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離れたい距離と心の自覚
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一人になった控え室で、不可抗力とはいえ彼と距離を取るつもりが、逆に近づいてしまったことに頭を抱えていた。
「“君嶋ゆこ”の事がある限り、彼とはビジネスライクの付き合いを維持しなきゃいけないのに…。」
おまけに、彼の悪くない…寧ろ良すぎる人柄が私を困らせていた。
「思いっきり女ったらしだったら、邪険にもしやすいのに…。」
かといって、流される訳には行かない。
私は編集者の仮面を被り直して、そろそろ撮影が終わる頃であろう現場に戻った。
“フォトブックにして下さい!”
そんな声がスタッフの女の子から上がったほど、本当に良いグラビアが撮れた。
前に“撮る方と撮られる方の信頼関係がなければ、良い写真は撮れないものだ。”と、キミちゃんが言っていたことを思えば、彼がカメラマンのキミちゃんと仲良くなれた時点で、今回のグラビアの6割りは成功していたかも知れない。
あとはキミちゃんに選別を任せてベストショットを選び、最終決定を彼にしてもらうだけだ。
私は一足早く社に戻るため、彼がいる控え室のドアをノックした。
「宇佐美さん、木原です。」
「はい!どうぞ!」
彼はまだ着替えをしている最中で、上半身裸だった。
先程、撮影したデータの中の彼の裸体を見たというのに、私は気恥ずかしさから直視出来ず俯いて目を反らした。
「体は…大丈夫ですか?」
「はい、お陰様で…。」
さっきとは違う、元に戻ってしまった私の硬い雰囲気に、彼は戸惑っている様だった。
「…本当に?」
「はい、大丈夫です。」
口を開き何か言いかけてる彼を制すように私は言葉を続けた。
「仕事が残っていますので、私はお先に失礼させて頂きます。本日は本当に有り難うございました。」
私服の白のカットソーに着替えた彼が、こちらに近づいてきた。
「木原さん、もう行っちゃうんだ…。」
「はい…今回もお見送り出来ず、申し訳ありません。次回、また何かの企画でお会いしたときは、またよろしくお願いいたします。」
私は義務的な挨拶をして彼に頭を下げたあと、ドアへ向かおうとした。
「待って!」
「…何でしょうか?」
振り返ると彼は懇願するように私を見つめていた。
「打ち上げ…来ますよね?」
「まだ何とも言えません…無事に入稿出来たらご連絡させて頂きます。」
「…じゃあ、今、一つだけ訊いてもいいですか?」
「何でしょう?」
「今日の僕は…貴女にとって一人の“男”でしたか?」
「…どういう意味…ですか?」
「僕は…今日、貴女に一人の“男”して見て欲しかったんです。“木原柚子”さんに…。」
突然の彼の言葉に、私は動揺していた。
彼の言っている意味を理解しようとしたが、頭がフリーズして上手く考えらない。
私に一歩近づいてきた彼を見上げると、真剣な表情の彼がそこにいた。
“一人の男として見て欲しかったんです。”
彼のその表情を見て、言葉の意味を理解した私は右手で、胸をギュッと押さえた。
理解したそれは、私の胸に熱をもたらしたと同時に、じわじわと苦しいぐらいに締め付けてきたのだ。
(本当に彼は“木原柚子”に見て欲しかったんだろうか?本当は“君嶋ゆこ”に見て欲しいんじゃないだろうか?)
