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うさメンに噛まれてあげる! ※R18
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カチャカチャというベルトの音と、服の着崩れる音がして私は目を覚ました。
少しの間、意識を飛ばしてしまっていたらしい。
ぼーっとYシャツの前を全部開け、ボクサーパンツ姿の彼を見つめていると、彼が私の視線に気が付いた。
「おはよう、柚子さん。」
「…おはよう…ございます…秋兎さん…」
私の身体にかけられていたシーツを手繰り寄せ、私は顔を隠した。
「どうしたの?」
「…は、恥ずかしくて…途中で…寝ちゃうなんて…」
「そう?僕は嬉しかったよ?貴女の意識を飛ばしちゃうほど気持ち良くしてあげられたんだって。それとも…噛まれてイッちゃうの…怖かった?」
「~~~!」
彼の言葉に、色々とされた事を思い出して顔が燃えるように火照るのを自覚して、更にシーツの中に潜り込んだ。
布が床に落ちる音がしたあと、不意に温かな重みに包まれ、側にクツクツと笑う声が聞こえたかと思ったら顔からシーツを剥がされた。
「ゆ~ず~こ~さん?」
「うっ…」
額に口づけを落とされて、私は視線を逃がすことが出来ず、彼の優しい笑顔に捕まった。
「ちゃんと言って欲しいんだ。貴女が好きなことも嫌いなことも、僕は知りたい。ボディートークだけじゃ絶対に足りないから…。二人ですることだから、ちゃんと言葉にして教えて欲しい。」
「…ん」
「僕に噛まれるのは嫌?それとも…好き?」
「それは…」
自分の欲求を伝えたことがない私は、恥ずかしさから言い淀む。
「僕は柚子さんを噛むの、好きだよ。柚子さん、噛まれるのは初めてだって言ったでしょ?貴女に与えられる初めての快感だったし、噛まれてぴくぴく震えてイっちゃう柚子さんが可愛いから。でも…柚子さんが嫌なら、もう噛まない。」
ねだる様に私をじーっと見つめる秋兎さんの顔は年上なのに、いつも幼くなる。
ふと、小学生の頃学校で飼っていたウサギを思い出した。
私にだけ懐いた睫毛の長い白いウサギ…。
今の彼は…まるで物欲しげに私を見つめてエサをねだるそのウサギみたいだ。
「ゆ~ず~こ~さん?」
私の思考が余所に行ってしまっている事に気付いた彼が、拗ねた様に私を呼んだ。
鼻先をカプッと噛まれ、驚いて意識を彼に戻した。
「ひゃっ!!」
「僕の話、聞いてる?」
「ご、ゴメンナサイ!」
「ほら、余所見しないでちゃんと言って?」
私はコクンと頷いた。
「…秋兎さんに噛まれるのは…ちょっと怖いです。噛まれて…その…イっちゃうなんて…今まで知らなかったし…経験したこと…なかったし…。で、でも…秋兎さんなら…良いです。秋兎さんが噛むの好きなら…か、噛まれてあげる!」
私の言葉にしてキョトンとしたあと、彼は吹き出して笑った。
「なんでいきなり“噛まれてあげる!”なの?」
「…だって…ねだる時の秋兎さん…可愛いから。」
「ふーん、こんな風にねだられても僕を可愛いって言える?」
そう言いながら、彼はシーツ越しに腰を擦り付けるように少し動かした。
「!?」
ゴリッと当たる硬く熱いものに、私はビクッと身体を揺らした。
「もっと気持ちいいことしようか?柚子さん。」
彼は素早くシーツを剥がして、直に抱きしめてきた。
グラビアの撮影で見た美しい裸体が、しっとりと温もりを持った彼の肌が優しく私を包み込む。
初めて会った時、怖いだけだった甘く香る柑橘系の香りは、彼に抱きしめられて幸福感に変わっていた。
「僕はね、セックスすることが大好きなんだけど、こうして大好きな柚子さんを裸でただ抱きしめているのも好きなんだ。今、柚子さんの温もりを全部独り占め出来てるのは僕だけだからね。それだけで、泣きそうなぐらい満たされる。」
「秋兎さん…」
