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デウスエクスマキナ
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事の真相は次のようだった。以下は佐伯が話してくれた話だ。
欅と佐伯、ついでに南条は鈴木に対して尊敬の念を持っていた。そこは共通していたが、欅はそれに加えて大いなる嫉妬心をも持ち合わせていた。南条が読書アカウントを放置していることを知った欅は、パソコンに詳しい佐伯に軽い気持ちでアカウントの乗っ取り方法を聞いた。
佐伯はまさか欅が実際に乗っ取りを行うとは思ってもみなかったらしく、冗談半分で方法を教えてしまった。また、乗っ取りを行ったとしても、共同アカウントのように、南条の許可を得ているものだと勘違いしていた。
しかし先日このアカウントを見つけ、欅が南条のアカウントを乗っ取っている可能性が否定できなくなった。それどころか、大好きな尊敬する先輩の写真や中傷発言までアップされるようになり、さすがに怖くなり、俺に報告した。ただ、事の顛末が全てばれると自分も共犯者になってしまうと考えた佐伯は、欅が犯人である可能性を言い出すことができなかった。欅が犯人である確証もなかった。しかし今、たまたま通りがかりに俺が欅に詰め寄っているところを見かけ、欅が犯人だと確信した、と。
「だからこれは、私のせいでもあるんです」
と佐伯は言った。
「先輩が中傷されていることを知っていて、それでも自分が関与しているからって、言い出せなかったんです。これは私の罪です」
「いや、気持ちはわかる」
俺が佐伯を慰めるように言う。
「で、欅、何でこんなことしたんだ?」
俺は欅に向き直る。
「私がしたという確証はあるんですか?」
欅はこの期に及んでしらばっくれた。俺は怒りを抑える。
「まずは光の写真が校内で写っている。壁と手すりの色がうちの学校と一致しているから間違いない。必然的にこの学校の関係者に犯人は絞られる。それに加えて放置されたアカウントがあることを知っていて、かつ乗っ取り方法を知っているのはお前だけだ」
「佐伯さんは?」
「佐伯さんだって、知っていたんでしょう?」
「実は」
と佐伯は言う。
「知っていました。このアカウントのこと。結構前から。でも私じゃありません」
佐伯はまっすぐな目で俺を見つめる。
「本当はこのアカウントを見て、偉大で有名な先輩にもこんな中傷されることがあるんだ、ってどこかで安心して、自分を慰めている自分がいました。でもそれは、単に先輩に対する嫉妬心の私の怠惰な心の表れだったんです。私、わかっていたんです。先輩みたいに才能がないこと。このアカウントがあるってことを知って、ほっとした自分もいるんです、ほんとうは。
だから、このアカウントのことを知っていても、放置していました。でも次第に、鈴木先輩の人柄の良さを、丁寧に毎回指導してくれて、毎回できるたびに私を褒めてくれて、できない私を責めない先輩の偉大さを知って、いてもたってもいられなくなりました。先日、鈴木先輩の隠し撮り写真がアップされた段階で、これはさすがにまずいと思い、日向先輩に相談したんです。ごめんなさい、だから、私は、」
「共犯じゃないよ」
高い声がした。周りの空気が一段と澄んだ気がした。
鈴木と伊月がいた。
「おい、鈴木……いつから、」
「ごめん、止められなかった」
と伊月が下を向いて言う。
「ごめんね、実は私、昨日図書室に向かう途中で、伊月君と日向君がしゃべっている内容、聞いちゃったの。」
なんと、細心の注意を払っていたつもりだったが、昨日の段階ですでに光にはばれていた。しかも出所が俺らなんて、間抜けすぎる。
