1 / 138
プロローグ
祝入学。早々に保健室。
しおりを挟む
今日から新しい学校生活が始まった。
高校の入学式。
大事な式にも関わらず、僕は目眩を起こし、泣く泣く保健室に行くことにした。
今までの経験上、あのまま式を続けていれば倒れることは間違いない。倒れて目立つよりも保健室に行って目立つほうが印象は悪くないと思った。
「あれ……誰もいない……」
保健室に来たものの部屋には誰もいなかった。
ベッドで少し横になれば回復するだろう。わざわざ先生を呼んで診てもらうものでもない。
ベッドは全部で三つ。それぞれがピンク色の布で仕切られている。
僕は一番奥のベッドまで足を運ぶと、スリッパを脱いで倒れるように寝転んだ。
目を瞑って眠りにつこうとする。
だが、意識は朧げなままをキープし続けていた。僕の持つ睡眠障害の厄介なところだ。眠いにも関わらず、一向に寝付けない。
ガラッ。
ようやく寝付けそうだと思った時、不意に部屋の扉が開く。
それによって意識が半分覚醒してしまった。
「はぁ……暇だな……入学式早々に保健室に来る奴なんていないだろ」
聞こえてきたのは女性の声だった。
大人の女性特有の色気のある声音。保健室の先生が帰ってきたようだ。
声をかけようと思ったが、半入眠状態の今は体を動かすのが辛かった。
このまま寝ていればいずれ気がつくだろう。楽観的に考え、再び睡眠に注力する。何も考えず、呼吸のみに意識を集中させた。
「暇だからゲームの続きでもやりますか。昨日は良いところで終わっちゃったんだよな」
女性がそう言うと、こちらに向かってくる足音が聞こえる。
その音は途中で止まり、次には椅子を引く音が聞こえる。自分の記憶を辿ると部屋の真ん中に作業机があったように思える。
「あれ……イヤホンがねえな……職員室に置いてきたか。まあいっか、どうせ誰も来ねえだろうし、来たら切ればいいしな」
話がまとまったようで物を置く音が聞こえる。
電源の入る音からパソコンを起動したのだと分かる。それからマウスのクリック音がパチパチと聞こえる。
『流されたのはエロ漫画の設定にありそうな島だった件』
可愛らしい女の子のボイスが部屋に小さく響き渡る。女性は「音量デカすぎたか」と焦る様子もなくボリュームを下げていった。
なんていうタイトルのゲームをやろうとしてるんだ。
僕は顔も知らない女性に思わず呆れた。それが良かったのか僕は意識を奪われようやく入眠することができた。
高校の入学式。
大事な式にも関わらず、僕は目眩を起こし、泣く泣く保健室に行くことにした。
今までの経験上、あのまま式を続けていれば倒れることは間違いない。倒れて目立つよりも保健室に行って目立つほうが印象は悪くないと思った。
「あれ……誰もいない……」
保健室に来たものの部屋には誰もいなかった。
ベッドで少し横になれば回復するだろう。わざわざ先生を呼んで診てもらうものでもない。
ベッドは全部で三つ。それぞれがピンク色の布で仕切られている。
僕は一番奥のベッドまで足を運ぶと、スリッパを脱いで倒れるように寝転んだ。
目を瞑って眠りにつこうとする。
だが、意識は朧げなままをキープし続けていた。僕の持つ睡眠障害の厄介なところだ。眠いにも関わらず、一向に寝付けない。
ガラッ。
ようやく寝付けそうだと思った時、不意に部屋の扉が開く。
それによって意識が半分覚醒してしまった。
「はぁ……暇だな……入学式早々に保健室に来る奴なんていないだろ」
聞こえてきたのは女性の声だった。
大人の女性特有の色気のある声音。保健室の先生が帰ってきたようだ。
声をかけようと思ったが、半入眠状態の今は体を動かすのが辛かった。
このまま寝ていればいずれ気がつくだろう。楽観的に考え、再び睡眠に注力する。何も考えず、呼吸のみに意識を集中させた。
「暇だからゲームの続きでもやりますか。昨日は良いところで終わっちゃったんだよな」
女性がそう言うと、こちらに向かってくる足音が聞こえる。
その音は途中で止まり、次には椅子を引く音が聞こえる。自分の記憶を辿ると部屋の真ん中に作業机があったように思える。
「あれ……イヤホンがねえな……職員室に置いてきたか。まあいっか、どうせ誰も来ねえだろうし、来たら切ればいいしな」
話がまとまったようで物を置く音が聞こえる。
電源の入る音からパソコンを起動したのだと分かる。それからマウスのクリック音がパチパチと聞こえる。
『流されたのはエロ漫画の設定にありそうな島だった件』
可愛らしい女の子のボイスが部屋に小さく響き渡る。女性は「音量デカすぎたか」と焦る様子もなくボリュームを下げていった。
なんていうタイトルのゲームをやろうとしてるんだ。
僕は顔も知らない女性に思わず呆れた。それが良かったのか僕は意識を奪われようやく入眠することができた。
20
あなたにおすすめの小説
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる