永遠への階~オルセレイド王国物語~

弥生

文字の大きさ
36 / 78

第35話 目覚めの鐘

しおりを挟む
 朧な意識のどこか遠くで、甲高い鐘の音が二回鳴り響いた。
 その音に引きずられ、眠りに落ちていた思考が呼び起こされる。
 朝の穏やかな日差しが瞼の奥を緩やかに照らし出し、更なる覚醒を刺激する。
 気だるい身体を上半身だけ起こし、額に落ちた前髪をかきあげて、ゆっくりと息を吐き出した。

「ふう・・・・・・」

 霞がかった真っ白な思考に、次第に色が混じっていく。
 いつもと違う空気、いつもと違う天井、そして目の端に映るいつもと違う部屋の景色。
 ようやくここが自室ではなく、シルフィアの寝室であったことを思い出す。
 ふと、腕に肌の温もりを感じて視線を落とせば、鮮やかな白金の彩りが目に入り、思わず笑みをこぼしてしまう。

「シルフィア・・・・・・」

 アークレイに添うように、深い眠りに落ちている愛しいその人の名を呼んだ。
 頬に手を添え、サラサラと零れ落ちるように柔らかな前髪をかきあげると、シルフィアの白い額にくちづけをおとした。
 まるで夕べの再現のようだ。
 唇を離して見下ろすが、起きる気配はない。
 シルフィアは普段から寝覚めがよく、わりと早起きだと聞いていたが、やはり疲れがたまっていたのだろう。
 穏やかなその寝顔に、自然と笑みがこぼれる。
 昨夜は文字通り抱きしめあっただけだった。
 抱きしめあったまま、幾度も口づけを交わした。
 だが、それだけだ。
 口づけだけで、性的なことは何もしていない。
 いや、勢いにまかせてしまいそうな、危ない瞬間が何度もあったのは事実だが。
 シルフィア本人は全くの無自覚のまま、くらくらと眩暈がするような色香を放つのものだから、疼く身体を抑えるのは大変だった。
 普段からそのような欲求はあまり無く、自分でも淡白だという自覚は大いにあるのだが、アークレイとて何も清廉潔白というわけではない。
 そのようなシルフィアを前に、よくぞ我慢ができたものだと、自分で自分を褒めてやりたいほどだ。
 愛しい想いは尽きないが、かといって激情のまま抱くわけにはいかなかった。

 初々しい態度からも、シルフィアが初めてだろうことは簡単に想像できたし、アークレイとて男を抱くなど経験したことがない。
 酒に酔った勢いで、関係をもってしまったウォーレンとシメオンとは違う。
 そもそも、身体を繋げることだけが全てではないのだ。
 心が繋がった、それだけで今は十分だ。
 それに、無理に抱いてはシルフィアを怖がらせてしまうだろうし、きっと傷つけてしまう。
 それはアークレイにとって、決して本意なことではない。
 シルフィアが大事だからこそ・・・もっとゆっくり、時間をかけて愛してやりたいと思う。
 まあ、少し残念だったがな・・・・・・
 もう一度額に口づけを落として、アークレイは苦笑する。

 先ほど刻を告げる鐘が二つ鳴った。
 そろそろ、朝の会議が始まる時間だ。
 城中では、朝を告げるための鐘が、毎日定まった時間に2度鳴らされる。
 一度目は、朝を告げる鐘が一回。
 その鐘の音で、城の者たちは眠りから目を覚ます。
 二度目は、政が動き出す刻を告げる鐘が二回。
 その鐘の音を合図に朝議が始まり、城の者たちは動き出すのだ。
 普段のアークレイならば、一度目の鐘の音で目を覚ますのだが、自分でも気づかない程に疲れていたのだろうか。
 あるいは、シルフィアの側で眠ったことによる安堵からだろうか、鐘の音に気づかないほど熟睡していたらしい。
 だが、二度目の鐘が鳴った今になっても、誰も起こしに来ない。
 昨夜は自室に戻らなかったし、アークレイがシルフィアの部屋に居ることも当然わかっているはず。
 遠慮して誰も入って来ないのかもしれない。
 寝台の端に腰掛け、床下に転がっていたブーツを取って履こうとしたとき。

 トントン

 寝室の扉が遠慮がちに叩かれる。
 ようやく誰かが起こしに来たようだ。
 さすがに朝議の時間だ。
 そこに国王であるアークレイが居ないというのは、あまり良いことではないだろう。

 トントン

 もう1度、今度ははっきりと扉が叩かれた。
 ブーツを両方履き、ゆっくりと立ち上がって扉の前に立つ。

「起きている。何だ?」

「おはようございます、陛下。お休みのところ大変申し訳ございません」

 扉越しに問えば、落ち着きのある女性の声が返ってきた。
 意外だった。
 知らない声ではないが、本来はここにいるはずのない女性のものだ。
 西宮の侍女たちを取りまとめる侍女頭のマルヴェーレの声だった。
 マルヴェーレが起こしに来たのは、アークレイがシルフィアの部屋で一夜を過ごしたという、異例の事態のためだろう。