ぐるぐるとそんな複雑な思いが心の中に渦巻く。
「少しでも…魅力的な男だと貴女の瞳に映ってくれたなら…嬉しいんですが…」
自信なさげに私の様子を伺うように、彼は私の言葉を待っていた。
私は素直な感想を述べることにした。
それはあくまで、編集者としての素直な感想だ。
編集者の仮面を被り直した私に、個人的なの感想を話すことは出来なかった。
話してしまえば、何かが変わってしまう気がしていたのだ。
「…とても魅力的でした。宇佐美さんが女性を魅了する理由が今日、実感して分かった気がします。きっと…本誌を手にとって下さる宇佐美さんのファンの方たちにも、その魅力は伝わると思います。」
最初は笑顔だった彼の顔が、最後には寂しさを含んで歪んだ。
「僕は…欲張り過ぎるみたいです。」
「え?」
「編集者の貴女の口から“魅力的でした。”と言って貰えてそれも嬉しいのに…僕は…一人の女性としての貴女に…もっと誉めて欲しい。」
「宇佐美…さん…」
私はどう返事をすれば良いのか、分からず混乱したまま彼を見つめた。
彼の震える手が、私の頬に触れようと伸びてきた。
頭の中では警鐘がなっているのに、私は彼の手から逃れようと動くことが出来ない。
もう少しで触れてしまう…そう思った時だった。
「宇佐美さん、いらっしゃいますか?」
不意のノックの音が聞こえたあと、ドアの向こうで彼を呼ぶスタッフの声が聞こえてきた。
彼は私に届かなかった手を見つめ、苦しそうにギュッと握り込んだ。
「…今、着替え中なんですが…何か?」
「す、すみません!!…あの…キミさんが呼んでます。ちょっと良いですか?」
「分かりました、直ぐにうかがいます。」
「お願いします!では、失礼します。」
「…」
去っていくスタッフの足音が消えて長い沈黙が訪れた。
そして、それを破ったのは彼だった。
「貴女の体のことも心配ですが、お仕事もありますし無理を言って困らせている自覚もあるんですが…。出来れば…僕は貴女ともっと話したい。僕を…もっと知って欲しい…だから…」
私は苦しくなって何も彼に答えることが出来ないまま、頭を下げて“失礼します。”と言って部屋を出た。
閉めたドアの向こうからは、“僕は、柚子さんを待ってますから!”という彼の声が聞こえた。
彼の言葉に縫い止められてしまうことを恐れるように、私は現場を後にした。
午後9時。
入稿は滞りなく終わり、私は誰もいない編集部で自分の席でボーッと座り込んで動けなくなっていた。
このまま打ち上げに行かなければ、もう“君嶋ゆこ”だったことがバレるのを心配しなくても良くなる。
彼は私の連絡先を知らない。
もう…彼とは仕事が無い限り会うこともなくなる。
だけど、彼が叫んでいた。
“僕は、柚子さんを待ってますから!”…と。
…その言葉は私の耳に絡みついて、何時まで経っても離れてくれない。
“ゆこさん”でもなく、“木原さん”でもなく、“柚子さん”と呼んだ彼の真意を読み切れず、私は考えあぐねていた。
初めてインタビューで彼に会った時、彼が求めていたのは“君嶋ゆこ”だった。
あの時の彼は、やっと見つけた“君嶋ゆこ”に縋り付くような勢いで、私がそれであると認めることをねだった。
だけど、今日の彼はどうだったろうか?
先日の無礼を謝罪し、努めて“木原柚子”として私を扱ってくれていた。
真剣に心配し、真剣に怒り、“木原柚子”に接してくれた。
でも…
「本当に…“君嶋ゆこ”としての私よりも“木原柚子”としての私を彼は望んでくれているのだろうか…?」
自分で呟いたその言葉に、私は自分の気持ちに自覚した。
「私は…“君嶋ゆこ”に嫉妬しているんだ…。」
ずっと彼から愛され続けている“君嶋ゆこ”に…。
もう存在しない過去の私に…。
そして、それを目の当たりにすることを怖れている。
私を“君嶋ゆこ”として扱う彼を…私は見たくなかったのだ。
彼ヲ…好キニナッテイルカラ…。
「過去の自分に嫉妬するだなんて…。」
椅子の背もたれに体を投げ出し、両手で顔を覆いながら私は乾いた笑い声を上げた。
「困ったなぁ…“木原柚子”は“君嶋ゆこ”よりも彼から愛される自信がないのに…“木原柚子”として…彼に愛されたがってる。」
いくら抑え込もうとしても自覚してしまった心は、彼を求めて止まない。
私は立ち上がり、ストールを羽織り帰り支度を始めた。
「“君嶋ゆこ”の事がある限り、彼とはビジネスライクの付き合いを維持しなきゃいけないのに…。」
おまけに、彼の悪くない…寧ろ良すぎる人柄が私を困らせていた。
「思いっきり女ったらしだったら、邪険にもしやすいのに…。」
かといって、流される訳には行かない。
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“フォトブックにして下さい!”
