鬼の宴

さかばんばすぴす

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鬼の宴

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~●◯●~
「ーい、ぉーい生きてるかぁ~」
「あっここで生きてる人なんて居ないんだったわ草」

うるせぇ。
目を開ける。
前にいたのはあのバズーカにしやがったクソ鬼だった。

「…しねよ」(しねよ)
「本音も建前と一緒かよ。」

着物はぐしゃぐしゃ、水でベチョベチョ。
最悪すぎる目覚めだよ。
ところどころ痛い外傷がない身体を起き上がらせる。
え?なんで外傷がないかって?
もう考えたくねえよ。

「いや~思ったより上出来だわ、無謀さん。」
「その無謀を呼び覚ましたのは誰だよクソ。」

まーそんな事言わないのと、背中を叩かれる。
その倍の力でローキックしてやった。

「あ、そーだ。おまえ、友達と一緒に来ただろ?」
「え?!出会ったのか?」

いや、今まで忘れてたけどね…★
って、テヘッと言う顔をするそいつ。
…しねよ。

「そのやつから捜索願いだされてたわ…って、来たな。」

彼と同じ方向を見ると、額に一本の角が生えた犬のようなやつが来る。

「おーい!ライ!いたのか?!」

マフラーの鈴を小刻みに鳴らして、こちらに近づいてきた。

「見つけたなら言えよな!!突然いなくなってびっくりしたんだぞ!!」

ライと言われた鬼はハイハイと言いながら俺をもう一度猫のように掴み。
投げる、投げ捨てる、のほうが適切かもしれない、
命を粗末に扱うな!運動音痴だったら死んでたぞ…

「刹那、そんなことよりあいつとこいつ会わせてやれよ。」

あ、そうだなと言いながら、刹那という犬の鬼は両手で狐の小窓を作り、どこかを見て、
コン
と、一言言った。
すると、そこから、

「…くるる!」

なんと狐面を被ったくるるが、
なんか…なんか、魔法みたいだな、
どうして見えなかったのかとか、考えることはやめよう。
自分の身にもう、魔法みたいなことが起こってるからもう、
感覚が麻痺してしまったようだ。

「き…のすけ??」

ベチャベチャになった着物を訝しみながら名前を呼ばれる。
まあ、なんでって思うよな、戦犯はこの骨野郎です。

「おー、奇跡の出会いってやつか、俺たちに感謝しないとなぁ~!」

骨の鬼はニヤニヤしながらこちらを覗いた。
感謝…こいつにしたくねえ、
てか、お前がここまで来なかったらもうちょっと早く会えたんだよなあ…
全力で目をそらす。

「あ、自己紹介とかいるんじゃない?俺は狛犬族の刹那、タメでいいよ。でこっちが。」
「髑髏族のライでーす。餓者髑髏って言ったほうがいいか?」

がしゃどくろ、あー聞いたことあるかもしれない。
妖怪の一種か、狛犬…は、ここにいていいのか神の使いだろ?
そんな事考えていると、君たちは?と聞かれる。

「人間の…きのすけと、俺がくるる。」

いや、そっちじゃないだろ、本名じゃないんだし。
…あ、でも、そっちじゃないとだめとか?

「偽名…でいいよね、よくわかってんじゃん!!」

ご満悦な刹那、

「この世界じゃ本名はダメなんだよ、真名は肉体と魂の繋ぎ目、玉の緒に直結するからな」

真名か、そんなの物語で読んだ気もする。
ほんとにあるとか、おもろいな。

「あと一人いるんでしょ、名前は?」
「くと、です。」
「うーん…門から来たなら特定の座標に集まるはずだけど…」

門?と思うと、くるるが後ろから教えてくれる。
曰くこの世界と現実を繋ぐところで、いつもは管理されているらしい。
そこに迷ったはずだが、イレギュラーが起こったのか、
くととはぐれてしまったようだ。

「とりあえず迷子センター行くか。こいつ…きのすけのことも解決するだろうし。」

ライさんが僕の角を見ながら言う。しゃーねーだろ、生えちゃったんだから。
さっき生えてきた角は少しずつ大きくなっており、比例して身体も動かしやすくなっていた

ここにも迷子センターあんのかよ。
鬼の世界もインフラちゃんとしてんだな…

「迷子センター…まあ、あってるっちゃーあってるか。」

ボクを手から出した炎で乾かしてくれている刹那が言った一言で何かを察する。
絶対にインフラとかじゃないわこれ。
残念ながら、その考察は(失)笑する
ほどに当たっていたのだ。

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