「構わん」

 きいっと扉を開くと、マルヴェーレが深々と頭を下げて立っていた。

「ローランリッジ宰相様がお見えでございます」

「シメオンか・・・・・・」

 やれやれ・・・と肩をすくめるが、朝議への召集のためだろう。

「わかった。すぐに行くので、待っているように伝えてくれ」

「かしこまりました」

「それと、顔を洗いたい。すまないが、湯を用意してくれないか」

「はい。すでに用意しております。すぐにお持ちいたしますか」

「ああ、頼む。それと・・・・・」

 アークレイは自分の身体を見下ろし、僅かに苦笑する。
 昨夜はそのまま眠ってしまったので、衣服が皺になっていた。
 上着を着るとはいえ、さすがにこの格好で朝議に出るのは、国王としていかがなものか。
 その上着も、寝台の上に雑に投げ捨てたままだ。
 皺になってしまうと心配していた、シルフィアの言うとおりになっているかもしれない。

「ロディオスに、服を一式用意するように伝えてくれ」

「はい。すでに指示し、用意しております」

 準備の良いことだと感心する。
 アークレイの祖父の時代から、王城で勤めてきたマルヴェーレに任せておけば何も心配はない。

「侍従をお呼びしてよろしいでしょうか」

 アークレイの身の回りの世話が許されているのは、あくまでもアークレイ付きの侍従のみ。
 侍女頭のマルヴェーレであっても、シルフィア付のレーヌといえども許されない。
 だが、アークレイ付きの侍従は全員男性だ。
 シルフィアが男性であったとしても、通常は王妃の部屋に男性が入ることは許されていない。
 それ故に、マルヴェーレはアークレイの許可を確認したのだ。

「ああ、構わん。呼んでくれ」

 すでに服が用意されているのならば、自室には戻らず、ここで着替えたほうが早いと考えた。

「かしこまりました」

 一旦寝室に戻ったアークレイは、未だ眠りにつくシルフィアを起こさぬように、寝台の枕元に置いてあった己の剣を取る。
 床に落ちていたマントと、寝台の上に無造作に投げ出された上着を手に取り、アークレイは再びシルフィアを見下ろした。

「いい夢を・・・シルフィア」

 夕べ散々味わったシルフィアの唇に、軽く口づけを落とす。
 目覚めのときまで共にいたいのだが、アークレイの立場としてそれは許されることではない。
 それはまた、式を終えてから存分にさせてもらうことにする。

 居間に戻ると、アークレイ付の侍従のうち、最古参のロディオスがすでに控えていた。
 アークレイがまだ赤子だった頃から世話をしてくれている、実に信頼できる侍従だ。
 ロディオスの助けを借り、用意されていた正装に着替えて、最後に剣帯を腰に巻いた。
 アークレイは、ふー・・・・・と深く息を吐き出し、気を引き締める。
 毎朝のこの瞬間は、私から公へと意識を変えるための儀式のようなものだ。
 それをシルフィアの部屋で迎えるというのも、どこか不思議な感覚だが。

「すまないな、部屋を占拠してしまって」

 部屋の隅に控えていたレーヌを振り返れば、レーヌはすっと頭を下げた。

「シルフィアはもう少し寝かせてあげてくれ。やはり、最近の疲れも溜まっているようだ」

「かしこまりました」

 その答えに頷き、踵を返してシルフィアの部屋から出ると、アークレイ付きの宮殿騎士とともに、濃紺の宰相服を身に纏ったシメオンが廊下で待っていた。

「おはようございます、陛下」

 一旦頭を下げてゆっくりと顔を上げたシメオンの、わざとらしすぎるほど爽やかな笑顔。
 シメオンのことだ。
 昨夜何があったか、とっくにわかっているだろう。
 そしてそれは、すぐにアークレイの悪友ウォーレンに伝わってしまう。
 いつもは2人をからかう立場にあるアークレイだが、逆にからかわれてしまうだろうことは目に見えていた。