「それから女子トイレで昨日、アカウントを確認したの。全部読んだ。私の写真がアップされているのも見た。こういうの、本当にあるんだね。びっくりした」
「鈴木……」
鈴木は淡々としゃべる。でも、怒っていないわけじゃない。いつも声の小さい鈴木だが、今日はよく通る気がした。
「和可菜ちゃん、確かに貴方の中に弱さがあったのかもしれないけれど、共犯だとは思わない」
いつものか細い声とは少し違う、澄んだ声だった。
「鈴木さん」
佐伯は今にも泣きだしそうに目を潤ませた。
「鈴木……」
俺は伊月の方を見る。伊月が下を向きながら首を振った。
「それで」
と欅が言う。
「私が犯人っていうのは、」
「あ、それはねえ」
後ろからひょっこり中谷さんが現れた。何処にいたのだろう。
「ごめんだけど、このアカウントのパスワード、俺も解いてね、それで、欅さんにも解けたんじゃないかな」
「……」
欅は中谷さんを奇異な目で見つめていた。
「あ、申し遅れました、僕、中谷って言います」
中谷さんはこんな場面でも飄々としている。
「ちょっと僕も気になって調べてみたら、パスワードがある本の名前になっていたんだよね。まあ、この場では言わないけど。読書領域の近い欅さんには南条さんのアカウントのパスワードが解けてしまったんじゃないかな。まあ憶測だけど」
「……」
欅は黙って中谷さんを見ていた。
「先輩、いつのまにそんなこと」
と俺が口を挟む。
「ん、さっきだっけな。忘れたけど。あ、ごめんだけど、今アカウントさっき凍結させたから。もう見れなくなっているよ」
俺は携帯を思わず見る。みんな一斉に携帯を確認する。本当だ。アカウントが凍結されて見れなくなっている。
「先輩……」
「大丈夫、どうせ初期部分の発言以外は削除させるから」
小声で先輩が俺に言う。けどそういう問題じゃない。
「それに、俺、ちょっとカッコよくない?このタイミング」
欅は結局白状し、アカウントは凍結された。初期の南条の発言だけは別のアカウントに移行することで交渉は成立し、中谷さんがその開設を手伝った。ついでに中谷さんは南条にパスワード設定のコツを教えた。
先輩は
「複雑にするんだよ、例えば俺は素数なんかが好きなんだけどそれだとばれるから……」
とかなんとか言っていた。
「ただうらやましかったんです」
と欅は言った。
「自分にできないことができて、注目されている鈴木さんのことが」
鈴木は静かに
「わかった」
と言った。
「殴っていい?」
鈴木が詰め寄る。
「どうぞ」
鈴木は欅の前に一歩出た。欅が一瞬瞬きした。パン、と鈴木は欅の頬を叩いた。
「じゃあ、これで終わりってことね」
鈴木は穏やかに言った。
「なんで鈴木を足止めしなかったんだよ」
俺は伊月に怒る。
「だから不可抗力だったんだって。大体、会話は昨日の時点で聞かれていたんだぞ。二人の責任だ」
「もう終わったからいいじゃん」
鈴木が加勢する。
教室まで帰る間、俺たちはのろのろ歩いていた。なんだかどっと疲れた。
「あ、お代、よろしくお願いしますね」
と中谷さん。
「ありがとうございました」
と、南条。
二人が去っていく。
「お代って?」
鈴木がいつもの上目遣いで聞く。
「あいつ、今回の件で俺の小説を報酬にくれって言ったんだ。全く、黒歴史晒しもいいとこだよ」
「黒歴史じゃないよ、いい作品にしようよ」
鈴木が純粋な目で言う。
「そうそう、頑張って構成しなきゃあな。結局、今回の件では中谷さんがいなけりゃ進まなかったんだし、あの人、時計仕掛けの神(デウスエクスマキナ)みたいだよな」
伊月も賛成する。
「いや、あの人は道化だろ」
俺が突っ込むと鈴木が笑った。
「あ、そうそう佐伯」
佐伯は俺に声をかけられてびくっとする。
「佐伯が俺に声をかけたのは、お前の勇気だと思う。そこは誇っていいと思う」
俺は佐伯に偉そうなことを言う。
「は、はい」