「でも…もっと柚子さんと近づきたい。柚子の中を僕で満たしたい。もっと…柚子さんの温もりに僕は抱きしめられたい。」
顔中に口づけを幾つも落とされ、唇を啄んでいたものが、静まった身体の奥に再び熱を呼び戻すものへ変わっていく。
酸素が足りなくなりそうになった頃、彼に1度口づけを解いた。
「んっ…好きだ…柚子さん。」
「私も…秋兎さんが…好き。」
私の言葉に嬉しそうに目を細め、更に深く私の熱を求めて秋兎さんの同じそれが絡む。
秋兎さんの指がそっと花芯を撫でて、私の中を確かめるように動く。
「ふぁ…んっ…」
「もう…大丈夫だね。良く濡れてるけど痛かったら言うんだよ?」
「はい…」
私の両足を開き2度3度、彼の強張りを私の花芯に擦り付けたあと、ゆっくり腰を沈めて来た。
「んくっ…んんっ…大きっ…」
今までに感じたことの無い質量と圧迫感に、自然と身体が仰け反る。
「くっ…はぁ…狭い…ね…柚子…さん…痛くない?」
「大丈夫…です。ちょっと…苦しい…けど…平…気…はっ…ん!」
彼のものに反応して仰け反った私の首筋に口づけを落としながら、更に彼は腰を進める。
最も奥に彼の強張りが触れ、私はビクンッと身体を震わせた。
「あぁ…くぅっ…柚子…さん…まだ…締めないで…」
何かを我慢するように、歯を食い縛る彼の首筋から汗が流れ落ちてくる。
彼は私を気遣っているのか、動きを止めたまま深呼吸を繰り返えす。
時折、私の中で秋兎さんのが微振動を起こして刺激してくる。
「…ん…秋兎さんの…熱い…」
「はぁ…柚子さん…の中…気持ち…良過ぎる…」
私は手を伸ばして彼の逞しい胸に触れた。
(彼になら…全て預けられる。)
「秋兎…さん…動いて…」
「…柚子さん」
「もう…大丈夫…だから…」
「ありがとう…柚子さん」
彼は私の腰を掴み、抜けるかと思うほど引いて勢い良く奥まで戻ってきた。
その動きは徐々に早まり、それに合わせて私の嬉声も止まらなくなった。
そんな私を嬉しそうに眺めながら、彼は的確にイイ所を責めて、私を高みまで登り詰めさせていく。
「あぁ…あぁ…もう…イっ…ちゃう…!」
私は枕を両手で握り締めて達した。
荒れた呼吸が少し整った頃、彼は再び動き始めた。
彼はまだ私の中で、固さを維持したまま耐えていた。
「ひゃあっ!…あんっ…あきっ…さん…まだっ…ダメっ!」
「はぁ…くっ…柚子…さん…今度は…んっ…一緒に…イこう…」
「あき…と…さ…また…イくぅっ…」
「柚子…さん…柚…子…~~~!!!」
ズンッと最奥まで彼に突かれ、それ同時に薄膜越しに彼は情熱を何度も吐き出す。
重くならないように体重を逃しながら、彼は私に覆い被さりギュッと抱きしめた。
「で…付き合って2週間後に同棲する羽目になった訳ね。」
あれから1ヶ月後、私たちは約束通り4人で地中海料理のお店で食事をしていた。
キミちゃんは苦笑いを浮かべ、貴子は呆れながら私たちを見る。
秋兎さんは嬉しそうに笑っているが、私はこの怒濤の展開に目眩を覚えていた。
ハロウィンの夜、シャワーを浴びたあと終電前だし帰ろうとしたのだが、私の口から“帰る”という言葉を聞いた途端。アレよアレよベッドに引き戻され彼の専門分野を駆使した術中にハマり、お泊まりする羽目に…。
翌日も私が空腹を訴えるまで、秋兎さんは私を離してくれず、起きたら起きたで彼は過保護なほど甲斐甲斐しく私の世話に専念し、夕方になり自宅に帰ろうとした私を更に引き留めた。
『柚子さん…帰っちゃうの?』
ショボくれたウサ耳の幻が、また彼の頭の上にあらわれた。
『明日は月曜日だし…仕事がありますから…。』
『うっ…明後日から僕はまた海外でイベントの仕事だし…1週間も会えないんだよ?僕…柚子さん不足で寂しくてどうにかなりそうだ…。』
どうやらやっと恋人になり結ばれたことで、10年分の想いが爆発したらしく、昨日から秋兎さんはこんな調子で何かと寂しがる。
