大きな効果を得られるようになるということだ。植物に力を貸してもらうという風に考えるとしっくりくる。
今後、この方法で野菜を作った場合は自分たちだけで消費することになった。商人に売るのは普通に育てたものだけ。それでも少し不思議な力のある野菜にはなるけど、元々住んでいた村でも大きな混乱があったわけじゃない。きっとこの村でも大丈夫なはずだ。
今リビングを占拠している野菜に目をやる。これをご近所さんたちにおすそ分けしようと思っていたけど出来なくなってしまった。この量の野菜を僕たち二人で消費するのはかなり大変そうだ。
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