「なんか日向君、先輩っぽいねえ」
当の本人、鈴木はのんびりしている。
「今度、鈴木が書いた詩を読んでみるといいよ」俺
はこっそり佐伯に言う。
「鈴木の気持ちが少しわかるかもよ」
欅と佐伯、ついでに南条は鈴木に対して尊敬の念を持っていた。そこは共通していたが、欅はそれに加えて大いなる嫉妬心をも持ち合わせていた。南条が読書アカウントを放置していることを知った欅は、パソコンに詳しい佐伯に軽い気持ちでアカウントの乗っ取り方法を聞いた。
佐伯はまさか欅が実際に乗っ取りを行うとは思ってもみなかったらしく、冗談半分で方法を教えてしまった。また、乗っ取りを行ったとしても、共同アカウントのように、南条の許可を得ているものだと勘違いしていた。
しかし先日このアカウントを見つけ、欅が南条のアカウントを乗っ取っている可能性が否定できなくなった。それどころか、大好きな尊敬する先輩の写真や中傷発言までアップされるようになり、さすがに怖くなり、俺に報告した。ただ、事の顛末が全てばれると自分も共犯者になってしまうと考えた佐伯は、欅が犯人である可能性を言い出すことができなかった。欅が犯人である確証もなかった。しかし今、たまたま通りがかりに俺が欅に詰め寄っているところを見かけ、欅が犯人だと確信した、と。
「だからこれは、私のせいでもあるんです」
と佐伯は言った。
「先輩が中傷されていることを知っていて、それでも自分が関与しているからって、言い出せなかったんです。これは私の罪です」
「いや、気持ちはわかる」
俺が佐伯を慰めるように言う。
「で、欅、何でこんなことしたんだ?」
俺は欅に向き直る。
「私がしたという確証はあるんですか?」
欅はこの期に及んでしらばっくれた。俺は怒りを抑える。
「まずは光の写真が校内で写っている。壁と手すりの色がうちの学校と一致しているから間違いない。必然的にこの学校の関係者に犯人は絞られる。それに加えて放置されたアカウントがあることを知っていて、かつ乗っ取り方法を知っているのはお前だけだ」
「佐伯さんは?」
「佐伯さんだって、知っていたんでしょう?」
「実は」
と佐伯は言う。
「知っていました。このアカウントのこと。結構前から。でも私じゃありません」
佐伯はまっすぐな目で俺を見つめる。
「本当はこのアカウントを見て、偉大で有名な先輩にもこんな中傷されることがあるんだ、ってどこかで安心して、自分を慰めている自分がいました。でもそれは、単に先輩に対する嫉妬心の私の怠惰な心の表れだったんです。私、わかっていたんです。先輩みたいに才能がないこと。このアカウントがあるってことを知って、ほっとした自分もいるんです、ほんとうは。
だから、このアカウントのことを知っていても、放置していました。でも次第に、鈴木先輩の人柄の良さを、丁寧に毎回指導してくれて、毎回できるたびに私を褒めてくれて、できない私を責めない先輩の偉大さを知って、いてもたってもいられなくなりました。先日、鈴木先輩の隠し撮り写真がアップされた段階で、これはさすがにまずいと思い、日向先輩に相談したんです。ごめんなさい、だから、私は、」
「共犯じゃないよ」
高い声がした。周りの空気が一段と澄んだ気がした。
鈴木と伊月がいた。
「おい、鈴木……いつから、」
「ごめん、止められなかった」
と伊月が下を向いて言う。
「ごめんね、実は私、昨日図書室に向かう途中で、伊月君と日向君がしゃべっている内容、聞いちゃったの。」
なんと、細心の注意を払っていたつもりだったが、昨日の段階ですでに光にはばれていた。しかも出所が俺らなんて、間抜けすぎる。
「それから女子トイレで昨日、アカウントを確認したの。全部読んだ。私の写真がアップされているのも見た。こういうの、本当にあるんだね。びっくりした」
「鈴木……」
