鉱山で裏切られ死んでしまった俺は新たに最強の魔術師として生まれ変わりました

天々

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新・第一章 月ノ氷結花編

第七話 月華神公パレッツ①

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リアクは観光をやめて、急ぎ足で月面首都に向かった。

急ぎ足…と言っても、リアクは空を飛んで居た。

これはもう…一度惑星に帰るか…。

「君が、リアク…ガルディアかな…??」

声を聞いた瞬間、飛ぶのを停めた。

そこには黒と白を基調としたロングコートのようなものを着て、腰には剣をぶら下げている者がいた。

「誰だ?」

「あぁ。失礼。私は陛下の守護者である月華神公が1人。神速ノ戦士パレッツである」

「月華神公…ってやつか」

「正しくそうです。陛下より貴方を止めるように言われたので」

「あいにくだが、俺は急いでいる。それは叶えられない願いだ」

「なら実力行使も辞さないですよ」

どうする。俺は自慢じゃないが強い。そうあの最強ギヴェルトスを倒したんだ。それに魔王レヴァーナを取り込んだから闇魔法も使える。しかし歳を取って衰えているには違いない。なんせあれほどの戦いをしたのは6年も前だ。月華神公というものがどれほどの強さかも知らない現状、俺は不利と言える。援軍も来たらさらにだ。しかし…世界が…リエとアシュペナ…そして子供たちが心配だ。俺は…帰るしかない。…戦ってでも!

「それなら俺も戦う」

「ほぉ。随分自信ありきですね。ではしますか…」

リアクは冷や汗をかく。そしてパレッツが少し動いた時。先にしかけたのはリアクであった。

「英雄ナル我ガ唱エル。属性火。獄炎、炎華の業火車!」

リアクの右手には火の剣が現れた。この剣は対象、つまり今回ではパレッツを7回斬るまでパレッツを自動追尾するというものだ。そして7回斬った時、それはパレッツの戦闘不能を表す。7回目の攻撃を受けた時対象の魔力は全て発動者に吸収されてしまうのである。

「やはり…英雄魔法を使うのですね…。我々はその魔法には疎いため、大変ですね。だが私らとて負けてたまるかって感じですよ。なのでこちらも行かせて─」

話を遮り、火の剣がパレッツの顔をかすめる。無傷─かと思われたが、剣はパレッツの左耳を切断していた。1─

「おやっ…完全に避けたと思ったのですが…、速いですね」

「あぁ…っ!」

足を切断しようと火の剣を振り回す。

パレッツの右太ももに火の剣が当たる。しかし傷は浅い。2─

「そんなの怪我にもなりませんよ。ただのかすり傷。弱い弱い─」

パレッツの右頬を火の剣が掠る。3─

そしてまたもや、左腕を掠る。4─

「かすり傷ばっか与え…何をしたいんだ貴様は」

剣を交わしながら、喋るパレッツ。そして首を狙ったリアクは火の剣を突き刺そうとする。しかしパレッツはそれを、なんと自分の右腕で防いだのだ。当然剣は右腕を貫き顔まで迫っている。5─

しかし、腕に剣が刺さり身動きが取りずらくなるリアクは、パレッツから協力なパンチを食らう。

「ぐぁっ…!」

空から地面に落ちていくリアク。思わず血を吐く。恐らく内蔵が破裂している。しかし依然としてリアクは火の剣を解除していない。あと2回である。

くそ…治癒はできるが…相手に隙を与えてしまう。これは攻めるしかない…。
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