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意見を言わない限り肯定したと思われても仕方がない 2
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その日の夜、英語の宿題をやりながら俺は中谷さんに連絡した。
【明日の昼は俺と南条が初めに行きます。あと伊月も後から来るみたいなんで、連絡し次第援護で来てくれませんか?】
OKの文字がすぐに返ってくる。
【初めはどうやって切り出すの?】
中谷さんが質問する。
【南条と俺とで例のアカウント画面を見せて、それについて知らないか聞いてみます】
【知らないって言われたら?】
中谷さんが切り返す。確かに。
【南条の証言から知らないはずはないんで、これを見た反応から伺います。そんで、光の写真が校舎内でアップされていることを証拠に詰め寄ります】
【南条さんがクロじゃない確信はあるの?】
【そこは中谷さんが一番わかっているでしょ】
【まあね、ちょっと調べればわかると思うけどどうする?追加料金かかるけど調べる?】
【一応お願いします、金なら払うんで】
【いや、いいよ。その代わり、君が今書いている小説を見せてほしいな】
【なんで俺が小説書いていること、知ってるんですか】
【え、だって文芸部って小説書く部活でしょ?みんな書いているんじゃないの?】
天然で言っているのか?
【もしかしてカマかけただけですか?】
【うん。当たった】
ピースの絵文字が送られてくる。
【わかりましたよ】
中谷さんはつくづく怖い。これで弱みを握られた。
【未来の小説家の生原稿ゲットん☆】
冗談なのか本気なのかいまいちわからない。とにかくこの人を敵に回すことだけはしないでおこうと再度誓った。
翌日の授業中は何となく気がそぞろだった。昼休みのことが頭の片隅のどこかにあり、いまいち集中できなかった。好きな本でも隠れて読もうとしたが、それにも集中できず、諦めて授業を聞いた。英語の課題は今日当たらなかった。俺は授業が一つ終わる毎に少しずつ胸がドキドキし、息がしづらいような感じがした。
昼休みに早速南条と合流した。
「ありがと、来てくれて」
「いえいえ」
「八組に行くか」
俺たちは無言で八組を目指す。少し決まずい。
「協力してくれてありがとう」
俺はとにかく何かを言わなくてはと思い、必死に頭を回転させた。
「いや」
南条は下を向いて言う。
「私の方こそ、放置していたものがあんなことになっているとは知らなかったですし、気づかせてくれたのでこちらこそお礼を言うべきです」
「いや、俺は、自分がやりたいようにやっているだけだから」
「そうですか」
沈黙。なんて返せばいいのかわからん。伊月ならこういう時、どう返すんだろうなあ。
「日向さんって、思ったより話しやすいですよね」
気をきかせてくれたのか、南条が話題を振る。
「日向でいいよ」
言っていると、八組に着いた。
「そういや昨日、欅に連絡したんだよな?」
「はい、連絡も来ました」
「じゃあ大丈夫だ、ちょっと呼んできてくれ」
「わかりました」
南条は八組の中へ入っていった。俺はすかさず伊月と中谷さんに連絡する。
【今呼び出してるなうです】
中谷さんから連絡が即来る。
【おっす】
伊月からの連絡はない。
しばらくするとおかっぱの女の子が出てきた。見たことがある。確か新入生とのお茶会の時に来ていた子だった気がする。
「なんでしょう」
「実はこのアカウントについて知りたくて」
おかっぱの子の顔がみるみる青ざめていく。
「このアカウント、」
「ごめんなさい」
後ろから少し大きな声がした。昨日聞いた、高い、声。
佐伯だった。
【明日の昼は俺と南条が初めに行きます。あと伊月も後から来るみたいなんで、連絡し次第援護で来てくれませんか?】
OKの文字がすぐに返ってくる。
【初めはどうやって切り出すの?】
中谷さんが質問する。
【南条と俺とで例のアカウント画面を見せて、それについて知らないか聞いてみます】
【知らないって言われたら?】
中谷さんが切り返す。確かに。
【南条の証言から知らないはずはないんで、これを見た反応から伺います。そんで、光の写真が校舎内でアップされていることを証拠に詰め寄ります】
【南条さんがクロじゃない確信はあるの?】
【そこは中谷さんが一番わかっているでしょ】
【まあね、ちょっと調べればわかると思うけどどうする?追加料金かかるけど調べる?】
【一応お願いします、金なら払うんで】
【いや、いいよ。その代わり、君が今書いている小説を見せてほしいな】
【なんで俺が小説書いていること、知ってるんですか】
【え、だって文芸部って小説書く部活でしょ?みんな書いているんじゃないの?】
天然で言っているのか?
【もしかしてカマかけただけですか?】
【うん。当たった】
ピースの絵文字が送られてくる。
【わかりましたよ】
中谷さんはつくづく怖い。これで弱みを握られた。
【未来の小説家の生原稿ゲットん☆】
冗談なのか本気なのかいまいちわからない。とにかくこの人を敵に回すことだけはしないでおこうと再度誓った。
翌日の授業中は何となく気がそぞろだった。昼休みのことが頭の片隅のどこかにあり、いまいち集中できなかった。好きな本でも隠れて読もうとしたが、それにも集中できず、諦めて授業を聞いた。英語の課題は今日当たらなかった。俺は授業が一つ終わる毎に少しずつ胸がドキドキし、息がしづらいような感じがした。
昼休みに早速南条と合流した。
「ありがと、来てくれて」
「いえいえ」
「八組に行くか」
俺たちは無言で八組を目指す。少し決まずい。
「協力してくれてありがとう」
俺はとにかく何かを言わなくてはと思い、必死に頭を回転させた。
「いや」
南条は下を向いて言う。
「私の方こそ、放置していたものがあんなことになっているとは知らなかったですし、気づかせてくれたのでこちらこそお礼を言うべきです」
「いや、俺は、自分がやりたいようにやっているだけだから」
「そうですか」
沈黙。なんて返せばいいのかわからん。伊月ならこういう時、どう返すんだろうなあ。
「日向さんって、思ったより話しやすいですよね」
気をきかせてくれたのか、南条が話題を振る。
「日向でいいよ」
言っていると、八組に着いた。
「そういや昨日、欅に連絡したんだよな?」
「はい、連絡も来ました」
「じゃあ大丈夫だ、ちょっと呼んできてくれ」
「わかりました」
南条は八組の中へ入っていった。俺はすかさず伊月と中谷さんに連絡する。
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【おっす】
伊月からの連絡はない。
しばらくするとおかっぱの女の子が出てきた。見たことがある。確か新入生とのお茶会の時に来ていた子だった気がする。
「なんでしょう」
「実はこのアカウントについて知りたくて」
おかっぱの子の顔がみるみる青ざめていく。
「このアカウント、」
「ごめんなさい」
後ろから少し大きな声がした。昨日聞いた、高い、声。
佐伯だった。
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