うさメンに噛まれてあげる!

真田 真幸

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小話 うさメンの秘密 ※R18

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 4人で地中海料理のお店で食事していた時のこと。

「そう言えばさぁ~、宇佐美さんって話し方からして育ちが良さそうだけど、どうなの?」

ロゼのシャンパンを煽った貴子が、なんの気無しに秋兎さんに聞いた。

「普通の家ですよ?」

「またまた~“良いところのお坊っちゃん”じゃないの?」

「ん~、どうですかね…勉強熱心で勤勉な家系だったとは思いますが…特に突出して特別な家ではなかったです。ただ、祖母が行儀作法や言葉遣いには煩かったですから、そのせいかも知れませんね。」

「なーんだ、意外と眼鏡かけて白衣とか着ちゃうと似合いそうな顔してるのにね。」

ピクルスをかじって、貴子は秋兎さんの顔をジーッと見た。

「まだ端役の時に撮影で着たことがあるぐらいですね。どちらかと言えば血は苦手な方ですし、僕には向いてないですよ。」

「へぇー」





 同棲して3週間…私の家族のこともあり、秋兎さんとは、特に改まってお互いの家族の話をしたことがない。

訊けば誠実に秋兎さんは仕事のこと以外は、全部話してくれると思うけど、私は躊躇していた。

貴子みたい世間話の一環としては…なんだか聞けない。

いつかは…話すことになるとは思っているけれど…。

ちなみに秋兎さんが仕事の話をしないのは、仕事に毒されない“神聖な聖域”を維持する為…らしい。

私には良く分からないのだけど…。

 二人でマンションに帰って来て、お茶を淹れていると秋兎さんが私の腰を抱いて肩に顎を乗せてきた。

「そう言えば、柚子さんは僕の家族のことを聞いてきたことがないですね。」

「うーん、私は家族のことを話せることが無いのに秋兎さんに聞くのはどうなんだろうと思ってまして…。」

「そんなこと気にしなくてもいいのに…」

秋兎さんは心配そうな音色を落としたあと、そっと私のこめかみに口づけた。

お茶の入ったマグカップを2つトレーに乗せて持とうとすると、秋兎さんが持ってくれた。

「ありがとうございます。」

「共同作業ですから。」

感謝の言葉を秋兎さんに告げると、いつも秋兎さんは微笑みながらこう言う。

「それに…急いで色々話しちゃって、後々話すことが無くなるのが嫌だなぁ…って。秋兎さんとはずっと仲良くお話したい…。私の両親は“ゆこ”のことばかりしか話すことがなかったから…。」

自傷気味に笑って、私は立ったまま俯いた。

「…柚子さん、こっちにおいで。」

テーブルにトレーを置き、秋兎さんはソファーに座って、私の手を引いて膝に乗せた。

「柚子さんの御両親は…きっと会話する方法を忘れてしまったんだと思うんだ。会話することがないんじゃなくて…もしかすると“ゆこ”さんのこと以外でお互いに会話することを諦めてしまったのかも知れない。だから…僕らはちゃんと会話することにしましょう?どんな些細なことでも…。」

「…秋兎さん」

彼はマグカップを私に渡して、自分も一口お茶を含んだ

「いつも、朝に柚子さんがカフェオレを飲みながら窓辺で空を見て、天気の話や季節の話をしてくれるじゃないですか?あれ、僕は好きなんです。」

「え?」

「気が付けば季節感無く仕事に追われてしまうから、柚子さんが何気なく『昨日、撮影に行った公園で見たピンポンマムってお花が綺麗だったんですよ。』とか『今日は夜は寒いから、晩御飯は今年の初お鍋にしましょうか?』とか話してくれるから、僕は今まで御座なりにしていた季節感を取り戻せた気がするんです。」

「そうなんですか?」

「ええ、僕は柚子さんが話すことをどうでもいいと思うことはないですから、安心して話して下さい。寧ろ、貴女のことは全部知っておきたい。」

「私も…秋兎さんのことをもっと知りたいです…。」

「…いい子です。」

私がマグカップをお茶を飲み干したのを見計らって
、秋兎さんはマグカップをそっと私の手から取り上げた。

「秋兎さ…」

彼を呼ぶ声は、彼がテーブルにマグカップを置いたと同時に、唇と一緒に途中で彼の口内に飲み込まれた。

ぬるりと入ってきた秋兎さんの熱は、私の口内を一頻り這ったあと離れた。

「それに僕たちが会話しなくなるなんてことは、有り得ないと思いませんか?だって…」

いつの間にか肌けさせられたブラウスの中に、彼は手を滑り込ませて、まだ柔い私の敏感な頂を白いブラジャーの上から摘まんだ。

「ひゃっ!?」

「僕らがボディートークするときには、言葉での会話も必須でしょ?」

「あんっ…待っ…て…」

彼の唇が耳朶に触れ、口づけをしたあと舌先で弄び、時折、軽く歯を立てながら首筋に移動していく。

「待ちませんよ。今日は少しお酒を飲んだでしょ?アルコールが入っているときの柚子さんが僕の好物の一つだって、知ってるくせに“待て”はないと思わない?」

「だっ…て…ひぅっ…まだ…シャワー…あと…マグカップも…」

「ダメ…このまま柚子さんを食べさせて?マグカップは僕が後で洗いますから。」

彼に横抱きされて、ベッドの上に優しく下ろされた。

「ちょっと待ってね?」

彼はそう言ってリビングに戻った。

多分、マグカップをキッチンに持っていって水につけてくれたのだろう。

そっと膝を擦り合わせて、先程彼の手で私の中に灯った熱をやり過ごしていた。

「…ほんの少し離れただけなのに、物惜しげなことをして…」

いつの間にか戻ってきた彼はベッドルームのドア口に寄りかかり、彼は私の様子を見ていた。

「うっ…だっ…て」

「分かってます。柚子さんの身体をこんな風にしちゃったのは僕ですからね。」

彼は私に覆い被さり、軽く口づけをした。

「責任取って気持ちよくしてあげます。」






「あんっ…いやっ…また…でちゃうっ…」

彼の言葉の通り、責任取って?散々気持ちよく解されたあと、私はベッドヘッドを両手でしっかり掴んで、ベッドの上で膝立ちした状態で後ろから彼に抱きつかれながら突き上げられていた。