『10年分…とはいかないにしろ、わ、私なりに補充に貢献したつもりです。これからは、ずっと会えなくなる訳じゃないですし良い大人なんですから、そこは頑張って耐えてください。』
『やっぱり…柚子さんの方が大人です。僕ばかり寂しい気がしてきてしまう。』
『そ、そんなことありません!…私も…寂しいです。』
私の言葉に彼は閃いたように、笑顔を輝かせ彼は言った。
『柚子さん、一緒に暮らしましょう!』
『えっ!?』
『一緒に住んじゃいましょう!そうすれば、忙しい貴女を僕がサポートしてあげられます!』
『秋兎…さん?』
『なんならもう入籍しましょう!結婚!』
『ちょっ、ちょっと待って下さい!恋人になって25時間と45分で結婚はムリです!!もう少し落ち着いて下さい!』
まるで落ち着きの無い三月のウサギのような彼を見て、私は慌てて止めた。
『もう少し、そういう話は時間をかけましょ?ゆっくり…ね?』
『でも…僕は…柚子さんが側に居ないのは、やっぱり寂しい…。』
彼はすがるように私を抱きしめた。
そんな彼を私も抱きしめて宥めるように背中を擦ると、更にギュッと力が入った。
『柚子さんを困らせたくないのに…今の僕は色々抑えていた箍が外れちゃってるみたいだ…ゴメン。』
『秋兎さんに側にいて欲しいって言われるの、とても嬉しいです。寧ろ…私が秋兎さんに必要以上に甘えたくなっちゃってて、今、頑張って耐えてるんです。秋兎さんに依存しちゃいそうで…怖いから…。』
『僕は柚子さんにいっぱい甘えられたいよ?』
『だからですよ。秋兎さんは甘やかし出すと止まらなくなっちゃうじゃないですか。昼間だって…一緒にご飯作りたかったのに…危ないからの一点張りで…。』
『うっ…ゴメン。』
『ゆっくり、ずっと一緒にいられるようになりましょう?』
『うん…』
そう言っていたハズなのに…。
「まさか、柚子のマンションの配管が壊れて引っ越しを余儀なくされるとはね…。」
ロゼのシャンパンの入ったグラスを揺らしながら、貴子は溜め息をついた。
「まぁ…老朽化してたし、仕方ないんだけど…。」
「だからってさぁ…連絡を受けて暫くホテル暮らしするって言ってる柚子を拉致るって、宇佐美さん、どういうことよ!?」
「それは『一緒に暮らそう!』っていう僕の申し出に遠慮した柚子さんが悪いんですよ!…恋人なのに“迷惑かけたくないから”って柚子さん言ったんですから!」
最初は貴子の勢いに押されていたのに、最近の彼は貴子とのこういう言い合いを楽しんでる。
端から見たら…なんか私を取り合ってるライバルみたいにみえるらしい…。
そんな事実は全くないんだけど…。
「だからって、有無も言わせず編集部に乗り込んで、お姫様抱っこよろしく拉致るか普通!?この3月ウサギめ!」
「3月…ウサギ?」
キミちゃんが不思議そうに貴子に聞く。
「イギリスでは三月の野ウサギが繁殖期で一番騒がしいし狂ってるって言葉があるの。まぁ、本当はウサギの繁殖期は8ヶ月あって、ほぼ一年中だから特別三月だけが狂った様に騒がしい訳じゃないんだけどね。」
「なるほど…でも…確かに樹はゆっこに狂ってるわなぁ…。編集部にゆっこを迎えに来た樹の様子は語り草だし…。いつもの笑顔のまま怒りのオーラ爆発させてたってな。」
彼のマンションに連れ帰られた私は…言わずもがな…。
“お仕置き”とばかりに身体中を甘く噛まれてまくり…同棲を了承させられた。
翌日、同僚たちから質問攻めにあったけど、苦しいながらも“古くからの知人”とだけ話してある。
これは彼も納得済み。
撮影の際に彼のファンになった子もいたし、面倒事は暫く遠ざかることにした。
「そう言えばウサギは寂しがり屋で浮気性らしいけど、その点は信用できるの?宇佐美さん?」
貴子は彼を挑発するように訊ねた。
「浮気なんかしませんよ!やっと柚子さんとイチャイチャ出来る立場になったので、柚子さんを甘やかすのに忙しくて、そんな気は絶対に起きません!柚子さんがいるのに有り得ない!」