そんな声がスタッフの女の子から上がったほど、本当に良いグラビアが撮れた。
前に“撮る方と撮られる方の信頼関係がなければ、良い写真は撮れないものだ。”と、キミちゃんが言っていたことを思えば、彼がカメラマンのキミちゃんと仲良くなれた時点で、今回のグラビアの6割りは成功していたかも知れない。
あとはキミちゃんに選別を任せてベストショットを選び、最終決定を彼にしてもらうだけだ。
私は一足早く社に戻るため、彼がいる控え室のドアをノックした。
「宇佐美さん、木原です。」
「はい!どうぞ!」
彼はまだ着替えをしている最中で、上半身裸だった。
先程、撮影したデータの中の彼の裸体を見たというのに、私は気恥ずかしさから直視出来ず俯いて目を反らした。
「体は…大丈夫ですか?」
「はい、お陰様で…。」
さっきとは違う、元に戻ってしまった私の硬い雰囲気に、彼は戸惑っている様だった。
「…本当に?」
「はい、大丈夫です。」
口を開き何か言いかけてる彼を制すように私は言葉を続けた。
「仕事が残っていますので、私はお先に失礼させて頂きます。本日は本当に有り難うございました。」
私服の白のカットソーに着替えた彼が、こちらに近づいてきた。
「木原さん、もう行っちゃうんだ…。」
「はい…今回もお見送り出来ず、申し訳ありません。次回、また何かの企画でお会いしたときは、またよろしくお願いいたします。」
私は義務的な挨拶をして彼に頭を下げたあと、ドアへ向かおうとした。
「待って!」
「…何でしょうか?」
振り返ると彼は懇願するように私を見つめていた。
「打ち上げ…来ますよね?」
「まだ何とも言えません…無事に入稿出来たらご連絡させて頂きます。」
「…じゃあ、今、一つだけ訊いてもいいですか?」
「何でしょう?」
「今日の僕は…貴女にとって一人の“男”でしたか?」
「…どういう意味…ですか?」
「僕は…今日、貴女に一人の“男”して見て欲しかったんです。“木原柚子”さんに…。」
突然の彼の言葉に、私は動揺していた。
彼の言っている意味を理解しようとしたが、頭がフリーズして上手く考えらない。
私に一歩近づいてきた彼を見上げると、真剣な表情の彼がそこにいた。
“一人の男として見て欲しかったんです。”
彼のその表情を見て、言葉の意味を理解した私は右手で、胸をギュッと押さえた。
理解したそれは、私の胸に熱をもたらしたと同時に、じわじわと苦しいぐらいに締め付けてきたのだ。
(本当に彼は“木原柚子”に見て欲しかったんだろうか?本当は“君嶋ゆこ”に見て欲しいんじゃないだろうか?)