彼の右手は私の花芯を指先で弾いて弄びながら、高みへと導いていく。

「はぁ…いっぱい出していいって…言ったでしょ?柚子さんが…んっ…僕で気持ちよくなってる…証拠なんだから…」

「ああっ…いやぁっ…出…ちゃう…んっ…あああああああっ!!」

彼が与えてくれる快楽に購えず、私は厚く敷かれたバスタオルの上で迸りを放った。

「いっぱい出したね…気持ち良かったでしょ?」

「んっ…秋兎…さん…」

これは…私が酔っているとき限定。

普段の私は…恥ずかしさもあるのか…潮吹き出来ない。

だから、彼の好物の一つになっているらしい。

「今度は…少しゆっくり気持ちよくなろうか?」

奥を小突く動きから、かき混ぜられる動きに変わり、子宮口を解すように彼は強張りを押しつけ腰を回す。

「あっ…んっ…コリッて…気持ち…いい…」

「柚子さん…kissしよう?」

「んっ…」

肩越しに唇を合わせると、同時に彼の手は胸を揉み頂に実った木苺を捏ね始めた。

「は…んっ…あき…と…ふぁ…ん」

彼の動きに合わせて私が腰を使い始めると、口づけを解いて彼は嬉しそうに私を見た。

「柚子さんも僕を気持ちよくしてくれる?」

「んんっ…どうやって…?」

「僕のを柚子さんの中で抱き締めて…」

私はお腹に力を少し入れて、彼の強張りを中で抱き締めた。

「んっ…そう…そのまま…腰を動かして…」

腰を回すように動かしながら、キュッと彼を抱き締めて刺激すると彼のがビクンと震える。

「あぁ…柚子さん…」

私の耳許で彼は控えめに喘ぐ。

「気持ち…いい?」

「ええ…とても気持ちいいです。」

中で彼のを抱き締める度に、彼のソレは少しずつ大きくなっていく。

「秋兎さん…もっと…動いて…いい?」

「え?」

私は自ら小刻みに上下に動きに始めた。

「んっ…柚子…さんっ…」

「秋兎…さん…もっと…気持ちよく…なって…?」

動く度に彼と交わる水音は大きくなり、太ももを伝って落ちていくのを感じる。 

「今日は…少し…んっ…大胆だね…柚子さん…」

「はんっ…少し…酔って…いる…からかも…」

「また…僕の好きな…柚子さんが…増えちゃいますね…。でも…そろそろ限界…。」

そう言って彼は激しく腰を打ちつけてきた。

「一緒に…イこう?」

「んっ」

体位を正常位に変えて、彼と見つめ合いながら高みまで登り詰めていく。

短く溢れる私の喘ぎ声を彼は啄みながら、抽送を繰り返す。

私の身体を挟むように、両肘をついて身体を密着させてより深く奥へと彼は入って来る。

「ああっ…ひぅっ…もう…イッ…ちゃう…」

「うんっ…僕も…」

「あき…と…さん…すき…」

「柚子…さん…ああ…僕も…大好きだ…」

そう耳許で彼は囁くと耳朶を噛み、最奥を強張りでグリッと突き上げた。

「ひゃっ、あああああああっ!!」

「うっ…柚子…さん…!!」

薄膜越しに広がる彼の熱を受け止めながら、私は泣きながら果てた。




 後始末を終えてベッドに寝転がると、私は勇気を出して秋兎さんにご家族のことを訊いた。

「うーん、父の仕事は…強いて言うなら精力が強い、変態が多い、と言われている職業ですかね…。」

「ふぇ?」

隣に寝転がった彼から、出てきた言葉に私は目を瞠った。

「分厚い本と知識欲、そして正義感…僕も目指していた時期があったんですが…、大学時代に観に行った芝居がキッカケで役者に憧れて、ドロップアウトしてしまいました。」

「秋兎さん…大学行ってたんですか?」

「一応…ね。エリート系のお堅い家ではなかったので、僕が役者になることは反対しませんでしたが…。流石に今の仕事は認めて貰えなくて、勘当同然の状態です。特に…祖母がね…。清廉潔白な人なので…。」

秋兎さんは少し寂しそうに笑った。

「出来れば…柚子さんをお嫁さんに貰う前に、ちゃんとしたいとは思ってます。…せめて、僕のことはダメでも僕のお嫁さんとして柚子さんだけは認めて欲しいですから。」

「秋兎さん…」

「本当は直ぐにでも入籍したいですが、大人として少し冷静にならないと、また成宮さんに怒られちゃいますし。柚子さんをお嫁さんに貰うには、成宮さんのお許しが必要ですからね。」

「確かに…そうかも…」

私たちは顔を合わせでクスクスと笑った。





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