熱弁する彼の様子に、貴子は呆れたように呟いた。
「…宇佐美さんだけ爆発しろ!」
Fin
少しの間、意識を飛ばしてしまっていたらしい。
ぼーっとYシャツの前を全部開け、ボクサーパンツ姿の彼を見つめていると、彼が私の視線に気が付いた。
「おはよう、柚子さん。」
「…おはよう…ございます…秋兎さん…」
私の身体にかけられていたシーツを手繰り寄せ、私は顔を隠した。
「どうしたの?」
「…は、恥ずかしくて…途中で…寝ちゃうなんて…」
「そう?僕は嬉しかったよ?貴女の意識を飛ばしちゃうほど気持ち良くしてあげられたんだって。それとも…噛まれてイッちゃうの…怖かった?」
「~~~!」
彼の言葉に、色々とされた事を思い出して顔が燃えるように火照るのを自覚して、更にシーツの中に潜り込んだ。
布が床に落ちる音がしたあと、不意に温かな重みに包まれ、側にクツクツと笑う声が聞こえたかと思ったら顔からシーツを剥がされた。
「ゆ~ず~こ~さん?」
「うっ…」
額に口づけを落とされて、私は視線を逃がすことが出来ず、彼の優しい笑顔に捕まった。
「ちゃんと言って欲しいんだ。貴女が好きなことも嫌いなことも、僕は知りたい。ボディートークだけじゃ絶対に足りないから…。二人ですることだから、ちゃんと言葉にして教えて欲しい。」
「…ん」
「僕に噛まれるのは嫌?それとも…好き?」
「それは…」
自分の欲求を伝えたことがない私は、恥ずかしさから言い淀む。
「僕は柚子さんを噛むの、好きだよ。柚子さん、噛まれるのは初めてだって言ったでしょ?貴女に与えられる初めての快感だったし、噛まれてぴくぴく震えてイっちゃう柚子さんが可愛いから。でも…柚子さんが嫌なら、もう噛まない。」
ねだる様に私をじーっと見つめる秋兎さんの顔は年上なのに、いつも幼くなる。
ふと、小学生の頃学校で飼っていたウサギを思い出した。
私にだけ懐いた睫毛の長い白いウサギ…。
今の彼は…まるで物欲しげに私を見つめてエサをねだるそのウサギみたいだ。
「ゆ~ず~こ~さん?」
私の思考が余所に行ってしまっている事に気付いた彼が、拗ねた様に私を呼んだ。
鼻先をカプッと噛まれ、驚いて意識を彼に戻した。
「ひゃっ!!」
「僕の話、聞いてる?」
「ご、ゴメンナサイ!」
「ほら、余所見しないでちゃんと言って?」
私はコクンと頷いた。
「…秋兎さんに噛まれるのは…ちょっと怖いです。噛まれて…その…イっちゃうなんて…今まで知らなかったし…経験したこと…なかったし…。で、でも…秋兎さんなら…良いです。秋兎さんが噛むの好きなら…か、噛まれてあげる!」
私の言葉にしてキョトンとしたあと、彼は吹き出して笑った。
「なんでいきなり“噛まれてあげる!”なの?」
「…だって…ねだる時の秋兎さん…可愛いから。」
「ふーん、こんな風にねだられても僕を可愛いって言える?」
そう言いながら、彼はシーツ越しに腰を擦り付けるように少し動かした。
「!?」
ゴリッと当たる硬く熱いものに、私はビクッと身体を揺らした。
「もっと気持ちいいことしようか?柚子さん。」
彼は素早くシーツを剥がして、直に抱きしめてきた。
グラビアの撮影で見た美しい裸体が、しっとりと温もりを持った彼の肌が優しく私を包み込む。
初めて会った時、怖いだけだった甘く香る柑橘系の香りは、彼に抱きしめられて幸福感に変わっていた。
「僕はね、セックスすることが大好きなんだけど、こうして大好きな柚子さんを裸でただ抱きしめているのも好きなんだ。今、柚子さんの温もりを全部独り占め出来てるのは僕だけだからね。それだけで、泣きそうなぐらい満たされる。」
「秋兎さん…」
「でも…もっと柚子さんと近づきたい。柚子の中を僕で満たしたい。もっと…柚子さんの温もりに僕は抱きしめられたい。」
顔中に口づけを幾つも落とされ、唇を啄んでいたものが、静まった身体の奥に再び熱を呼び戻すものへ変わっていく。