ぐるぐるとそんな複雑な思いが心の中に渦巻く。
「少しでも…魅力的な男だと貴女の瞳に映ってくれたなら…嬉しいんですが…」
自信なさげに私の様子を伺うように、彼は私の言葉を待っていた。
私は素直な感想を述べることにした。
それはあくまで、編集者としての素直な感想だ。
編集者の仮面を被り直した私に、個人的なの感想を話すことは出来なかった。
話してしまえば、何かが変わってしまう気がしていたのだ。
「…とても魅力的でした。宇佐美さんが女性を魅了する理由が今日、実感して分かった気がします。きっと…本誌を手にとって下さる宇佐美さんのファンの方たちにも、その魅力は伝わると思います。」
最初は笑顔だった彼の顔が、最後には寂しさを含んで歪んだ。
「僕は…欲張り過ぎるみたいです。」
「え?」
「編集者の貴女の口から“魅力的でした。”と言って貰えてそれも嬉しいのに…僕は…一人の女性としての貴女に…もっと誉めて欲しい。」
「宇佐美…さん…」
私はどう返事をすれば良いのか、分からず混乱したまま彼を見つめた。
彼の震える手が、私の頬に触れようと伸びてきた。
頭の中では警鐘がなっているのに、私は彼の手から逃れようと動くことが出来ない。
もう少しで触れてしまう…そう思った時だった。
「宇佐美さん、いらっしゃいますか?」
不意のノックの音が聞こえたあと、ドアの向こうで彼を呼ぶスタッフの声が聞こえてきた。
彼は私に届かなかった手を見つめ、苦しそうにギュッと握り込んだ。
「…今、着替え中なんですが…何か?」
「す、すみません!!…あの…キミさんが呼んでます。ちょっと良いですか?」
「分かりました、直ぐにうかがいます。」
「お願いします!では、失礼します。」
「…」
去っていくスタッフの足音が消えて長い沈黙が訪れた。
そして、それを破ったのは彼だった。
「貴女の体のことも心配ですが、お仕事もありますし無理を言って困らせている自覚もあるんですが…。出来れば…僕は貴女ともっと話したい。僕を…もっと知って欲しい…だから…」
私は苦しくなって何も彼に答えることが出来ないまま、頭を下げて“失礼します。”と言って部屋を出た。
閉めたドアの向こうからは、“僕は、柚子さんを待ってますから!”という彼の声が聞こえた。
彼の言葉に縫い止められてしまうことを恐れるように、私は現場を後にした。
午後9時。
入稿は滞りなく終わり、私は誰もいない編集部で自分の席でボーッと座り込んで動けなくなっていた。
このまま打ち上げに行かなければ、もう“君嶋ゆこ”だったことがバレるのを心配しなくても良くなる。
彼は私の連絡先を知らない。
もう…彼とは仕事が無い限り会うこともなくなる。
だけど、彼が叫んでいた。
“僕は、柚子さんを待ってますから!”…と。
…その言葉は私の耳に絡みついて、何時まで経っても離れてくれない。
“ゆこさん”でもなく、“木原さん”でもなく、“柚子さん”と呼んだ彼の真意を読み切れず、私は考えあぐねていた。
初めてインタビューで彼に会った時、彼が求めていたのは“君嶋ゆこ”だった。
あの時の彼は、やっと見つけた“君嶋ゆこ”に縋り付くような勢いで、私がそれであると認めることをねだった。
だけど、今日の彼はどうだったろうか?
先日の無礼を謝罪し、努めて“木原柚子”として私を扱ってくれていた。
真剣に心配し、真剣に怒り、“木原柚子”に接してくれた。
でも…
「本当に…“君嶋ゆこ”としての私よりも“木原柚子”としての私を彼は望んでくれているのだろうか…?」
自分で呟いたその言葉に、私は自分の気持ちに自覚した。
「私は…“君嶋ゆこ”に嫉妬しているんだ…。」
ずっと彼から愛され続けている“君嶋ゆこ”に…。
もう存在しない過去の私に…。
そして、それを目の当たりにすることを怖れている。
私を“君嶋ゆこ”として扱う彼を…私は見たくなかったのだ。
彼ヲ…好キニナッテイルカラ…。
「過去の自分に嫉妬するだなんて…。」
椅子の背もたれに体を投げ出し、両手で顔を覆いながら私は乾いた笑い声を上げた。
「困ったなぁ…“木原柚子”は“君嶋ゆこ”よりも彼から愛される自信がないのに…“木原柚子”として…彼に愛されたがってる。」
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