鈴木は淡々としゃべる。でも、怒っていないわけじゃない。いつも声の小さい鈴木だが、今日はよく通る気がした。
「和可菜ちゃん、確かに貴方の中に弱さがあったのかもしれないけれど、共犯だとは思わない」
いつものか細い声とは少し違う、澄んだ声だった。
「鈴木さん」
佐伯は今にも泣きだしそうに目を潤ませた。
「鈴木……」
俺は伊月の方を見る。伊月が下を向きながら首を振った。
「それで」
と欅が言う。
「私が犯人っていうのは、」
「あ、それはねえ」
後ろからひょっこり中谷さんが現れた。何処にいたのだろう。
「ごめんだけど、このアカウントのパスワード、俺も解いてね、それで、欅さんにも解けたんじゃないかな」
「……」
欅は中谷さんを奇異な目で見つめていた。
「あ、申し遅れました、僕、中谷って言います」
中谷さんはこんな場面でも飄々としている。
「ちょっと僕も気になって調べてみたら、パスワードがある本の名前になっていたんだよね。まあ、この場では言わないけど。読書領域の近い欅さんには南条さんのアカウントのパスワードが解けてしまったんじゃないかな。まあ憶測だけど」
「……」
欅は黙って中谷さんを見ていた。
「先輩、いつのまにそんなこと」
と俺が口を挟む。
「ん、さっきだっけな。忘れたけど。あ、ごめんだけど、今アカウントさっき凍結させたから。もう見れなくなっているよ」
俺は携帯を思わず見る。みんな一斉に携帯を確認する。本当だ。アカウントが凍結されて見れなくなっている。
「先輩……」
「大丈夫、どうせ初期部分の発言以外は削除させるから」
小声で先輩が俺に言う。けどそういう問題じゃない。
「それに、俺、ちょっとカッコよくない?このタイミング」
欅は結局白状し、アカウントは凍結された。初期の南条の発言だけは別のアカウントに移行することで交渉は成立し、中谷さんがその開設を手伝った。ついでに中谷さんは南条にパスワード設定のコツを教えた。
先輩は
「複雑にするんだよ、例えば俺は素数なんかが好きなんだけどそれだとばれるから……」
とかなんとか言っていた。
「ただうらやましかったんです」
と欅は言った。
「自分にできないことができて、注目されている鈴木さんのことが」
鈴木は静かに
「わかった」
と言った。
「殴っていい?」
鈴木が詰め寄る。
「どうぞ」
鈴木は欅の前に一歩出た。欅が一瞬瞬きした。パン、と鈴木は欅の頬を叩いた。
「じゃあ、これで終わりってことね」
鈴木は穏やかに言った。
「なんで鈴木を足止めしなかったんだよ」
俺は伊月に怒る。
「だから不可抗力だったんだって。大体、会話は昨日の時点で聞かれていたんだぞ。二人の責任だ」
「もう終わったからいいじゃん」
鈴木が加勢する。
教室まで帰る間、俺たちはのろのろ歩いていた。なんだかどっと疲れた。
「あ、お代、よろしくお願いしますね」
と中谷さん。
「ありがとうございました」
と、南条。
二人が去っていく。
「お代って?」
鈴木がいつもの上目遣いで聞く。
「あいつ、今回の件で俺の小説を報酬にくれって言ったんだ。全く、黒歴史晒しもいいとこだよ」
「黒歴史じゃないよ、いい作品にしようよ」
鈴木が純粋な目で言う。
「そうそう、頑張って構成しなきゃあな。結局、今回の件では中谷さんがいなけりゃ進まなかったんだし、あの人、時計仕掛けの神(デウスエクスマキナ)みたいだよな」
伊月も賛成する。
「いや、あの人は道化だろ」
俺が突っ込むと鈴木が笑った。
「あ、そうそう佐伯」
佐伯は俺に声をかけられてびくっとする。
「佐伯が俺に声をかけたのは、お前の勇気だと思う。そこは誇っていいと思う」
俺は佐伯に偉そうなことを言う。
「は、はい」
「なんか日向君、先輩っぽいねえ」
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