「ああ、おはよう、シメオン」

 なんとか冷静さを保って笑顔で返す。

「お部屋には一旦戻られますか?」

「・・・いや、いい。そのまま行く」

「かしこまりました」

 口元に笑みを浮べて恭しくおじきしたシメオンに、一瞬苦虫をつぶしたような顔で見返したアークレイだったが、すぐに平静さを装い、本宮に向かって廊下を歩き出す。

「お目覚めはいかがでしたか?陛下」

 案の定、一歩後ろに控えたシメオンが、どこか笑いを含んで声をかけてきた。

「ああ、とてもいい目覚めだった」

「それはようございました。さぞかし、いい夢を見られたのでしょうね」

「・・・・・・からかうのは止せ、シメオン」

「おや、私にからかわれるような夢でも見られたのですか?」

 意地の悪い質問に言葉を詰まらせる。

「・・・・・・ああ、いい夢だったよ」

 だが開き直ってそう答えると、シメオンがふふっと口元に笑みを浮べた。

「お気持ちを確かめられたのですか?」

「ああ・・・・・・」

「そうですか・・・・・・それはようございました」

 そう言うシメオンは、どうやらシルフィアの想いを知っていたらしい。
 嬉しそうに微笑むシメオンは、心からシルフィアの幸せを願っているようだった。

「まだお休みでいらっしゃいますか?」

「ああ」

「そうですか。それはまあ・・・・・・そうでしょうね・・・・・・お辛いでしょうね」

 しみじみと頷いたシメオンの口調には実感がこもっていて、どこかシルフィアに同情めいたものが含まれていた。

「辛い?」

「ええ・・・・・・陛下にはおわかりにならないかも知れませんが・・・・・・」

 そう言うシメオン自身、体調が悪いのか顔色があまり優れない。
 歩き方も幾分ぎこちない。
 時々痛みに耐えるかのように眉根をひそめるシメオンだったが、どうも何か、勘違いをしているらしいということにアークレイは気づく。
 シメオンが言わんとしていることを何となくだが感じ取り、呆れて苦笑する。

「シメオン」

「は」

「俺とシルフィアの名誉のために言っておくが・・・やっておらんぞ?」

「え?」

「やっておらぬ、と言ったのだ」

 シメオンは一瞬首をかしげ、驚いたように目を見開いた。

「え、ええ?」

「何を驚く」

「え、いえ・・・ですが・・・・・・」

「あのな・・・・・・俺とウォーレンを一緒にするな」

 そう言い返してやると、シメオンはぐっと詰まったように苦い顔をする。
 正直かなり危なかったのだが、寸でのところで踏みとどまったことは言わないでおく。

「俺はあいつと違って『紳士』だからな。シルフィアに無理強いはさせたくない」

「・・・・・・それも、そうですね」

 妙に納得したような顔でシメオンは頷いた。

「そうですか。でも、よろしゅうございました」

「ん?何がだ?」

「失礼ながら、陛下は最近お疲れのようでしたし、私どもも心配していたのですよ。ですが今朝は、陛下の表情が随分と明るいような気がしましたので」

「明るいか・・・そうだな。軽くなったのかもな・・・身も心も・・・・・・」

 アークレイは口元に笑みをたたえ、柔らかなシーツの海で未だ深い眠りに落ちているだろうシルフィアを思い浮かべた。

「シメオン」

「はい」

「人の心とは・・・・・・不思議なものだな」

 シメオンは一瞬目を見開き、アークレイの穏やかな横顔を見上げて、ふっと表情を和らげた。

「左様でございますね・・・・・・」

「俺は・・・・・・あの話を、もう1度考え直してみようかと思う」

「あの話とおっしゃいますと?」

「同性婚を認める法律だ」

「え?」

 今度こそシメオンは驚きで目を見開いた。

「真でございますか、陛下」

「ああ。今のままでは、シルフィアは戸籍上、俺の『弟』になってしまう。そうではなく、俺はあの人を、正式に、誰にはばかることなく『正妃』として迎えたいのだ」

「陛下・・・・・・」

「当然のことながら、強い反発は予想される。ファーリヴァイアやリヒテランからも圧力はかかるだろう。そんなに簡単にいくとは思っていない。しかし、どれだけ困難な壁が立ちふさがろうとも、俺は確固たる法を作りたい。それも、できるだけ早くにだ」

「・・・・・・・」

 シメオンは、強い意思で前を見据えるアークレイを見上げる。

「殿下が羨ましい・・・・・・」

「ん?」

「シルフィア殿下が羨ましいですよ。陛下からこんなにも愛されているなんて」

 アークレイは一瞬うっとなって、困ったように天井を見上げた。

「からかうな、シメオン」

「べつにからかってなどおりませんよ、陛下」

「・・・・・・それより。例の件、なにか報告はあったか?」

 自分の照れくささを誤魔化すように話をそらしたアークレイに苦笑しつつも、すぐに顔を引き締めて、シメオンは仕事の顔へと素早く変えた。

「はい。ケテルラーダからの報告によりますと、動きがあったようです」

「そうか・・・・・・」

 アークレイの顔も、険しいものに、王の顔へと変わる。

「・・・・・・シルフィアと、妃や王子たちの護衛の数を増やせ」

「はい」

「食事も気を配れ。騎士、侍従、侍女、料理人をはじめ、下働きの者たちや出入りの者たちまで、身元を再度徹底して調べあげろ」

「かしこまりました。さっそく手配いたします」

 アークレイが王位に就いてから、無我夢中で築き上げてきたこのオルセレイドという国。
 前王の急逝のため一度は不安定になった国政だが、ようやく良い方向に風が吹き始めたというのに、それを遮ろうとする者がいる。
 だがそれも、国王という地位にある己が超えなければならない試練だ。
 アークレイは、長く険しい頂への階段を独りで上り続けていた。

「やれやれ・・・・・・気が抜けないな・・・・・・」

「心中お察しいたします」

 アークレイは瞳を閉じて、瞼の裏にシルフィアの姿を思い描く。
 悲しむことがないように、涙を流すことがないように。
 再び開けられたアークレイの瞳には強い意思が湛えられ、その先にある頂をまっすぐに見据え続けていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する

とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。 「隣国以外でお願いします!」 死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。 彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。 いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。 転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。 小説家になろう様にも掲載しております。  ※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

処理中です...