酸素が足りなくなりそうになった頃、彼に1度口づけを解いた。
「んっ…好きだ…柚子さん。」
「私も…秋兎さんが…好き。」
私の言葉に嬉しそうに目を細め、更に深く私の熱を求めて秋兎さんの同じそれが絡む。
秋兎さんの指がそっと花芯を撫でて、私の中を確かめるように動く。
「ふぁ…んっ…」
「もう…大丈夫だね。良く濡れてるけど痛かったら言うんだよ?」
「はい…」
私の両足を開き2度3度、彼の強張りを私の花芯に擦り付けたあと、ゆっくり腰を沈めて来た。
「んくっ…んんっ…大きっ…」
今までに感じたことの無い質量と圧迫感に、自然と身体が仰け反る。
「くっ…はぁ…狭い…ね…柚子…さん…痛くない?」
「大丈夫…です。ちょっと…苦しい…けど…平…気…はっ…ん!」
彼のものに反応して仰け反った私の首筋に口づけを落としながら、更に彼は腰を進める。
最も奥に彼の強張りが触れ、私はビクンッと身体を震わせた。
「あぁ…くぅっ…柚子…さん…まだ…締めないで…」
何かを我慢するように、歯を食い縛る彼の首筋から汗が流れ落ちてくる。
彼は私を気遣っているのか、動きを止めたまま深呼吸を繰り返えす。
時折、私の中で秋兎さんのが微振動を起こして刺激してくる。
「…ん…秋兎さんの…熱い…」
「はぁ…柚子さん…の中…気持ち…良過ぎる…」
私は手を伸ばして彼の逞しい胸に触れた。
(彼になら…全て預けられる。)
「秋兎…さん…動いて…」
「…柚子さん」
「もう…大丈夫…だから…」
「ありがとう…柚子さん」
彼は私の腰を掴み、抜けるかと思うほど引いて勢い良く奥まで戻ってきた。
その動きは徐々に早まり、それに合わせて私の嬉声も止まらなくなった。
そんな私を嬉しそうに眺めながら、彼は的確にイイ所を責めて、私を高みまで登り詰めさせていく。
「あぁ…あぁ…もう…イっ…ちゃう…!」
私は枕を両手で握り締めて達した。
荒れた呼吸が少し整った頃、彼は再び動き始めた。
彼はまだ私の中で、固さを維持したまま耐えていた。
「ひゃあっ!…あんっ…あきっ…さん…まだっ…ダメっ!」
「はぁ…くっ…柚子…さん…今度は…んっ…一緒に…イこう…」
「あき…と…さ…また…イくぅっ…」
「柚子…さん…柚…子…~~~!!!」
ズンッと最奥まで彼に突かれ、それ同時に薄膜越しに彼は情熱を何度も吐き出す。
重くならないように体重を逃しながら、彼は私に覆い被さりギュッと抱きしめた。
「で…付き合って2週間後に同棲する羽目になった訳ね。」
あれから1ヶ月後、私たちは約束通り4人で地中海料理のお店で食事をしていた。
キミちゃんは苦笑いを浮かべ、貴子は呆れながら私たちを見る。
秋兎さんは嬉しそうに笑っているが、私はこの怒濤の展開に目眩を覚えていた。
ハロウィンの夜、シャワーを浴びたあと終電前だし帰ろうとしたのだが、私の口から“帰る”という言葉を聞いた途端。アレよアレよベッドに引き戻され彼の専門分野を駆使した術中にハマり、お泊まりする羽目に…。
翌日も私が空腹を訴えるまで、秋兎さんは私を離してくれず、起きたら起きたで彼は過保護なほど甲斐甲斐しく私の世話に専念し、夕方になり自宅に帰ろうとした私を更に引き留めた。
『柚子さん…帰っちゃうの?』
ショボくれたウサ耳の幻が、また彼の頭の上にあらわれた。
『明日は月曜日だし…仕事がありますから…。』
『うっ…明後日から僕はまた海外でイベントの仕事だし…1週間も会えないんだよ?僕…柚子さん不足で寂しくてどうにかなりそうだ…。』
どうやらやっと恋人になり結ばれたことで、10年分の想いが爆発したらしく、昨日から秋兎さんはこんな調子で何かと寂しがる。
『10年分…とはいかないにしろ、わ、私なりに補充に貢献したつもりです。これからは、ずっと会えなくなる訳じゃないですし良い大人なんですから、そこは頑張って耐えてください。』
『やっぱり…柚子さんの方が大人です。僕ばかり寂しい気がしてきてしまう。』
