『潮が満ちたら、会いに行く』

古代の誇大妄想家

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 僕たちは砂浜を歩き、小さな丘を登ると、湖と海の間がよく見えた。以前来た時は朝方で、少し霞がかかって見えていた。今日はきれいに、湖と海の区切りが見えた。
「まるで、海が二つあるみたい」
イケの言葉に、僕も頷いた。
「ここからは、森に沿って進もう」
 ウドさんとラドさんが先頭に立ち、木の棒で泥濘が無いか探しつつ進んだ。そのため、なかなか進むことが出来なかった。
「あ、あそこに家がありますよ」
 イケが声をあげ、木々の間から見える家を指した。
「ああ、今年はあそこには住んでいないそうだ」
 ラドさんはそう言い、「おーい!」という大きな声で叫んだものの、誰の声も聞こえず、鳥の鳴き声しか聞こえなかった。
「いつも、同じところに住んでいればいいのに」
イケが少し、口を尖らせて呟いた。
「それが、彼らの生き方なんだ。ここは俺たちの村の様に、いつも魚や獣が獲れる場所じゃないんだ。年が変われば獣や魚も動く。一見不便だが、自然と同化して生きているとも言えるな」
 お兄ちゃんはそう言ってから、僕に「入江のハウさんって人も、こんな考えなのかな?」と尋ねてきた。
「うーん、わからない」
僕は正直に答えた。
 ハウさんはあくまでも『人との交流を増やしすぎるべきでない』との考えだ。自然と同化して生きるという考えとは、少し違う気がした。おそらく、答えはハウさんにしかわからないだろう。
「よし、このまま森の奥に進むぞ」
 ラドさんの声で、僕たちは再び歩き始めた。

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