『そ、そんなことありません!…私も…寂しいです。』
私の言葉に彼は閃いたように、笑顔を輝かせ彼は言った。
『柚子さん、一緒に暮らしましょう!』
『えっ!?』
『一緒に住んじゃいましょう!そうすれば、忙しい貴女を僕がサポートしてあげられます!』
『秋兎…さん?』
『なんならもう入籍しましょう!結婚!』
『ちょっ、ちょっと待って下さい!恋人になって25時間と45分で結婚はムリです!!もう少し落ち着いて下さい!』
まるで落ち着きの無い三月のウサギのような彼を見て、私は慌てて止めた。
『もう少し、そういう話は時間をかけましょ?ゆっくり…ね?』
『でも…僕は…柚子さんが側に居ないのは、やっぱり寂しい…。』
彼はすがるように私を抱きしめた。
そんな彼を私も抱きしめて宥めるように背中を擦ると、更にギュッと力が入った。
『柚子さんを困らせたくないのに…今の僕は色々抑えていた箍が外れちゃってるみたいだ…ゴメン。』
『秋兎さんに側にいて欲しいって言われるの、とても嬉しいです。寧ろ…私が秋兎さんに必要以上に甘えたくなっちゃってて、今、頑張って耐えてるんです。秋兎さんに依存しちゃいそうで…怖いから…。』
『僕は柚子さんにいっぱい甘えられたいよ?』
『だからですよ。秋兎さんは甘やかし出すと止まらなくなっちゃうじゃないですか。昼間だって…一緒にご飯作りたかったのに…危ないからの一点張りで…。』
『うっ…ゴメン。』
『ゆっくり、ずっと一緒にいられるようになりましょう?』
『うん…』
そう言っていたハズなのに…。
「まさか、柚子のマンションの配管が壊れて引っ越しを余儀なくされるとはね…。」
ロゼのシャンパンの入ったグラスを揺らしながら、貴子は溜め息をついた。
「まぁ…老朽化してたし、仕方ないんだけど…。」
「だからってさぁ…連絡を受けて暫くホテル暮らしするって言ってる柚子を拉致るって、宇佐美さん、どういうことよ!?」
「それは『一緒に暮らそう!』っていう僕の申し出に遠慮した柚子さんが悪いんですよ!…恋人なのに“迷惑かけたくないから”って柚子さん言ったんですから!」
最初は貴子の勢いに押されていたのに、最近の彼は貴子とのこういう言い合いを楽しんでる。
端から見たら…なんか私を取り合ってるライバルみたいにみえるらしい…。
そんな事実は全くないんだけど…。
「だからって、有無も言わせず編集部に乗り込んで、お姫様抱っこよろしく拉致るか普通!?この3月ウサギめ!」
「3月…ウサギ?」
キミちゃんが不思議そうに貴子に聞く。
「イギリスでは三月の野ウサギが繁殖期で一番騒がしいし狂ってるって言葉があるの。まぁ、本当はウサギの繁殖期は8ヶ月あって、ほぼ一年中だから特別三月だけが狂った様に騒がしい訳じゃないんだけどね。」
「なるほど…でも…確かに樹はゆっこに狂ってるわなぁ…。編集部にゆっこを迎えに来た樹の様子は語り草だし…。いつもの笑顔のまま怒りのオーラ爆発させてたってな。」
彼のマンションに連れ帰られた私は…言わずもがな…。
“お仕置き”とばかりに身体中を甘く噛まれてまくり…同棲を了承させられた。
翌日、同僚たちから質問攻めにあったけど、苦しいながらも“古くからの知人”とだけ話してある。
これは彼も納得済み。
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「浮気なんかしませんよ!やっと柚子さんとイチャイチャ出来る立場になったので、柚子さんを甘やかすのに忙しくて、そんな気は絶対に起きません!柚子さんがいるのに有り得ない!」
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「…宇佐美さんだけ爆発しろ!」
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